皆さんこんにちは。

理学療法士・鍼灸師の李成浩です。

 

なんだか春を通り越して夏が来たような感じがしますね?

 

5日の10時20分頃に温度表示では刈谷市内で26℃を越えてましたし、北海道では31℃を記録したといいますし…

 

どうなっちゃってるんでしょう?

(^▽^;)

 

 

さて、今回も「腰イタブログ」始めていきましょう。

 

 

前回はWilliams(ウィリアムス)体操を紹介しましたが、もう一つの体操であるMckenzie(マッケンジー)の腰痛体操を紹介します。

 

Williamsでは体幹の屈曲により疼痛を緩和しておりました。

 

今回のMckenzieの体操はどのような体操でしょうか?

 

一緒にみていきましょう。

 

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

Mckenzie(マッケンジー)の腰痛体操とは、1950年代にニュージーランドのロビン・マッケンジーにより考案されたマッケンジー法を基本として広く活用されているものです。

 

腰痛や首の痛み、手足の痛み等に対する検査法、施術法として国際的に高い評価を得ていると言われています。

 

マッケンジー法は、

①評価

②分類

③マネジメント

④予防

という流れに沿って行われます。

 

①評価

まず問診から行われ、そこから得られた情報を基にして、動作や姿勢の検査を行います。

この検査の特長として、同じ動作を繰り返す反復運動検査によるものです。

同じ動作を反復することで、症状や脊椎や手足の関節の可動性がどのように変わるのかを調べます。

一度だけでは分からないその動作の真の影響が、反復することによって明らかになります。

反復運動検査で得られた情報を基に、どういうタイプなのかを判別します。

 

②分類

それぞれのカテゴリーは、反復運動検査や姿勢保持検査で得られた反応のパターンによって定められています。

マッケンジー法は、包括的な分類システムです。

3つのカテゴリー(syndrome)*と、いずれにも当てはまらないOtherというカテゴリーに入るわけですが、重篤な病理・病態はこのOtherになります。

Otherには、他にも、メカニカルな原因ではないケース、慢性疼痛病態(Chronic Pain)などがあります。

*3つのカテゴリー

Derangement Syndrome関節が制限され痛みなどの問題が引き起こされている

Dysfunction Syndrome軟部組織の健常性が失われ、それにメカニカルな負荷が加わった時に痛みが引き起こされる

Postural Syndrome組織に過剰な負荷が長時間加わって痛みが引き起こされる

 

③マネジメント

検査で得られた情報に基づきエクササイズが処方され、日々の生活で注意すべき姿勢のアドバイスを行います。

自身で行うメニューだけでは改善が難しい場合は、セラピストが徒手的な手技を使用して、自分で行うエクササイズや姿勢で効果が得られる状態まで手助けをします。

自身が主体的に取り組むことが重要で、通院の回数を減らすことも出来ますし、時間を有効に活用することにも繋がります。

必要な知識を理解して実行すれば、殆どの場合、自分自身で問題を解決できるのです。

 

④予防

今の問題を自分自身でどのように解決すれば良いかを理解すれば、再発の危険を最小限に抑える方法を理解することにも繋がります。

再発しても速やかに、安全に、効果的に対処できます。

 

(参考:国際マッケンジー教会日本支部HP)

 

このような理念のもと考案された体操が、今回紹介するMckenzie(マッケンジー)の腰痛体操です。

 

本来であれば病院やクリニック内で認定されたセラピストが患者に対し体操が処方されますが、昨今情報社会と言われている世の中では、書籍やインターネット上に多数紹介されています。

 

それでは一つずつ見ていきましょう。

 

まず自身の姿勢が腰部屈曲・伸展のどちらのタイプかを判別します。

 

やり方は簡単です。

立った状態で壁に背面をあて、腰の部分の隙間を見るわけです。

 

腰部に手が入るくらいのスペースもしくは狭いという方であれば腰椎後弯(伸展)が強く、反対にスペースが広く腕が簡単に通ってしまう方は腰椎前弯(屈曲)が強いと言えます。

 

マッケンジー体操の内、腰椎伸展運動を行う方は腰椎後弯タイプの方であるため、腰椎前弯タイプの方は腰椎屈曲運動を行いましょう。

 

なぜかと言いますと、腰椎の弯曲をさらに増長し、症状を重くしてしまうことがあるためです。

 

ちゃんと体に合ったタイプの運動を行う事が重要です。

 

では、腰椎伸展運動を紹介します。

 

△腰椎伸展運動

①腹臥位(うつ伏せ)

写真のようにまずはうつ伏せになり、深呼吸をしてリラックスしましょう。

全身の緊張を落とし、2~3分このままの姿勢でいます。

 

②腹臥位→肘立ち位(puppy position)

次は肘立ち位に移行します。

この時もゆっくり息を吐きながら・リラックスし下半身の緊張を抜きながら行います。

頭は反らさず少し顎を引くような感じにしましょう

姿勢が完成したらそのまま1~2秒ほど維持し、腹臥位に戻します。

 

③腹臥位→上半身の伸展

最後に腕を完全に伸ばし、腰を反らせます。

先程と同じように下半身の緊張を抜きながら行いましょう。

息を吐きながら行うのが良いです。

こちらも同じように1~2秒ほどキープした後、腹臥位に戻します。

 

以上3つの行程を10回1セットとし、徐々にセット数を増やしていきましょう。

 

△腰椎屈曲運動

こちらは前回のWilliams(ウィリアムス)体操に共通するように、身体を前屈(屈曲)させることで腰椎の可動性を向上させます。

背臥位(仰向け)から膝立ち位、膝立ち位から膝を抱え込むように運動することで、脊柱(腰椎)を屈曲させます。

 

また椅子に座った状態から前屈したり、立位体前屈も同様の効果が得られます。

 

ここまで腰椎体操を紹介しましたが、前回同様運動時に症状が強くなるようでしたら、すぐに中止することをお勧めします。

 

行っている運動姿勢が、神経の圧迫や筋肉の伸張によって痛み痺れを増長することが有るからです。

 

本来は身体評価したうえでその方にあった体操が処方されるものを、その評価を飛ばして行うため、やはりリスクが高いと言えます。

 

せっかく体操をしても良くならなかったということがないように、自分の身体と会話しながら行うようにしましょう。

 

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

身体のことを考えると運動や体操は行うに越したことはないですが、それによって体を壊すことが有ってはいけないと思います。

 

正式に行いたいのであれば、しっかりと身体を評価してもらって、どのような体操をすればよいかを専門家に問い合わせることをおすすめします。

 

身体にとって良いことを、良い環境のもと行えるようにしていきましょう。

 

 

それでは、また2週間後…