ハイサイ、RIN(凛)ですニコニコ
琉球犬、猟犬、縄文犬、サルナシ、やんばる、

兄貴の夕方散歩で、シマサルナシが完熟しているのを見つけた。

昔話「桃太郎」では、
桃太郎が主人で犬が家来だけど、
兄貴の散歩では、
主役が兄貴で、私がお供。


兄貴がまれに来る車に轢かれないことに注意しつつ、
私は道路脇の植物などを丹念に観察して歩くことにしている。


兄貴散歩は風雨でも決行だから、
初夏の今は夕方でも19時近くまで暑いので、
日々1時間以上の散歩は還暦の身にはキツい。


けど、やんばるの1年の草木の移り変わりを楽しめるのは、
兄貴がいなかったら、体感できないことだから、
それは兄貴に感謝しないといけない。

琉球犬、猟犬、縄文犬、サルナシ、やんばる、

マタタビ科マタタビ属の蔓(つる)性植物
「サルナシ」
というと、ほとんどの人が
「聞いたことないな」
と思うはず。

だけど、
「キウイ」
なら、誰でも知っているよね。


「サルナシ」と「キウイ」は、
同じマタタビ科の植物だから
「サルナシはキウイの親戚」
といえるけど、
大きさはピンポン玉くらいで
キウイと比較すると半分以下。


名護市のJA計ファーマーズマーケットでは、
「沖縄キウイ」
とか
「やんばるキウイ」
「ミニキウイ」
とか、販売者の好き勝手な商品名で
売られているのを時々見かける。

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「サルナシ」
なんて、変な名前だけど、
「猿が我を忘れて好んで食べる梨っぽい果実」
そういうのに由来してるらしい。

やんばるの固有種ではなくて、
中国、朝鮮半島、日本など、東アジアに広く分布して、
多くは山岳地帯に自生している。


やんばるでは初夏が旬期だけど、
東北地方では、秋らしいから、
サクラ前線みたいに、
温かい地域から順次旬期が北上するみたい。

琉球犬、猟犬、縄文犬、サルナシ、やんばる、

「サルナシ」は「蔓(つる)性」と判っていないと、
1本の樹木と誤解するほど太い蔓で、
強度があり、腐りにくい性質もあることから、
太い蔓は吊り橋の材料に使われ、
細い蔓は、ツルッとしたきれいな木肌なので
クリスマスなどの上等な「リース」に使われている。
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「サルナシ」の花は、
やんばるではマンゴーと同じで
ムーチービーサー(鬼餅寒)、
1月中旬から2月上旬頃(旧暦12月8日の鬼餅行事の頃)の
沖縄では最も寒い時期に白い花が開花する。
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開花後、結実して緑の実が大きくなり、
やんばるでは初夏の時期に、キウイのような茶色に完熟して
収獲期を迎える。
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収穫後に、すぐに食べると、
熟しきっていないキウイのような、強い酸味を感じるけど、
見た目はキウイだし、たしかにキウイに似た香りがして、
「野性味ある森の自生キウイ」
といった感じかな。

バナナと同様に、収穫後に数日置いて追熟させた方が、
よりキウイに近い味になる。

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地中に根を張って動けない植物の生育分布を広げる手段は
「種子を散布させる」
ことだけど、
・風散布型
・水散布型
・動物散布型
・自動散布型
・重力散布型
と、いろいろな方法があるけど、
「サルナシ」は、
サルやクマ、野鳥などの動物に果実を食べさせて
種子を広く散布させる「動物散布型」。

蔓が丈夫なのも、サルが登っても切れないような強度に
進化しているんだよね。


沖縄では「サルナシ」が自生してるのは
本島のやんばると石垣島の森くらいだろうけど、
沖縄にはサルはいない。

沖縄にはクマもいない。


となると、沖縄の「サルナシ」は、野鳥用で、

落下した実はリュウキュウイノシシのエサになる。


となると、沖縄の「サルナシ」の蔓が頑丈なのは、まさか人間用?


ニホンザルは、北は下北半島、南は屋久島まで。
でも、台湾にはタイワンザルがいて、
ニホンザルとタイワンザルは近縁、
だけど沖縄諸島にはサルはいない。
考えると不思議だよね。


10年くらい前に、首里城南側でサルの骨が発見されたけど、
分析の結果「ヤクシマザル」、
16~17世紀に屋久島からオス、メスのつがいが
生きたまま首里城に持ち込まれたらしい。


首里城内に、動物園みたいなのがあったのかもしれないね。

琉球犬、猟犬、縄文犬、サルナシ、やんばる、 【夕方の東シナ海】