森 博嗣先生 MORI Hiroshi 名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻・助教授 | 猿の残日録

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いろんなことがあるが、人生短いから前だけを見たほうがいいですよ。江原啓之 今宵の格言

神様が殺してくれる Dieu aime Lion(2013年6月 幻冬舎)

 

という本を借りたが、私が読む前に相棒が読んだ

 

こんな本は読んだことがないと楽しそうに言う

 

相棒の読み方は、最初読み始めてから、終わりを読み、安心してまた最初から読むという

 

ミステリィの犯人がわかったら、読み終えて感動するのかと聞いたら、終わりを読んでも意味が分からなかったという

 

読み終えて面白いという

 

どんな人か、ネットで調べて見た結果を書いてみる

 

http://asumo.in.coocan.jp/writing/w031.pdf





印税額(印刷書籍のみ)1996~2014年
127702万円
19年間、6721万円/年



少なくとも、浮き沈みのない作家だった
デビューして今年(2015 年)の 4 月で 19 年になる。

 

その間に国内で印刷出版した本は、278 冊、総部数は約 1400 万部、これらの本が稼いだ総額は約 15 億円になる


1 冊当り約 5 万部が売れ、約 540 万円を稼いだ計算になる。
 

あのときがピークだったというほど売れていた期間もないし、どの本がもの凄く当ったということもない。

 

第 1 章の印税収入の推移で示したとおり、ほとんどコンスタントに利益を挙げていた。

引退して仕事を減らしたところ、収入も半減した。つまり、仕事量に比例しているということである。


結局、これでも、稼いだ額(税金を引かれたあとの額)の半分も使えていない。

 

引退をして、今後は仕事も減っていくはずなので、残りの金を「自己年金」として生きていければ良いだろう、と考えている。食べることや、着ることや、飲むことなどに興味がないし、博打もしないし、同性異性に限らず人づき合いをしないので、金の使い道がない。当然ながら、投資にも興味がない。現金は利子のない預金にしている(銀行倒産時に全額が保護されるため)。


こうして、1 日に 1 時間だけ小説の仕事をする引退作家になった。

現在は、1 日のほとんどを遊んで暮らしている。

ただ、これまでに稼がせてもらった出版社(特に、そのときの編集者)には「では、さようなら」と簡単にはいかない。ほんの少しだが、依頼を引き受けている。


「書けなくなる」ということがあるらしい。

僕は、その心配をしたことがないし、スランプというものを経験したこともない。

どうしてかといえば、僕は小説の執筆が好きではない。いつも仕事だからしかたなく嫌々書いている。

 

小説を読む趣味もない。この仕事がさほど好きではないし、人に自慢できる価値があるとも認識していない。

スランプにならないのは、このためだと思われる。
 

「好きだから」という理由で書いている人は、好きでなくなったときにスランプになる。
「自慢できる」仕事だと思っている人は、批判を受けるとやる気がなくなる。

つまり、そういった感情的な動機だけに支えられていると、感情によって書けなくなることがある、ということのようだ。
 

それに比べれば、仕事で書いているかぎり、スランプはない。

書けば書いただけ稼ぐことができる。人の心は人を裏切るが、金は裏切らない、ということか。

守銭奴のような物言いになるけれど、これは正直なところである。

仕事という行為は、例外なく守銭奴になることだ。
 

そういう意味では、小説家以外の職業、あらゆる職業でも、まったく同じことがいえるだろう。

近頃は、仕事に「やり甲斐」を求めたり、「憧れの職業」などといった幻想を持ったりする若者が多い。

それは、そういったイメージを植え付けようとする勢力があるからだが、実社会にそんなものは存在しない。

幻想なのである。
 

 

 

 

 

平成 17(2005)年 3月 の記事より

 

1957年愛知県生まれ。工学博士。

1996年、『すべてが F になる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、ミステリィ作家としてデビュー。
同作に始まるS&Mシリーズ、その後の『黒猫の三角』(講談社文庫)に始まるVシリーズが爆発的ヒットとなり、ベストセラーを続出。

出版部数は既に600万部を突破している。

両シリーズ以外では、『そして二人だけになった』(新潮社文庫)、『女王の百年密室』(幻冬舎文庫)、『スカイ・クロラ』(中央公論新社)、『墜ちていく僕たち』(集英社)などがある。

さらに、小説以外にも、『臨機応答・変問自在』(集英社親書)、『猫の建築家』(光文社)、『星の玉子さま』(文藝春秋)、『100人の森博嗣』(メディア・ファクトリー)、『MATEKI』(PHP 研究所)など、エッセィ、絵本、詩集、写真集など多才。日本推理作家協会員。本格ミステリ作家クラブ会員。

ホームページ『森博嗣の浮遊工作室』
(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/)

 

自分の研究棟から出るのは、他の建物で会議があるときだけです。キャンパスを歩いたりすることはありません。生協で食事をしたこともありません。朝食も昼食もとらないので。

 

Q 今後のご活躍の予定は?
A.これまでも活躍などしていません。ずっと同じです。
忙しいことは、みっともない恥ずかしいことだと認識しているので、できるだけ忙しくないように改善したいと思います。

 

 

 

森先生は3月で大学を去られますが、ますます素晴らしい作品を創作していただけますようお祈り申し上げます。