みなさんこんにちは。
理学療法士・鍼灸師の李成浩です。
今週もやってきました。
「腰イタ」(勝手に命名)の時間です。
o(〃^▽^〃)o
1回目からおさらいしますと、
①腰痛が起こる原因
②猫背・円背の方の腰痛の機序
③反り腰の方の腰痛の機序
という感じですね。
今回から一つの疾患から起こる腰痛について考えてみたいと思います。
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今日扱う疾患は変形性関節症のうち、変形性「股」関節症(以下変股症)をとりあげたいと思います。
さてこの変股症ですが、単語から分かる通り股関節の病気です。
股関節の骨頭(大腿骨側凸)と臼蓋(骨盤側凹)の関節軟骨の異常から始まる疾患です。
原因のわからない1次性、先天性股関節脱臼(以下先股脱)や臼蓋形成不全から続発する2次性があり、2次性は男女比1:7.4と圧倒的に女性に多い病気と言われています。
もともと荷重のかかりやすい股関節が、臼蓋形成不全のような関節の適合に異常が発生した場合、関節にかかる負荷の単位面積が増えて、関節の破壊がさらに進むことになります。
最終的には軟骨がすり減り、その下にある骨にまで影響して、股関節自体の不安定感・骨嚢胞や骨棘というものが形成されると言われています。
下の絵は変股症の進行の病期分類というものです。
このように症状の進行によって、股関節が変形していることがわかると思います。
関節がしっかりかみ合っていないと不安定感が増していき、骨盤や腰椎でその不安定感を代償していきます。
直立しているときに一番荷重がかかりやすいのが骨頭の真上にある部分ですから、そこが破壊されるに従って骨盤を前に傾けることで、安定性を維持しようとします。
進行すると骨盤の前傾が強くなるばかりでなく、身体が前に傾いていきますので、腰を反らすことで重心の位置を安定させる代償動作が出現します。
さて、ここでお分かりかと思いますが、前回の反り腰の姿勢を取ってしまうわけです。
前回反り腰をとりあげたので、どのような機序で痛みが出現するかという所はお分かりと思います。
このように骨盤の前傾から始まり、腰椎の前弯による代償動作が起こり、腰や臀部に痛みが発生するこの一連の症候群の名前を、「Hip-Spine Syndrome(HSS)」といいます。
直訳すると「骨盤―脊柱症候群」という所でしょうか。
また、骨盤が前傾することで足にも影響が出現します。
こちらは簡単に説明しますと、股・膝・足の各関節を曲げることで、痛みの回避や重心・バランスを安定させようとします。
しかし、この姿勢が長期間続くことで、関節周囲の筋肉や靭帯という軟部組織の伸びやすさが失われ、関節の可動域が減少していきます。(関節拘縮)
さらに外出や活動量の減少も相まって、筋力の低下や歩行障害も出現してしまいます。
この疾患についてはこれでも説明が足りないくらいで、まだまだ書けていないことだらけです。
ココで挙げた症状も、あくまで「出現する」であって「必ず起こる」わけではありません。
様々な症例を検討して、この疾患ではこのような症状が出やすいですというのを統計しただけですから。
人それぞれ千差万別に起こる個体差というものが有りますからね。
( ̄▽ ̄)
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さて、今回は変形性股関節症から発生する、一つの症候群について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
しばらくはこのような感じで疾患から腰痛につながるお話をしていきたいと思います。
それでは、また2週間後…
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