2002年発行の新版 池田香代子訳 を読みました
読みやすい大きな文字とわかりやすい訳文で、157ページ最初の翻訳者 霜山徳爾(しもやまとくじ)の旧版 130ページ
に比べて、文字が1.5倍
原文が初版から30年後に改訂されているので、
新版は、若い人に読みやすいよう、訳者が変わった
事実、読みやすい が、新版を読んでから旧版を読むと
新版で省略された内容が実によくわかるので
もし読むのであれば、新版 の 後に 旧版 をおすすめします
新版だけを読んでは、わからない数字の資料が旧版にある
ポーランドの一般市民の死者・行方不明が500万人
非ドイツ国民で占領軍に対する犯罪容疑者は
夜間秘密裡に捕縛して強制収容所に送り、
その安否や居所を家族親戚にも知らせない
とするヒットラーの特別命令
後にはさらにこれが家族の集団責任
という原則に拡大され、政治犯容疑者は
家族ぐるみ一夜にして消え失せた
ヨーロッパのユダヤ人の3分の2以上が殺された
最初からユダヤ人が標的だったわけではない
Wikiによると
「夜と霧」は夜陰に乗じ、霧に紛れて
人々が連れ去られ消された歴史的暗部を比喩した。
「言語を絶する感動」と評されている。
(『アンネの日記』に並ぶロングセラーである)
発行部数は、英語版だけでも900万部に及び、
1991年のアメリカ国会図書館の調査で
「私の人生に最も影響を与えた本」のベストテン
に入ったという。
また、日本語を含め17カ国語に翻訳されており、
読売新聞による
「読者の選ぶ21世紀に伝えるあの一冊」
のアンケート調査でも、翻訳ドキュメント部門の第3位となった。
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私が印象に残るのは
カポー(囚人を取り締まるため囚人の中より選ばれた者)
は、劣悪な者から選ばれた
この任務に耐えられるのは、ありがたいことに
もちろん例外はいたものの、もっとも残酷な人間だけだった
親衛隊員にあてはまるような、ある種の優秀者を
上から選ぶ選抜とならんで、劣悪者を下から選ぶ
選抜というものもあった
いつの世も似たようなもの