
ついに北の猪八戒が「衛星」と称するミサイルを発射した。
報道当初は、どっち方面に飛んでるのかを言わず、
その後「沖縄方面」とだけ報道されたけど、
沖縄って本島と八重山諸島は、東京と大阪より離れているんだから、
ひと言で「沖縄方面」と言われても困るよね。
発射後11分後に石垣島上空を通過して
フィリピン東海上方面に向かったらしい。
猪八戒はイカレてるね。
孫悟空と沙悟浄と共に三蔵法師を守って天竺に向かえばいいのに。
「ついにウリ坊と遭遇したRIN(凛)君」
朝散歩は林道を山に向かった。
今どき、自宅出発から帰宅するまで、森林浴を楽しみつつ、
犬もリードを付けないで1時間以上も自由に伸び伸びと散歩できて、
しかも道中、人にも車にも遭遇しないなんて、
たしかに過疎は不便だけど、こんな贅沢なことって町では絶対ムリだよね。
RIN(凛)君と林道を散策中に、RIN(凛)君が何やら気配を感じたようで
身構えていたら、右の尾根から斜面をウリ坊が駆け下りてきた。
ウリ坊ってわかるかな?
イノシシの子供だけど、天敵から身を守るためにシマ模様があり、
自衛隊の迷彩服と同様に、森林内では保護色になっていて、
シマウリに似たシマ模様と、その体型からウリ坊と呼ばれている。
RIN(凛)君もトラ毛だけど、
RIN(凛)君は縦目のシマ模様、ウリ坊は横シマ。
そのウリ坊に、ついにRIN(凛)君が遭遇してしまった。
約30m離れて双方が対面し、慌てて逃げ出すウリ坊。
RIN(凛)君は興奮して喜々として野獣のように追いかける。
「ウリ坊を獲ったらどうしよう、誰に連絡しようか」
と私が思案していたら、
私とRIN(凛)君の間に、右の草むらから野犬2頭が飛び出してきて
RIN(凛)君に吠えまくった。
どうやら、野犬がウリ坊を追っていたみたい。
野犬はRIN(凛)君に獲物を横取りされそうなことにブチ切れている。
RIN(凛)君は立ち止まり、振り向いて、今度は野犬と対峙。
野犬が怒り狂ってRIN(凛)君に走り出したので
RIN(凛)君もそれに合わせて野犬に向かうと、
RIN(凛)君の気迫に押されて野犬はUターン。
幅4mの林道で、逃げる間もなく立ち尽くす私に迫って来る野犬2頭、
それを追うRIN(凛)君という構図。
野犬は、立ちつくす私の脇を通りこして、一目散に林道を駆け下り、
RIN(凛)君も私の脇を通過。
ウサイン・ボルトより速いスピード。
ボルトの時速は37~38kmと軽トラの安全速度並みだけど、
犬たちの速度は、それをはるかに通りこしていた。
カーブが多い林道で、猛スピードで鬼ごっこをする犬たちの姿は
あっという間に私の視界から消えて行った。
RIN(凛)君は林道からケモノ道に入ることが多い。
基本的には、RIN(凛)君は臭いをたどって
入った所から出て来る。
なので、野犬を追いかけたRIN(凛)君が、どのあたりから
脇に入ったかを見極めようと、私も追いかけてみたけど…。
RIN(凛)君を見失い、RIN(凛)君の名を呼び、
口笛を吹きまくるけど、あたりは野鳥の声がむなしく響くだけ。
林道を行ったり戻ったり、30分以上捜索したけど、
断念して自宅に戻ることにした。
といっても、ここから自宅までは約2.5kmもある。
道中心配しながら30分くらいかけて帰宅すると
RIN(凛)君はすでに自宅に戻っていた。
「ずいぶん遅かったな、待ちくたびれたよ」
と言いたげな顔しちゃって悪気もなく私を見ているバカ犬。
私を山に置きざりにしたまま野犬を追いかけたついでに、
ヤツはさっさと先に帰っていたんだね。
こういうのは、思い返すと何回もあるんだよ。
ヤツの頭の中には高性能のナビが入っているみたいで、
必ず自宅に戻って来る。
なので、帰巣(きそう)本能について
RIN(凛)君とゆんたくしてみた。
「帰巣本能」とは、動物が住処(すみか)から離れても、
再びそこに戻ってくることが出来る、生まれた時から持っている生得的な能力のことをいう。
渡り鳥や伝書バトは、
体内時計や生体磁石を持っていて、、
自分の戻るべき場所に戻ることが出来るといわれている。
ミツバチも同様らしい。
犬は、嗅覚と合わせて、第六感的に
「遠く離れた場所から自分の帰るべき場所を体で覚えていて戻ってくることが出来る」
といわれているけど、
帰巣本能は、原始的な犬の方が発揮するらしい。
琉球犬は縄文犬という古いタイプの犬だし、
本土の日本犬も古い弥生犬だから、帰巣本能があるはず。
TV番組では、飼い主とはぐれてしまった犬や猫が、
長旅をして自宅に戻り、感動の対面を果たした、とかの話題が出たりする。
1923年(大正12年)夏の実話。
アメリカのオレゴン州シルバートンでレストランを経営しているブレイザーさんは
コリーMIXの生後6ヶ月の子犬ボビーを車に乗せて、
休暇のため4800km離れたインディアナ州ウォルコットの親戚を車で訪ねた。
車が速度を落とした際、ボビーが外に飛び出してしまった。
ブレイザーさんは数日間付近を捜索、
地元の新聞に情報提供を求める広告を出したりもしたけど、結局ボビーは発見されず、
ブレイザーさんは失意のまま自宅に戻った。
その頃、ボビーもまた、自宅のあるオレゴン州へと続く道をたどっていた。
自宅へ到達するには、イリノイ州とアイオワ州を越え、
川を泳ぎ、氷に閉ざされたミズーリ州を横切り、ロッキー山脈を越えなければならない。
ボビーは、途中240キロほどの寄り道をしつつ、8つの州を越え、約6ヵ月かけて
4,800キロ離れたブレイザーさんのいるレストランへ自力でたどり着いたという。
オレゴン州の動物愛護協会会長は、
ボビーを目撃したり、えさや寝る場所を実際に提供した人々のインタビューから
ボビーがたどった道程を追跡調査し、
6ヶ月に及ぶ彼の大移動を「紛れもなく本物である」と認定した。
また各州においてボビーを目撃した人々の証言をまとめた
「Bobbie: A Great Collie of Oregon」という本も、1926年に発売されたらしい。
ボビーは、途中で親切な人に餌を与えられたり、怪我の治療も受けていたらしい。
美談はいいけど、ちょっと待った。
1923年から94年も経った現代、
すっかり殺伐(さつばつ)とした社会になって、
犬に帰巣本能があったとしても、
遠い場所からはたして無事に飼い主の基にたどりつけるのかな?
犬を飼ったら、動物愛護法で所轄の役場に登録しなければいけない義務がある。
ところが、登録をしていない飼い犬が、日本にはワンさかいる。
厚生労働省の統計では、
平成25年度の犬の登録頭数は674.7万頭。
(社)ペットフード協会の「平成25年度全国犬猫飼育率調査」によると、
全国の犬の推計飼育頭数は1087.2万頭。
要するに、登録された飼い犬は、約6割しかいないのが現状だし、
RIN(凛)君みたいに登録してても鑑札をつけていない犬も多いはず。
この鑑札は安っぽいし、散歩中に落ちてしまうことがあり、
再発行は有料だからだよね。
環境省の統計では、
平成25年度の犬の収容数は、
・飼い主から引取り 11,769頭
・所有者不明、捕獲 49,044頭
合計60,813頭。
そのうち、飼い主への返還が15,130頭、譲渡数16,950頭。
それ以外はアウシュビッツのように炭酸ガスで殺処分されている。
鑑札が付いていない、あるいは無登録の飼い犬が、
もし遠い旅先で迷子になったら、はたして自宅に戻れるのかな?
家族同様の愛犬が、どこで収容されたのか、探しまくるのも大変だし、
収容期限は1週間もない自治体が多い。
なので、アメリカの美談みたいな帰巣は、現代では「奇跡」といえるはず。
また、RIN(凛)君が追いかけ回す野犬たちにも、帰巣本能はあるはず。
捨て犬の子は、生まれながらの野犬だから飼い主はもともといないのだけど、
飼い主に捨てられた犬は、飼い主と暮らした家への帰巣は可能なはず。
だけど、捨て犬が帰って来たという話は聞いたことがない。
逆に、犬が逃げて戻らないという話を聞く。
飼い主は犬を選べるけど、犬は飼い主を選べない。
犬によっては、ポパイに出て来るブルートとか、
ピノキオに出て来るサーカスの団長だとか、
最悪の飼い主に劣悪な飼い方をされると脱走するのも当たり前だろうし、
信じていた飼い主にゴミのようにポイ捨てされた犬は、
人間不信になって、帰巣本能はあっても戻る気がなくなることだってあるはずだ。
そう考えると、RIN(凛)君が必ず帰って来るのは、
私を家族だと認めてくれているのだから、嬉しいことだよね。
帰巣本能というと、酔っ払いにもいえるはず。
終電に乗り遅れたり、最終の終点で降ろされたり、
大虎になって警察のご厄介になる猛者は除いて、
一般の酔っ払いは、酩酊状態になっても
不思議に自宅に帰り着くことが出来る。
それも、帰巣本能といえるんじゃないかな。
「昨日、どうやって帰ったのか記憶にない」
みたいな。
玄関で靴を脱ぐとか、
化粧を落とし忘れても、メガネを外したり、
コンタクトを取ったり、とか。
犬にはないすごい習性だよね。