皆さんこんにちは。
理学療法士・鍼灸師の李成浩です。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
一部地域では梅雨明けが宣言されましたが、こちらでは今週いっぱいは天気が悪く、外に出るのもおっくうです…
早くスカッと晴れた青空が見たいですね♪
さて、今回のブログも番外編として固定についてお話しします。
前回は人体の外側から固定する「外固定」をみてみましたが、今回は「内固定」をみてみましょう。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
麻酔をしたうえで皮膚を切開して、骨のずれを直接整復したうえで、金属のピンやワイヤー、スクリューやボルト、プレート、ロッドなどで皮膚の下で固定をする方法が今回紹介する「内固定」です。
この固定で使われる金属はステンレスや合金、チタンなど様々な金属で作成されています。
今回紹介するのは
①ピンニング
②プレート固定
③髄内釘固定
の3つに絞ろうと思います。
まずはワイヤーや鋼線を使った固定であるピンニングです。
これは以前槌指(マレットフィンガー)で少し紹介したことが有ります。
ここで使われる鋼線はキルシュナー鋼線が使われますが、1909年にマーティン・キルシュナーというドイツの外科医が使い始めたことからこの名がついたそうです。
(このブログを書きながら、由来を初めて知りました…)
先のとがった針金を骨に刺し、骨折片同士を固定するだけでなく、軟部組織や靭帯を骨に固定する為に使用します。
↓槌指に対するピンニング
↓上腕骨外顆骨折に対するピンニング
皮膚を切開せず、皮膚の上から直接刺す場合もあります。
次はプレート固定に移りましょう。
骨折の範囲が広く複雑な骨折では、外固定ではズレを整復することは困難で、プレート固定が選択されることが有ります。
金属製のプレートを骨折部位にあて、スクリュー(ねじ)で骨にとめて固定します。
↓高位脛骨骨切り術後のプレート固定(骨折ではなく骨切り術後の固定)
↓腓骨骨折に対するプレート固定
このプレートも骨折箇所や骨折片にあわせて、一直線やT字、十字の形をしているものがあったり、鎖骨のように弯曲している骨に沿わせられるような形のものなど、様々な形があるようです。
3つ目に髄内釘固定です。
骨の中心部にある髄腔に、骨端から金属製の長いロッド(棒)を打ち込みます。
大きな骨の骨幹部(大腿骨や上腕骨など中心部が空洞の骨)が折れたときに行います。
↓大腿骨頸部骨折に対する髄内釘固定(γネイル)
↓脛骨骨幹部骨折に対する髄内釘固定
切開面を狭くすることが出来て、骨折部周辺の軟部組織(筋肉や皮膚など)への侵襲が少ないため、比較的早期に荷重(体重をかけること)ができるという利点があります。
また、骨折の治療では、整復、固定とともにリハビリが大きな柱となります。
筋肉をまったく動かさずにベッド上で安静にしていると、筋肉の重量は1日で約3%減少するといわれています。
固定をしている間は運動量が極端に減るため、固定をはずすころにはだいぶ筋肉量が減り、筋肉が細くなっています。
筋肉を増やし、その機能を回復させるリハビリは、早期から積極的に行うのが効果的です。
高齢者の場合は、骨折を機に介護が必要な状態になることもあるので、とくに早期からのリハビリが大切です。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いかがでしたでしょうか?
骨折片を繋ぐだけでも様々な方法が有り、骨折場所にあった固定法が有ります。
でも、一番気を付けたいのは骨折しないことですね?
次回も番外編でお会いしましょう。
それでは、また。