皆さんこんにちは。
理学療法士・鍼灸師の李成浩です。
やっと寒さも和らいできたこの時期、皆様お体の調子はいかがですか?
春は「三寒四温」とも言われていますので、暖かくなったと油断していると、また寒くなることもありますのでご注意を…
さて今回の「腰イタブログ」も、内科疾患から起こる腰痛を見ていきたいと思います。
今回は「七転八倒」と言われるほどの痛さを伴うそうですが、そんな痛みは感じたくないですね?
どんな疾患なのでしょうか?
それでは、一緒に考えていきましょう
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ある物質により通過障害を来した場合、疝痛(せんつう)発作といわれる七転八倒するほどの激しい痛みが起こります。
激しい腰背部痛・側腹部痛・下腹部痛のほかに、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
30〜60代の男性に多く(男女比約2・5対1)、上部にできるものと、下部にできるものに分けられます。近年の調査では、約95%が上部に起こります。
約90%以上はカルシウムを含む物質で、X線検査で白い影として写ります。
代表的なものはシュウ酸カルシウムで、リン酸カルシウム、またはその複合したものが大多数を占め、そのほかリン酸マグネシウムアンモニウム、シスチンなどがあります。
この疾患は近年増加傾向にあり、日本人が生涯のうちに罹患する確率は約10%、つまり10人に1人はかかると報告されています。
症状がある場合の約70%は自然排出され、30%は手術を必要とします。
この物質は8mm以下、とくに5mm以下であれば自然に排出される可能性があり、全体では約60%は自然に排出されるといわれています。
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さて、今回のこの「疾患」はなんでしょうか。
前回は腎盂という部分に炎症が起きることで腰背部に痛みが起こる疾患でしたが、今回は炎症でなく別の原因からとてつもない痛みが起きているようです。
今回も「患部の腰背部に痛み」という所であったり、「カルシウム」がポイントであると思います。
そう。
この病気は「尿路結石」です。
七転八倒する痛みという記述が有るのでとても印象深く、生活様式で今後自分にも起こるのではと危機感が募ります(汗)。
さて、詳しくみる前に尿路について調べてみましょう。
尿の通り道である尿路は、前回紹介した腎臓の中で尿を生成し排泄するネフロン(腎小体と尿細管)から始まり、尿が通過する腎杯(じんぱい)・腎盂(じんう)・尿管、尿を貯留する膀胱と体外へ排出する尿道をまとめて尿路と言われます。
この結石が出来た部分や留まっている部分によって「腎臓結石」「尿管結石」「膀胱結石」「尿道結石」と呼び名が変わります。
また尿路には生理的な狭窄部が有り、
①腎盂から尿管への移行部
②総腸骨動脈との交叉部
③尿管から膀胱への移行部
これらの部分でも結石が留まりやすいと言えるでしょう。
結石の成分は、尿中のカルシウムやシュウ酸、リン酸などが結晶化したものです。
結晶化すると言ってもすぐに大きくなるわけではなく、人間と同じように徐々に成長(?)し大きくなり、大きくなりすぎて通れなくなったものが周りの組織を傷つけ痛みを発し、大きすぎて尿が通れなくなると排尿障害を引き起こします。
尿管はただ尿の通り道としてあるわけではなく、無意識的に動く「平滑筋」と呼ばれるもので出来ており、その動きはタオルを絞るようにギューッと動いて尿を運搬するわけですから、そこに結石が有る場合とても傷つきやすく、その傷から出血することで血尿が検出されます。
尿路結石の痛みは、結石が腎盂や尿路から動いて尿の流れが阻止される時に起きます。
この痛みの原因は、腎盂内圧の急激な上昇によるものと考えられています。
この急激な腎盂内圧の上昇には尿管の蠕動運動が関与していると考えられています。
尿管の蠕動、収縮運動中の腎盂や腎杯にかかる圧力は通常0~5cm水柱圧程度と言われていますが、結石による通行障害が発生すると20~50cm水柱圧、時には80cm水柱圧にも上昇し激しい痛みを感じることになります。
しかし、結石が腎盂や腎杯にある場合には軽い鈍痛程度です。
前回紹介したように腎臓から続く尿路は、身体の背中側に位置していますので、痛みを感じると背中から腰のあたりに痛みを感じるようです。
この痛みが出ないようにするためにも、普段からの生活に気をつけ、予防しないといけません。
結石の予防について、普段の生活の中で実行可能なことを挙げてみましょう。
②動物性蛋白質(肉類)や脂肪分を過剰に摂取しない。
③ビタミンCやカルシウムを過剰に摂取しない
④就寝直前に食事をしない。
⑤一日の尿量が2リットル程度になるように、しっかりと水分をとる。
という事が重要といわれています。
食塩や蛋白質はもちろん、やはり過剰に摂取する事で身体を悪くする事は皆さんご存じだと思います。
適量をとる事が大事ですね。
でも、水分はしっかり摂って尿量を増加して、結石に変化する物質を結晶の段階で排泄出来るようにしましょう。
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いかがでしたでしょうか。
今回のブログを書きながら、今の自分の生活を振り返ってみると、どうも黄色信号がともっているように感じてしまうのですが…(汗)
日常的な生活の中で起こり得るこの疾患は、その部分だけでなく腎臓まで傷害してしまいますので、注意が必要ですね。
皆さんも普段の食生活を気をつけましょうね。
次回も似たような疾患を取り上げてみたいと思います。
どのような疾患でしょうか。
それでは、また2週間後…