皆さんこんにちは。

理学療法士・鍼灸師の李成浩です。

 

やっと春めいてきたこの頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

桜がやっと満開になろうとしているのに、今週は週末にかけ天気が悪いですね…

今週末が愛知辺りで絶好の花見日和だというのに、残念です。

 

来週まで残っていればいいのですが…

(^▽^;)

 

 

さて、今回も「腰イタブログ」始めていきましょう。

 

 

前回まで2回に渡って体内に「石」ができるお話をいたしましたが、今回はある構造物の破たんによって起こる疾患をお伝えしようと思います。

 

 

それでは、一緒に考えていきましょう

 

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この構造物が裂けている時は、裂けている部分に痛みが生じます。

 

胸の部分が裂けている時は胸痛が、背中なら背部痛、腰の部分が裂けている時には腰痛が生じるわけです。

 

突き刺すような、時に「張り裂けるような強い痛み」、と表現されます・

 

痛みは裂けが止まると消失しますが、続いて、命にかかわる恐ろしい問題が生じます。

 

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さて、今回のこの「疾患」はなんでしょうか。

 

 

今回のポイントは「①ある構造物が裂ける」「②強烈な痛みで、痛みの部位が変わる」「③命に関わる問題が生じる」という所でしょうか。

 

ココだけを聞いているだけで、とてつもなく恐ろしい病気を連想させます…

 

 

 

 

 

 

 

 

そう。

この病気は「大動脈解離」です。

 

 

全身に血液を送り出す心臓から続く太い血管にこの症状が現れると、上記の症状が出現します。

 

 

まずは疾患を見る前に、血管の構造からみていきましょう。

 

血管(血管壁)の構造は内側から内膜、中膜、外膜の三層構造で出来ています。

 

血管は心臓から末梢へ血液を送り出すものを動脈、反対に末梢から心臓へ戻すものを静脈と言います。

 

心臓から出てすぐの血管はとても太く、大動脈と呼ばれます。

 

大動脈は上行大動脈、大動脈弓、下行大動脈(胸・腹大動脈)に分けられます。

 

今回紹介する疾患は、この大動脈の走行上で起こるものです。

 

 

この疾患は40~70歳代にかけて多く見られ、特に男性は女性の2~3倍(!)ものリスクがあるとされています。

 

大動脈解離の原因として考えられるのが、高血圧や動脈硬化などです。

 

血管の内膜(内皮)に何らかの原因で亀裂が入り、内膜と中膜の隙間に血液が流れ込むことによって、さらに隙間が広がることで血管壁が裂けてしまいます。

 

その血管壁が裂ける際に胸部や腰背部に激痛を感じますが、これは大動脈の走行に当てはまります。

 

胸大動脈が裂けると胸部に、腹大動脈が裂けると腰背部にという感じです。

 

診断はX線で拡張した大動脈瘤がみられ、心電図や血液検査では心筋壊死した所見がみられない場合、大動脈解離が疑われます。

 

合併症として呼吸困難や心タンポナーデ、胸腔・腹腔内大量出血、大動脈弁閉鎖不全症、脳梗塞などをきたすことがあるそうです。

 

 

どの部分に解離が発生しているかでDe Bakey分類とStanford分類に分けられます。

大動脈解離の場合、Stanford分類のA型とB型、また急性期と慢性期とでは生存率が異なります。

 

A型の場合、内科的療法のみでは予後がよくないとされています。

状態によっても変わりますが、内科的療法のみよりも外科的療法を行った方が、生存率はやや高めです。

 

B型の場合は、緊急に手術を要しないケースも少なくありません。

また、手術では合併症など少なからずリスクもあるため、内科的療法と外科的療法での生存率はあまり差がないとされています。

 

2014年の予後調査結果の報告では、胸部大動脈の病気における5~10年後の結果として、急性期のA型で65~80%前後、B型で50~70%前後、慢性期のA型・B型で60~80%前後に良好な結果が見られたそうです。

 

しかし、動脈瘤など大動脈の病気を起こす人は心筋梗塞などを起こす可能性も高い傾向にあるため、そちらにも注意が必要です。

 

 

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いかがでしたでしょうか。

 

既往に高血圧や動脈硬化が有る方は気を付けたほうがいいでしょうね。

 

現代は、脂質や塩分の多い飲食物が好まれますので、一度食生活を見直すべきなのでしょうね?

 

かくいう私も褒められた食生活を遅れているとは思えませんが…

f^_^;

 

 

最近は内科疾患をピックアップしてきましたが、次回はこれまでの内容を少しまとめて、再び整形疾患から起こる各所の痛みに着目したいと思っています。

 

 

それでは、また2週間後…