ハイサイ、RIN(凛)ですニコニコ
琉球犬、猟犬、縄文犬、ウミガメ産卵、やんばる、
 
一昨日7月4日(月曜)、兄貴の夕方散歩は
いつもの貸し切りビーチに行った。

すると、ビーチのあちこち、10か所以上に、
ストーンサークルみたいに
平べったい珊瑚石で四角く囲った
ウミガメの産卵場所の囲いがあった。

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そういえば、一昨日は「新月」なんだよね。
「ウミガメの産卵は、新月の夜の闇にまぎれて行われることが多い」
と聞いたことがある。

アメリカ人医師アーノルド・L・リーバーが
「地球の80%が海で20%が陸であるように、
人間も90%が水分で構成されている。
すなわち、海の満ち引きが月によってもたらされるように、
人間の体内の水分が月によって若干の移動をすることで
人間の行動にまで変化があるのではないか」
という
「バイオタイド理論」
では
「科学的根拠はない」
という残念な結論になってるけど、
植物の生理や成長は、
潮の満ち引きや月のリズムと一致することが実に多い。


実際にコーヒーの開花は、
沖縄では4,5月の大潮の前後に集中している。


動物でも農業でも漁業でも、
潮の満ち引きや月のリズムに影響を受けることが多く、
そういった科学的根拠に基づく
研究論文が出てもいいはずなんだけどね。


学者や研究者はカネにならないことには
興味がないんだろうね。


「ウミガメの産卵が新月の夜に多い」
という理由は、
これは私の想像だけど、
「上陸して産卵を終えるまでは無防備で
外敵から身を守るには、真っ暗闇の方が都合がいいから」
じゃないのかな?
発想がチープすぎる?


新月=大潮で、満潮時に産卵すると
「海岸の遠くに卵を産める」
つまり
「卵が孵化するまで守られる」
というメリットもあるかもしれないよ。

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兄貴の夕方散歩では、もちろんウミガメの姿は
どこにもなかった。

けど、トラクターや耕運機が海岸を走り回ったような、
ウミガメが産卵場所を求めて動き回った跡が
あちこちに残っていた。


それはそれで、太古から幾千、幾万年も繰り返されてきた
神秘的な儀式の跡が見れたのだから、
兄貴がこのビーチに来たことはラッキーだった。


兄貴が海岸でウミガメと遭遇しなかったことや
海砂を掘り返して卵を探し出すことをしなかったことも
ラッキーといえるはず。


また、兄貴が浦島太郎のように、
ウミガメの背中に乗って、海中に消えても困るさね。
兄貴は私と同じでカナヅチで泳げないんだから。

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15年くらい前に、糸満市の大度海岸で
ウミガメの産卵を見たことがある。

これは、たしか
「地元の小学生たちが海岸でウミガメの産卵を見守っている」
という、朝のローカルテレビNEWSを見て、

当時糸満市に住んでいたのですぐに行ってみた、
と記憶している。


体長80cm前後の大きなウミガメたちが、
産卵を終えて、海に戻って行く感動的な光景を
小学生たちと一緒に見ていた。

琉球犬、猟犬、縄文犬、ウミガメ産卵、やんばる、 【ネットで拾った画像】

ウミガメや鮭には、産まれた故郷に戻る帰巣本能があるので、
開発による護岸工事などで、せっかく産卵に戻って来ても
産卵できないってこともあるだろうし、
セミが地中で7年も生きているうちに、地上の様子が激変し、
舗装されてしまうことだってあるはずだ。

人間が住みやすい環境を造るには、
その反面、多くの動植物が悪影響を受けることになり、
人間のエゴを痛感してしまう。


帰巣本能は犬や猫、それに伝書鳩やウナギなど
多くの動物には備わっている本能だけど、人間にはない?


深酒して酩酊状態になっても、
不思議に自宅にたどり着くのも、
帰巣本能といえなくもないよね。

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沖縄本島でのウミガメの産卵シーズンは、
国頭村や大宜味村など北部の海岸や、
中部の読谷村、恩納村、南部糸満の大度海岸などで
「4月から8月」
といわれている。

繁殖期に入ると、ウミガメは産卵場沖の瀬や岩礁に集まり、
婚活パーティというのか乱交パーティというのか、
雌は何匹かの雄と交尾するらしい。


産卵が近くなると夜に砂浜に上陸。
重い甲羅を背負い、大変な思いをして砂浜を移動し、
産卵場所を決めたら母ガメがすっぽり入る位の大きくて深い穴を掘る。

琉球犬、猟犬、縄文犬、ウミガメ産卵、やんばる、 【ネットで拾った画像】

1回の産卵で100個前後の卵を産み、
多くは夜明けまでに再び海へと戻って行く。
なので、日中にウミガメを見れるのはレアなケースらしい。

ウミガメの孵化は、産卵後約2ヶ月。
しかも「孵化は満月の夜が多い」
ということは、一昨日7月4日産卵の孵化予定日は
「9月15日(木曜)十五夜満月」
の可能性が高い。


「暗い新月の夜の闇にまぎれて産卵し、
明るい満月の夜に孵化して、
月の明かりに照らされて子ガメが波打ち際を目指す」
というのが一般的らしい。


ウミガメの孵化は見たいけど、行く気はない。
そのビーチに行くには、
ハブやアカマタが棲む繁みを通らないと行けないから
夜に行くのは危険なんだよね。


夕食を弁当にして、夕方ビーチに行って粘っていれば
子ガメの孵化を見れるだろうけど、
兄貴は同じ場所で長い時間居られないし、
夜のビーチで何をしでかすか判らないから
どっちにしても孵化シーンは見ることはできない。


ウミガメは産卵のために上陸するのに、
思うような産卵場所が見つからないとか、
ケガをして砂を深く掘れないなどの理由で
ただウロウロ砂浜を歩き回るだけで、
海に戻ることもあるらしい。


ウミガメの産卵は1シーズンに1度だけではなく、
数回行われるらしい。


その産卵間隔は、およそ2、3週間で
ほとんどが11~25日の範囲で再上陸してくるのだと。


なので、一昨日の7月4日の産卵は、
今年度の、おそらく1回目ではなさそうだね。

何度も何度も産卵し、その都度100個前後も涙を流して産み落とし、
それで1匹生き残ればいい方…、かなり生存率が低い。
母ガメの涙は、それを憂いているのかな。


「鶴は千年、亀は万年」
というように、亀は長寿の象徴で健康なようなイメージがあるのに、
子ガメの生存率は異常なまでに低い。

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ウミガメの卵は、産卵直後から発育が始まる(胚の発生)。

孵化までの約2か月間、
砂の中で卵が順調に育つためには、適切な環境が必要。


順調な発育が可能な温度は約24~33度の範囲内で、
温度が高いほど孵化までの日数は短くなる傾向にあるらしい。


また、砂の温度が約29度より低いとオスが、高いとメスが多く生まれ、
日差しが強い産卵巣では、
温度が上がるとメスが増え、日陰の産卵巣ではオスが多いらしく、
子ガメの性は砂の温度によって大きく影響するらしい。


また、卵が砂の中で生育中に、周囲の水分を吸収して、
もし砂が乾燥し過ぎていたり、
卵より濃度の濃い海水が含まれている砂だったりすると、
卵は水分を失い、死ぬ可能性が高まる。


卵は殻ごしに呼吸をしていて、
砂に多くの水分があると呼吸ができず窒息して死に至るとか、
砂の水分が少なくても多くても孵化に影響するらしい。


ウミガメの卵の成長には、様々な環境要因が関係していて、
母体のダメージもそうだけど、孵化する卵にとっても
命が生まれる奇跡には相当デリケートな関門があるんだね。

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「沖縄って、周りが全部白い砂浜のビーチ」
だと、私は移住するまで勝手に思い込んでいたんだけど、
意外にビーチって少ないんだよね。

それに、ビーチがあっても、
ウチナーンチュは海水浴はほとんどしないで、
夕方からBBQパーティをする。


BBQパーティは、1シーズンに何度も行うんだよね。
若い人の「ゆんたく」みたいなものなんだろうな。


大きなビーチや海浜公園では、
BBQ広場とか決まっていて、
BBQテーブルなどが造られていたりするし、
スーパーでは「BBQセット」も売られている。

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沖縄でみられるウミガメは
・アオウミガメ
・アカウミガメ
・タイマイ
の3種類といわれている。
琉球犬、猟犬、縄文犬、ウミガメ産卵、やんばる、 【「アオウミガメ」ネットで拾った画像】

ウミガメは、エサの食い分けをして、競争関係を回避している。

アカウミガメは貝(軟体動物)やヤドカリ(節足動物)などの底生動物、
アオウミガメは海草や海藻、
タイマイはサンゴ礁に生息するカイメンが主食らしい。

琉球犬、猟犬、縄文犬、ウミガメ産卵、やんばる、 【「アカウミガメ」ネットで拾った画像】

産卵から約2か月後、
卵の中で十分に発育した子ガメたちは、同時期に孵化して、
まず自分の入っていた卵の殻を破り砂の中でもがき、
地下数十センチの砂が崩れ始め、
日が暮れて夜になると、我先に地上へ這い出して来る。

すでに生存競争は始まっているのだ。


孵化した直後に地上に出て来るのではなく、
孵化後、数日から1週間も砂の中でもがいているらしい。


中には孵化の途中で死んでしまったり、
砂から脱出できずに死んでしまう子ガメもいる。

琉球犬、猟犬、縄文犬、ウミガメ産卵、やんばる、 【「タイマイ」ネットで拾った画像】

わずか5、6cmの小さな子ガメたちは、脚をパタパタと動かし、
次から次へと大急ぎで波打ち際を目指す。

子ガメには明るい方向へ向かう習性があるらしく、
迷うことなく海へとたどり着くことが出来るのだけど、
海よりも明るい街灯があったり、
見学者や撮影などのために懐中電灯を照らすと、
子ガメは誤って方向を間違えてしまうらしい。


その間にも、体の乾燥や体力の消耗で、
弱ってしまうことがあるらしい。

琉球犬、猟犬、縄文犬、ウミガメ産卵、やんばる、 【ネットで拾った画像】

また、海までの数十メートルの道のりの間に
カニなどに捕食されたり、
海岸に落ちているごみなどに迷い込むとか、
溝などに入り込むとか、
せっかく命を授かっても、
子ガメがすべて海にたどり着ける、というわけではない。

わずか5、6cmから、10年ほどで成体に成長するらしいけど、
成体になるまで生き残ることができるのは、
「数千匹のうち、1匹だけ」
といわれている。

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昨年の8月、大宜味村喜如嘉(きじょか)の国道58号線で、
産卵のために上陸したアオウミガメ(絶滅危惧2類)が車にひかれて死んだ。

アオウミガメは砂浜の奧まで上がって産卵する習性があるらしいけど、
現場は、砂浜と道路の間に遮(さえぎ)る物がなかった。


同じ現場では2011年にもタイマイの孵化後の子ガメが
街灯に誘われて国道に出て車にひかれている。


たしか、数年前も国頭村辺土名北、宇根の近くでも
産卵で上陸したウミガメが58号線で交通事故で死んでいた。


こういうのは人災だよね。


9月15日ごろに孵化する子ガメたち、1匹でも多く生き残って、

また10年後に、ここに戻って来てほしい。

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