皆さんこんにちは。
理学療法士・鍼灸師の李成浩です。
やっと梅雨と言える気候になってきましたね?
最近は晴れの日が続いて過ごしやすかったと思いますが、やはりこの時期は雨がないと式が崩れたような感じがしてしまいますし、何より水不足になる前に雨が降ってくれてよかった(笑)。
さて今回の「整形疾患ブログ」ですが、女性に多いと言われる疾患です。
肩から先の関節によく出現して、女性に多いというこの疾患。
どんな病気なのでしょうか。
それでは一緒にみていきましょう。
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まずは下のイラストをご覧ください。
ココをご覧の方で、イラストのような状態になった方はいらっしゃいませんか?
…朝起きたら手がこわばって、しばらく家事ができない…
…少し良くなったと思ったけど、少し経つとまた手が動かしにくかったり痛む…
さて、次は写真で見てみましょう。
どうでしょう。
わかりましたか?
そう。
この疾患はリウマチ(関節リウマチ)(Rheumatoid Arthritis:以降RA)です。
関節が腫れ、変形し、日常生活に支障が出てしまう、とても恐ろしい疾患です。
このRAの症状として、関節症状と関節外症状とが有ります。
まず関節症状(関節周囲に起こるもの)ですが
1. 朝のこわばり
2. 疼痛
3. 腫脹
4. 関節変形
の4つが有ります。
1番の朝のこわばりとよく聞きますが、このような症状がなぜ起こるかというと、関節を包む関節包という所に滑膜というものが有りますが、関節の動きをよくするために関節腔内に滑液が分泌されます。
しかしリウマチになってしまうと、この滑膜が異常に増殖することや、滑液を過剰に分泌してしまうことで、身体を動かすことがない就寝時に関節腔内に溜まりすぎてしまい。起床時に関節を動かしにくいという状態に陥ります。
徐々に動かしやすくなるのは、この滑液が吸収され、関節にかかっていた圧力がなくなることで動かせるようになります。
2の疼痛は滑膜に炎症が起きることで出現します。
さらに、RAの進行に従って関節の破壊が進むため、関節部分に過剰なストレスがかかることで動かす際に痛みが出ますし、体重のかかる関節の場合立ち上がる際に痛みが出ます。
3の腫脹は先程説明した滑膜の増殖と進行すると滑膜が厚くなってしまい、手指が太くなってしまいます。
4の関節変形は進行による関節破壊と筋肉や腱の短縮があわさってしまい、本来の動作方向とは違う向きに動くことが多くなって、変形が進むようです。
代表的な変形として、スワンネック変形、ボタン穴変形、母指Z変形、ムチランス変形(オペラグラスハンド)が有ります。
また膝関節の変形では、変形性膝関節症では内反変形になることが多いのですが、このRAでは外反変形を起こすことが多いのも特徴です。
関節外症状としては
1.全身症状(発熱、倦怠感など) 6.肺症状
2.貧血 7.神経症状
3.リンパ管腫脹、脾腫 8.眼症状
4.皮膚症状 9.その他
5.心症状
と多方面に出現するので、このようなものもあるということで見ておいてください。
ココに書こうとすると、膨大な量になってしまいます…
さて、RAの発見に至るまでにまず検査が行われると思いますが、診断基準が有ります。
RAの診断には、長い間1987年の米国リウマチ学会(ACR)による分類(診断)基準が使われてきました。
しかし、この基準では早期の患者さんを関節リウマチと診断できないことが多く、早期診断には適していませんでした。
このような状況から、早期RAの診断基準を日本リウマチ学会が発表し、さらに2010年に米国および欧州リウマチ学会(EULAR)が合同で新しい分類(診断)基準を発表しました。
この基準では、少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症(滑膜炎)がみられ、その原因として関節リウマチ以外の病気がみとめられない場合に、
①症状がある関節の数
②リウマトイド因子(RF)または抗CCP抗体
③CRPまたは赤沈
④症状が続いている期間
の4項目についてのそれぞれの点数を合計し、6点以上であれば関節リウマチと診断、抗リウマチ薬による治療を開始します。
現在では日本リウマチ学会でもこの基準が検証され、早い時期での関節リウマチ診断に役立つことが示されました。
ただし、関節リウマチ以外の病気でも合計6点以上になってしまうことがあるため、点数をつける前に他の疾患がないか十分に検討する必要があります。
以下に日本リウマチ学会掲載の米国および欧州リウマチ学会(EULAR)の診断基準を掲載します。
血液検査では、炎症症状が出現した時に検出される赤血球沈降速度(赤沈)が早くなり、CRP値が上昇します。
RA患者さんの約80%の方に出現すると言われるリウマトイド因子(自己抗体)は高値となりますが、残りの約20%の方は陰性であり、発症初期ではさらに多くの対象者が陰性を示すことや、RA症状のない健常な高齢者でも検出されることもあるそうで、このリウマトイド因子のみで診断することはないそうです。
検査所見ではX線での診断も含まれますが、関節破壊の分類にはLarsen(ラーゼン)の分類が一般的だそうです。
また病変進行の行程はSteinbrocker(シュタインブロッカー)の分類が用いられます。
他にもDAS28(disease activity score 28)やclass分類などが有りますが、その方の生活や症状によって様々な検査項目が有ります。
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いかがでしたでしょうか。
これ以上書きますと、目が滑ってしまうと思いますので、紹介までにしますね(^▽^;)
今回はリウマチをとりあげましたが、日常生活に必要な動作は指が多くになっていますが、この指に症状が出現してしまうので、生活に支障をきたすことが多いと思います。
考えただけでも生活が大変そうですね…
( ̄□ ̄;)
次回はこのリウマチに対しての治療法や、生活の手助けになるであろう補助具についてお話ししたいと思います。
それでは、また2週間後…