皆さんこんにちは。
理学療法士・鍼灸師の李成浩です。
いやー…
暑いですね?
前回もこのくだりから始まりましたが、今年の気候はどうなっているのでしょうか。
私の春を返してください(笑)
さて、今回も「腰イタブログ」始めていきましょう。
と思いましたが、今回は番外編として、実際に自分に起きている症状についてお話ししたいと思います。
なんでも新鮮な方が見る方もいいですし、何より書き手も話を切り出しやすいのです。
さて、私が今かかっている病気とはなんでしょうか?
一緒にみていきましょう。
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先週の木曜日あたりから左の手首に違和感を感じ始めました。
手首に体重をかけると少しピリッとした感じがして、その違和感が経時的に強くなっていきました。
ちょっと使いすぎたかな?
一日休めばこの痛みは無くなるかな?
…と思いましたが痛みが強くなり、業務中も左手首が気になってうまく力を入れられませんでした。
このようにちょうど関節辺りに痛みが有って、力を入れると特に痛くなったことはありませんか?
今自分が罹っているものは、「腱鞘炎」です。
この腱鞘炎ですが、「腱と腱鞘の間で起きた炎症」と言われております。
「腱はわかるけど腱鞘って?」という方も居られますので、まずは手の関節周囲、筋・腱・腱鞘の構造からみていきましょう。
こちらの画像にある①長母指外転筋②短母指伸筋③腱鞘が今回の主役です。
(見にくいと思いますので、クリックお願いします)
①の長母指外転筋は、その名の通り母指を外へ動かします。
②の短母指伸筋も同様に母指を外へ動かしますが、一部母指を伸ばす作用が有ります。
③の腱鞘は、上記2筋の通る管(鞘)で、滑液包と呼ばれる腱の動きを助けるもので出来ています。また、力を入れたときに腱が浮き上がらないようにしています。
手を使い過ぎることで、この腱鞘と内部を通っている腱に摩擦が発生し、炎症が起きていることを腱鞘炎といいます。
手を使う仕事と言えばとてもたくさんありますし、どのような方にも起こり得る病気です。
また、女性の場合ホルモンバランスの変化する更年期や出産などもなりやすく注意が必要です。
他には関節リウマチによるものや、以前紹介した結核やほかの細菌によって発症する化膿性腱鞘炎などが有ります。
腱鞘炎の前兆には以下のようなことが起こります。
・うまく手を動かせない
・痛みはないけど手首に腫れが見られる
・動かすとだるく感じる
腱鞘炎の初期症状になると次のような症状が現れます。
・指や手首の使用中の不快感
・瞬間的に痛みが走るが、次の瞬間痛みが消えていることがある
・痛い箇所はあるものの具体的にどこが痛いのかわからない
また中期では、この場所を押すと痛いという痛みを感じる痛圧点が明確になり、痛み・不快感も継続的に起こるようになり日常生活にも支障が出てくるようになります。
また、多くの場合この段階で初めて腱鞘炎であると自覚します。
末期症状になると神経痛が起こったり血流が悪くなって痛圧点の神経も麻痺した状態になるので痛みを感じなくなり、手術が必要になる場合もあります。
悪化すると治療をしても再発を繰り返すようになるので、できるだけなるべく初期段階で異変に気づき、治療できるようにしましょう。
さて、痛みが出現する部位としては橈骨茎状突起という部分に起こりやすく、親指の外側から腕に向け滑らせたときに、手首辺りに突起を感じると思います。
(青い丸の部分です)
この部分が橈骨茎状突起で、ここで痛みが発生するため橈骨茎状突起痛またはドケルバン(de Quervain)病と言われております。
痛みの検査法としてFinkelstein test(フィンケルシュタインテスト)というものが有り、親指を握り込み、そのまま腱を牽引するように手首を曲げていくと、茎状突起部に痛みが発生します。
治療法としてはまず保存療法が選択されます。
注射後の安静を保つことができるのであれば、3~4回までステロイドを局所に注射を行い、様々な理由により治療期間の短縮を望む方は腱鞘切開術が施されます。
理学療法では外用薬(湿布や抗炎症軟膏)、運動後のアイシング、レーザー照射、テーピングや装具固定を行います。
また、運動の制限、運動後の安静やアイシング、ストレッチを指導することも、理学療法士の仕事です。
手首の親指側の異常や痛みを感じたら、なるべく早めの対処ができるよう心がけましょう。
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いかがでしたでしょうか。
これがまた痛いんです…
業務中に左手を使うこともあるのですが、すっかり忘れていたころのズキッとくるので、気を付けながら仕事をしているところです。
皆さんも気を付けてくださいね?
それでは、また2週間後…