皆さんこんにちは。

理学療法士・鍼灸師の李成浩です。

 

梅雨が明けたような、まだ明けていないような、よくわからない気候が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 

九州では台風、大雨、地震と災害が続いてしまい、現地在住の方はとても疲労している中、梅雨が明けて暑さが強くなるこの時期は、身体に気を付けてほしいですね。

 

 

さて今回の「整形疾患ブログ」ですが、先週に引き続きリウマチに関してお送りしたいと思います。

 

前回は疾患の紹介、今回は治療と補助具についてお話ししたいと思います。

 

それでは一緒にみていきましょう。

 

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このリウマチの治療法ですが、以前のものと現在のものではかなり変化が起きていると言えます。

 

以前は関節の変形は緩やかに進行していくと思われていましたが、そうではなく、発症から約2年の間に急激に進行する事が分かってきたそうです。

 

 

病気によって破壊された関節は元に戻すことができないため、早期発見・早期治療を行えるように、前回お伝えした評価法などが開発されてきたようです。

 

リウマチに対する治療法は、保存療法として薬物及び理学療法、また痛みの除去や生活の向上の為に手術が行われることもあります。

 

 

薬物療法として有名であるのは抗リウマチ薬(DMARDs)で、その中でもリウマトレックスと言う薬を耳にする事があると思います。

 

他にもステロイド剤、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)などが使用されます。

 

以前は非ステロイド抗炎症薬の効果が十分でない場合にのみ、抗リウマチ薬を段階的に積み重ねるというピラミッド療法が主流であったそうですが、抗リウマチ薬にはRAを寛解に導く効果があり、関節破壊の進行を防止もしくは抑制する作用が明らかにされたため、早期からの導入が勧められているそうです。

 

現在では事実上すべてのRA患者が抗リウマチ薬療法の適応とされているようです。

 

しかし、この薬剤は遅効性であるようで、最低3か月間継続し、効果がなければ別の薬剤へ変更するようになっているようです。

 

 

理学療法では、対象者により症状が異なる為、個別のプログラムが立案されます。

 

まず発症初期から急性期の方は薬物療法を併用しながら、痛みや腫れなどの炎症症状を増強させないため、物理療法(温熱炎症期に温熱は禁忌、寒冷、水治療法)と自主的運動を主体とした運動療法が選択されます。

 

痛みや力が入りにくいと身体を動かさなくなり、関節が動かなくなったり、筋力の低下が始まり、徐々に身体機能の低下に繋がります。

 

その為、痛みの無い範囲で関節を自主的に動かし、関節の拘縮を予防し機能維持を目的としています。

 

自主運動の代表的なものにリウマチ体操というものがありましたので、掲載します。

 

各動作はゆっくりと行ない、最終域で10秒ほど保持してから戻します。

 

動かし過ぎは禁物で、運動後2~3時間以上疲労感や痛みが継続したり腫れが起きるようなら、運動量を減らし適切な運動量を見つけましょう。

 

頸椎に変形がある方は、頚部の前後屈運動は避けるようにします。

 

筋力トレーニングは関節を動かさず、痛みの影響が少ないと言われる等尺性収縮運動(isometric contraction exerciseを行います。

 

力こぶを出させる上腕二頭筋の運動を例に出しますが、力こぶを出すには肘を曲げないといけませんが、手首の少し手前に重りを巻いたとしたらどうでしょうか。

 

肘は曲がりませんが、腕の部分に力が入るのが分かりますでしょうか。

 

このように、関節の動きは出さず、筋肉の長さを一定にしたまま行う運動を等尺性収縮運動と言います。

 

以下に各運動の図を載せます。

 

運動中は息を止めず、楽な姿勢で行います。

 

回数や強度は、こちらも症状に合わせ、痛みや疲労感の出ない適度な回数を調整しながら行ないます。

 

 

内容が多すぎたので、④の2へ続きます…