皆さんこんにちは。
理学療法士・鍼灸師の李成浩です。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
とうとう梅雨入りしましたね。
ちょうど今の時期は田植えと麦の刈取りが行われています。
最近の気候が安定しないので、こういう風景を見ながら季節を感じ取るのもいいかもしれませんね。
さて今回のブログですが、これまで骨折について長くお話ししてきました。
今回から番外編として、骨折した時に固定するための物や道具などについてお伝えできればと思います。
骨折時の道具だけでなく、装具に関してもみていきたいですね。
それでは、始めましょう。
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まずは患部を固定するときに、どのような方法があるかを見てみましょう。
障害を負った場所や、骨折部の安静を図るために、患部の外部からもしくは手術で内部から固定が行われます。
まず今回は外固定から説明します。
良く聞くと思いますが、ギプスというものが有ります。
ギプスというのは元々石膏のことで、最近はプラスチックやグラスファイバーなど様々な原料が有ります。
この原料を水につけると化学反応を起こし、数分程度で硬化しますので、硬化する前に患部を包むように巻いていきます。
患部の場所や骨折の種類によって巻く長さは変わってきますが、
①上肢:長上肢ギプス~上腕から手関節まで
短上肢ギプス~肘より手前から手関節まで
②下肢:長下肢ギプス~大腿から足まで
短下肢ギプス~ふくらはぎから足まで
と、名称も変わってきます。
ギプスを装着することで固定と安静が得られますが、反面合併症が起きることについて注意が必要です。
装着した部分の腫脹(腫れ)が強くなると内部の圧が高まってしまい、血行障害や神経麻痺が起きてしまうことが有ります。
また、これが広範囲にわたり循環障害が起きてしまうと、組織(筋肉や細胞)の阻血性壊死が発生し、重篤な後遺症を残してしまいます。
そのためギプス装着後の24時間は循環状態や運動機能のチェックが必要となります。
ギプスが巻かれていない場所の皮膚の色や皮膚音の確認、脈拍の拍動、手指の動きの確認、ギプス内に痛みが有るかを確認していきます。
これらを認められる場合は医師の確認の上でギプスの除去か、ギプスを割って除圧など、内部にかかっている圧力を下げる処置がなされます。
次はシーネです。
シーネと聞くとあまり理解は得られませんが、副子=添え木のことです。
2つの種類が有り
①ギプスシーネ:ギプスを必要な幅・長さにして折り重ね、患部に当てて硬化させたもの
②ギプスシャーレ:一度患部にギプスを巻き硬化させ、半分に割ったもの
です。
上の2つはギプスを硬化させて作られるものですが、他にスポンジに針金が入っており患部の形にあわせられるものや、プラスチック製のものもあります。
これらを患部に当てながら包帯などで周囲を巻き固定します。
長さによって名称が変わりますが、ギプスの時と同じように長・短上肢シーネ、長・短下肢シーネなどと呼ばれます。
話が少し変わりますが、以前上腕骨骨幹部骨折のお話しをした時に固定法の写真を載せていましたが、覚えているでしょうか。
hanging cast法ではギプスを巻いた後、バンドを用いて吊り下げ、ギプスと腕の重みを利用して整復する方法もあります。
このように、ただ巻いて固定するだけでなく、ギプスの重みをも利用することもあります。
創部の安静、固定、整復とギプスだけでこれだけのことが出来るのです。
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ところでみなさん。
ギプスを巻いたことはありますか?
自分は以前交通事故で足を骨折してギプスを巻きましたが、結構な重量が有ります。
活動的に動かれる方ですと、ギプスが巻かれていると動きにくいし、窮屈に感じると思います。
当時はギプスを巻いたまま仕事に出ていましたが、大変でした…
幸い左足でしたので、車の運転はできましたが、着替えやお風呂に入るのが一苦労。
もうあんな思いはしたくないです…
次回は折れた骨を直接接合する固定様式をお伝えできればと思います。
それではまた次回お会いしましょう。