ハイサイ、RIN(凛)ですニコニコ

琉球犬、犬の七五三詣、犬の神楽舞、狛犬、

来週末の11月18日(金曜)~20日(日曜)、
兵庫県小野市垂井町の住吉神社で、
飼い犬の「犬幸(けんこう)祈願」が行われ、
巫女が舞う神楽(かぐら)と一緒に犬も舞う
「犬幸の舞」が奉納されるらしい。

「こういうの、聞いたことがない」
と思うのも当然で、
3年前の2014年に、愛犬家の宮司が
「犬の七五三詣」として始めた、
神社のNEWビジネスだから。


「七五三」だと、犬の年齢が限定されてしまうので、
2年前からは「七五三」の年齢に限らず「犬の幸せ」を祈願し、
さらにマスコミの注目度を集めるために
「犬の神楽舞」
も取り入れたらしい。

目ざといでんな。


犬の祈祷料は1匹7000円と、けっこう高い!
ショー、ではなくて「犬の神楽舞」は、
午前10時と午後2時の一日2回、
なかなか商売上手な神社どすな。


「犬の神楽舞」といっても、
ダンスの訓練を受けた犬が、紅白の衣装で後ろ向きに歩いたり
木刀を飛び越えたりする程度のシンプルな芸らしいけど、
ま、いいんじゃないの?

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今年は、宮司が3年前から飼い始めたトイプードルもデビューするらしく、
そのメス犬の名前が、なんと「凛」、
我が家のRIN(凛)君と同じ。

猟犬のRIN(凛)君は、木刀なんか持ったら
先制攻撃で飛びかかって来るから
神楽舞なんて、とても出来ないけど、
ま、興味もないだろうけど。


愛犬家、愛猫家は全国に多いから、
犬でも猫でも連れて参拝するのは、良いことには違いない。

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兵庫県小野市垂井町というと、
ここは地域的には東播磨(はりま)になる。


宮本武蔵の五輪書(1645年)には
「生国播磨の武士・新免武蔵守藤原玄信」
と書いてあるから、
吉川英治の小説では、
マザコンの本位田又八や笛が上手な捨て子のお通と
わんぱく三昧の日々を過ごして、
沢庵和尚に捕まる頃まで過ごした出生地になり、
三船敏郎や中村錦之助、高橋英樹らが主役をした映画が
懐かしく想い出される。

また、戦国時代の播磨は、
織田軍(羽柴秀吉)と別所長治が戦った「三木合戦」でも有名。


秀吉が別所の籠もる三木城を包囲して、毛利の援軍を阻止して兵糧攻め、
約7500人が餓死した「三木の干殺し」と呼ばれる、
秀吉のドラマでは欠かせない場面だよね。

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私の出身地の三重県の伊勢神宮のお土産というと「赤福」が定番だけど、
内宮の近くにあるおかげ横丁では「おかげ犬」という犬グッズが売られている。

「おかげ犬」は、キャラクター商品ではなくて、
江戸時代に実際に存在した風習。


江戸時代は空前の参拝ブームで、
「一生に一度は参拝したい」
と願ってやまなかったのが伊勢神宮。


当時の日本の平均人口は3000万人だったとされる江戸時代に、
お伊勢参りブームの最盛期には、
年間500万人が伊勢に参拝した、
という記録もあるらしいから、
イスラム教の聖地メッカの巡礼と同様。


江戸時代は鉄道も飛行機もないから、
全国各地から歩いてやって来た。


そうなると、「お伊勢参り」に行きたいけど、
病気やいろいろな事情で、どうしても行けない人が出てくる。


そこで、他の人を代理に代参してもらう時に
飼い犬も連れて行ってもらうようになり、
その代参犬が「おかげ犬」と呼ばれていた。


「おかげ犬」は、おかげ参りをしている犬だとすぐに判るように
しめ縄や貨幣が巻きつけられていたらしい。
時には、犬一匹だけで飼い犬を送り出す飼い主もいたらしい。


「おかげ犬」は、飼い主の代理で神に参拝しに行くので、
道中で、お金を盗み取る、罰当たりな人はいなかったらしい。


それどころか、犬に水や食べ物を与えていたらしい。


「おかげ犬」が伊勢神宮に到着すると、
神官は犬に付けられている竹筒に、お札を入れてあげると、
「おかげ犬」は、来た道を引き返して、
飼い主の元に帰って行ったらしい。


現在は、もちろんそんなことをしたら
保健所や動物愛護センターに捕獲されてしまうけど、
そんなほのぼのとした時代があったんだよね。


お伊勢参りは「一生に一度」だけど、旅行を禁止されていた江戸時代では
神仏への参拝が旅行の代わりになっていて、
全国各地の神社仏閣に参拝に行く人は多かったらしく、
「讃岐の金比羅(こんぴら)参り」
も有名で、ここでもお伊勢参りの「おかげ犬」とまったく同様に
「こんぴら犬」
がいたらしい。


当時の犬ってすごいね。

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神社の狛犬(こまいぬ)というのは、
起源はエジプトのスフィンクスといわれていて、
シルクロードを経由し、中国では唐獅子(しし)、
シンガポールではシーライオン、
沖縄ではシーサーになっているけど、
私は、狛犬は「犬神」だと思っている。

神道では動物は神の使いで、
例えば天満宮では「牛」、大黒天では「ネズミ」、
金毘羅宮では「カニ」、出雲神社では「ウミヘビ」、
稲荷では「キツネ」、春日大社では「シカ」、
八幡宮では「ハト」などが神使(しんし)になっているけど、
神社を守るのは狛犬、
これはライオンではなくて犬だと私は考えている。


沖縄のシーサーが守るのも「家」なんだから
「飼い犬=犬神」
ということになり、
RIN(凛)君がいくらうるさくても我慢しなくちゃね。

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