皆さんこんにちは。

理学療法士・鍼灸師の李成浩です。

 

時期的に花粉が多く飛び交うようになってきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

自分は花粉症によるアレルギー症状は出ていませんのでまだ大丈夫なのだと思いますが、いつ来るのか戦々恐々な日々を過ごしております(^_^;)

 

今の業務体系が外に出ることが多いので、利用者様の前で涙ぽろぽろ、鼻水だらだら流していたら、安心感を与えられないような…

 

 

そんなことはさておきまして、今回も「腰イタブログ」始めていきましょう。

 

 

前回は「尿路結石」のお話をいたしましたが、腰の近く尿路が位置していたので腰痛がと紹介しましたが、今回の疾患は腰よりは背中・鳩尾あたりに痛みがあるそうです。

そこまで腰痛に関連はしませんが、前回の尿路結石と少し似ておりますので、紹介したいと思います。

 

 

それでは、一緒に考えていきましょう

 

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最も特徴的な症状は、発作的に突然起こる"みぞおちから右脇腹にかけての激痛"です。

 

痛みは右肩や右背中まで響き、時には胸や腰にまで及ぶこともあります。

 

脂っこいものをたくさん食べた2~4時間後に痛み始めることが多く、数十分から数時間続いた後にすっかりなくなってしまいます。

 

痛みがずっと消えないようなら、この疾患以外の原因である可能性が高いです。

 

激しい腹痛は「○○発作」と呼ばれ、発作が起きた時以外ほとんど症状はありません。

発作の間隔には個人差があり、1ヶ月に数回や、数年に1回など様々です。

 

その他の症状としては、お腹の張り、発熱、吐き気・嘔吐、疲れやだるさ、黄疸、白い便などがあります。

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さて、今回のこの「疾患」はなんでしょうか。

 

今回のポイントは「①痛みの位置」「②食生活」「③黄疸・白い便」という所でしょうか。

 

 

ちょうどこの臓器が有る部分に痛みが出るので鳩尾や腰背部が痛むこと、食生活の欧米化によって起こりやすくなっていること、ここから先もしくは手前が詰まることで起こる身体症状として黄疸や白い便が出るようになるようです。

 

 

 

 

 

 

そう。

この病気は「胆(嚢結)石症」です。

 

 

まずは疾患を見る前に、胆のうと胆汁について調べてみましょう。

 

肝臓のちょうど真下辺りにあるこの臓器はそれ自体が何かを作るのではなく、肝臓で作られた胆汁を貯蔵・濃縮して、必要な時に管を通して十二指腸へ送り出す臓器です。

(図1は正面から、図2は少し下から見た図です)

 

 

この「胆汁」の主成分は胆汁酸・胆汁色素で、脂肪酸の消化・吸収を容易にします。

 

胆汁酸は消化されてきた食物に含まれる脂肪酸、脂溶性ビタミン、コレステロールなどの脂質成分と結合して水と親和(乳化)させることで、その脂肪成分の吸収を助けています。

 

胆汁色素(ビリルビン)は元々血中に存在する赤血球が寿命により分解されてできたもので、赤血球の鉄分であるヘモグロビンが分解されてできたものです。

このビリルビンは糞便を着色し一緒に排泄されることになるのですが、大部分は腸内にて再吸収され、肝臓へ送られます。

 

 

胆汁が排出される契機として、食事の際に刺激される①内臓迷走神経の働き②十二指腸に食物が送られてきた刺激によって分泌されるとされています。

 

ちょうど消化されてきた食物に胆汁がふりかけられて、その後の腸内での吸収の補助が出来るように調整されているといわれています。

 

 

さて、この胆のうに貯蔵されている胆汁ですが、そこに含まれている成分が結晶化し、結石となって通路をふさいでしまうことが有ります。

 

この胆汁の通路をふさいでしまった状態が、胆汁結石(胆石)と呼ばれます。

 

 

日本の統計では、胆石のうち最も多いのが①胆嚢結石(胆のう結石)で78%、次いで②総胆管結石が21%、③肝内結石は1.3%とされています。

それぞれの名前の後ろに「症」をつけて、胆嚢結石症、総胆管結石症、肝内結石症というと、病気の状態を表します。

 

一般的に胆石症というと最も多い胆嚢結石症をさしますが、そのほかにもいろいろな胆石症があることが分かります。

またコレステロール結石のほか、ビリルビン結石、カルシウム結石などがあります。

 

 

胆嚢結石症(胆石)の自覚症状のNo.1は、「右季肋部痛(みぎきろくぶつう)」です。

右の肋骨の下あたりに差し込むような痛みや背中に抜けるような痛み(放散痛)を伴うこともあります。

 

胆石の痛みは決まったところだけが痛むのではなく、人によって、みぞおち(心窩部痛)、おへその上、右の肩甲骨の下、腰のあたり

といろいろな場所に痛みの症状がでます。

痛みの種類も鋭く差し込むような痛みや鈍い重苦しい痛み、肩こりのように張った感じ、など一様ではありません。

 

 

痛みのほかにしばしば認められる症状は「発熱」です。

これは胆石により胆嚢内で細菌感染を起こすことによっておきる症状です。

悪化すると急性胆嚢炎という状態になり、腹痛とともに38度以上の熱がでることもあります。

 

胆嚢炎と気づかず風邪による発熱と勘違いをしてしまうことが多く、痛みの場所がはっきりしない場合病院でも風邪として処置されてしまうことが有るそうです。

 

熱が有り、肋骨の下部に硬さを感じたり、押すことで痛く感じる(圧痛)ことがあるならば、医師へしっかりと伝えることが重要ですね。

 

 

さらに、胆石が胆管にはまり込んだり、胆嚢が炎症を起こして腫れあがったりすると、胆汁の流れが悪くなり「黄疸(おうだん)」や「肝機能異常」などの症状を起こすことがあります。

 

肝機能異常は採血をして、GOT/GPTまたはAST/ALTを測定すればわかります。

 

黄疸は胆汁の色素であるビリルビンにが血液中に漏れ出すことで血液に乗って全身に流れ、皮膚に沈着することでひき起こされる症状です。

採血でビリルビンを測定すれば分かりますが、黄疸が進行すれば眼球結膜(白眼、しろめ)や皮膚が黄色くなります。

(ちなみに、みかんの食べすぎによって黄色くなるのは黄疸ではありません(汗))

 

 

また、胆汁が胆嚢から先へ流れていかないということは、十二指腸から流れ出なくなるという事ですから、便を着色することができなくなりますので、「白い便」が排泄されるという事にもなります。

 

 

食生活の欧米化から脂肪分が多い食生活であったり、食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因となりますので、普段の生活を見直すことも重要ですね。

 

 

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いかがでしたでしょうか。

 

前回に引き続き「結石」をとりあげましたが…

 

自分に黄色信号がともり始めているのが目に見えてきそうで恐ろしいです…

( ̄□ ̄;)

 

 

次回も内科疾患をとりあげたいと思いますが、これも相当痛いらしく、命の危険(!)もあるようです…

Σ(゚д゚;)

 

それでは、また2週間後…