
沙悟浄(さごじょう)は、「西遊記」に登場する河童(かっぱ)の妖怪人間。
孫悟空、猪八戒(ちょはっかい)と共に、
三蔵法師の弟子として、三蔵法師を守り天竺へ旅をする、
という有名な中国の古典。
沙悟浄は日本では河童の妖怪だけど、
中国ではヨウスコウカワイルカらしい。
それはどうでもよくて、先日出会った人に私は沙悟浄というあだ名を付けた。
私は初対面の人には、 inspirationで出てきた動物やモノに置き換えるクセがある。
なので、名刺交換して頂いた名刺には、
誰にも見せられない、私の好き勝手なMEMOが書いてある。
私が実際に付けたあだ名は、例えば、
見た目が似ていれば、単純に
ドンガバチョ
アジャコング
ダンプ松本
キラー・カーン
スネ夫
カーネルサンダース
ロバ
ボス猿
落ち武者
…、
こういうのは、当たり前すぎてふつうだけど、
「挨拶が出来ないゴリラーマン」
「ジャイゴリラ(ジャイアン&ブタゴリラ)」
「スサノオ(ふだんはマジメだけど、キレると怖い男)」
「ブラピ(ブラッド・ピットではなく、色黒のキューピー顔)」
「あんちょび(ちょび髭はやしてる人)」
「よし子(魔法使いサリーの友人、ガサガサ低音の女性)」
「ブルータス(裏切る人)」
「ペヤング(顔が四角い人)」
「ケムンパス(眉毛が濃い人)」
「文明開化(頭髪を真ん中から分ける人)」
「ドンタコス(歩き方がヘタ)」
「グッキー(歯茎が出ている人、カンナとかサンマともいう)」
「小じゅうと(すぐに文句を言う人)」
「ファブリーズ(香水がきつめのおばはん)」
「スジオ(痩せた男性)」
「ハンサム(前半分ハゲ)」
「 マチャヤギ(マチャアキとヤギに似てる人)」
「ホジリン(いつも鼻くそをほじってる)」
「ミスターかっぺ(見るからに田舎風の男性)」
映画の登場人物の、
「ミザリー(ふだんは優しいけど怒ると怖い女性)」
「ジーラ(サル顔女性)」
「コーネリアス(サル顔男性)」
等々、瞬間的に思いついた、例えば野菜でも何でもOK。
とにかく、片っ端からあだ名を付けるのが、
良くも悪くも私のクセ。
私の娘にも「豆さん」と、あだ名を付けていた。
背がちっこいから。
娘は私にあだ名を付けていた。
「ベラ(妖怪人間)」
だと。
集落内の知人と会話中に、沙悟浄がやってきた。
ザビエル頭で文句屋みたいな顔をして、
キモ系オーラを全開させていたので、
ひと目見て彼は沙悟浄に決定した。
知人は、私に
「先輩なんだ」
と小声で言った。
知人は沙悟浄が大嫌いなようで、私に
「頼むから余計なことは言わないでくれ」
というような弱々しい目線を送っていた。
沙悟浄は、
「オレは北部農林の林業科を卒業した!」
と胸を張った。
北部農林というのは、
名護市の名護浦公園(21世紀の森公園)内にある、
日本ハムファイターズがキャンプ地として使用する
名護市営球場近くの、海沿いにある県立北部農林高校のこと。
私は、
「あ、そうですか」
と言ったら、沙悟浄は
「林業科は沖縄では北部農林にしかない。
ということは沖縄で40人しか募集しないんだ」
と、さらに威張って言った。
沖縄の農林高校は、他には南部農林、中部農林、八重山農林の3校があるけど、
たしかに林業科は北部農林にしかない。
私は
「だから何?」
と思ったけど、もちろん黙っていた。
北部農林高校の林業緑地科は、ずっと定員40人のまま。
昨年度の応募者33名、一昨年は37名で、ほぼ毎年定員割れで人気がない科。
沖縄本島北部地域は、ドングリの実を付けるイタジイを中心とする
緑深い森林が広がり、
ヤンバルクイナやノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネなど
固有の希少動植物が生息する野生生物の宝庫。
山原(やんばる)には2つの森林組合がある。
でも、今の時代林業では食べていけない。
そんなことは誰でも知ってるのに、沙悟浄は、
「選ばれし40人」にこだわり、それがたいそう自慢らしい。
沙悟浄は、
「その年の沖縄のBEST40人のひとりだ!」
という意味なんだと思う。
「オレはやんばる中の山を知り抜いている」
というから、
「フエンチヂ岳のフエンチヂとは、どういう意味ですか?」
と質問すると、
「わからん」
と言う。
沙悟浄は、場を仕切りたいみたいだけど、
私も知人も無言で無視していたら、
面白くなさそうに憮然として威張りながら去っていった。
「定員40人」は「選ばれし40人」なわけないさ。
「オレは選ばれた(優秀な)存在」
という選民意識とエリート意識、錯覚と思い込み。
沙悟浄には付ける薬はない!
もう二度と会いたくない!