みなさんこんにちは。
理学療法士・鍼灸師の李成浩です。
年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?
実家へ帰った、遊びに行った、寝正月等など…
色んな正月の過ごし方があると思いますが、自分は遊びに行ったまではいいのですが、戻った日の夜から翌朝にかけて熱が出てしまいまして、そこから動けませんでした…
もう少し体に気を付けないといけませんね…
:(;゙゚'ω゚'):
さて、本年1回目の「腰イタ」ブログの時間がやってまいりました。
前回に引き続き、腰痛と言えばコレとイメージする疾患に焦点をあてていきたいと思います。
それでは一緒に考えていきましょう。
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今回焦点をあてる疾患は…
「ヘルニア」
について考えていきましょう。
元々「ヘルニア」という言葉の意味は、ラテン語でそのまま「脱出」を意味します。
つまり、ヘルニアとは何らかの原因で周りの組織の圧迫に耐えられなくなった臓器や内容物が、組織の柔らかいところからはみ出して(脱出して)しまう状態です。
ヘルニアと名の付く疾患として、臍ヘルニア(でべそ)、鼠径ヘルニア(鼠径部から腸管が脱出)、そしてよく耳にすると思うのが「椎間板ヘルニア」ですね。
椎間板(椎間円板)とは各脊椎の間にあるクッションの役割をしているものですが、椎間板に圧力がかかり過ぎたことで中心にある「髄核」というものが外にはみ出てしまった状態を「椎間板ヘルニア」と言います。
正常な状態とヘルニアになった状態のMRI図を示します。
この脱出した髄核の一部が、その後ろにある脊髄に当たり圧迫することで神経症状が出現します。
出現した場所、圧迫している場所によってその神経症状は様々で、症状によってどのレベルでヘルニアが起こっているかの鑑別にもなります。
腰椎で起こりやすいレベルとその神経症状がある程度まとめたものがありましたので、一覧にしてみました。
「L」とはLumbar vertebra(腰椎)の頭文字、「S」はSacrum(仙椎)のことで、好発部位は大半がL4-L5間、次いでL5-S1間のようです。
下の図はデルマトームと言って、各神経が司るレベルを表した図です。
腰椎レベルを見るとわかりやすいと思いますが、よく圧迫される部分のL4からS1までの部分に印を付けてみましたが、見えますでしょうか?
先程の症状と各神経レベルを見比べれば、どの部分にヘルニアが起きているか鑑別が可能です。
…ここまで進みながらどこにも「腰痛」が出てこないじゃないか。
と思う方がいらっしゃると思いますが…
そうです。
腰椎椎間板ヘルニアによる下肢への神経痛は出現しますが、腰痛への直接的な原因とは考えられないのです。
なぜならば、上の方で椎間板ヘルニアは「椎間板に圧力がかかり過ぎたこと」が原因であると示しましたが、椎間板に圧力をかける=腰椎の前傾という図式が出来上がります。
これまでの腰イタブログで前かがみや腰椎の前弯で腰痛がというお話をいたしましたが、まさにその姿勢は椎間板に圧力をかける姿勢であり、ヘルニアの原因であるとも考えられます。
つまり、発生機序で図式を作るならば…
姿勢悪化(前傾姿勢)→腰痛出現→椎間板への過剰な圧力
⇒ヘルニア
という、「ヘルニア≠腰痛」ができます。
確かにヘルニアの診断を受けた方で腰痛があるという方の話は聞いたことが有りますが、中には腰痛は無く神経症状だけですという方もいらっしゃいます。
なので、前傾姿勢での腰痛をお持ちの方は、今の内から姿勢を矯正することをおすすめしますよ。
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どうしても腰痛有りきのイメージが先行してしまう腰椎椎間板ヘルニアですが、このブログでイメージを変えられたでしょうか。
その機序、病態を理解できれば、どうして腰痛が出現するのか理解できますので、これからも勉強していきましょう。
それでは、また2週間後…
Life & Body Condition クオリア
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