ハイサイ、RIN(凛)です
山原(やんばる)で自由奔放に生活するRIN(凛)君は、
元旦生まれだから、まだ生後10カ月半の仔犬のくせに、
家のリーダー気取りの、気分屋で気難しいサタン王子。
我が家周辺は野犬のグループが、確認出来ているだけで3団体あり、
それらの仁義なき戦いだけでなく、群雄割拠も激しい戦国の世。
RIN(凛)君が仲良くしていた三匹の侍は最近さっぱり見かけなくなった。
黒い犬がボスのブラックエンペラーも、牝犬が妊娠中なのか、
RIN(凛)君を見かけただけで牝犬を擁護するように
早々と去っていくようになり、
現在、勢力を拡大しているのが白い犬がリーダーのホワイトシャーク団。
三匹の侍も、立ち退きを迫られたらしい。
野犬軍団の主食は、近所のJA系の養豚場で病死した豚。
この付近は死臭が漂っている。
この豚舎の経営者や従業員は、この土地の集落に住んでいない。
そういうこともあって、汚水を川に流したり、
悪臭の改善策はしない、死んだ豚はきちんと埋葬しない、
おまけにボヤをよく出して消防車がよく出動するなど、無法状態。
そういうだらしがない豚舎だからこそ、野犬軍団にとっては好都合。
死んだ豚をきちんと埋めないので、難なく食べられるから。
そのため、この豚の墓場は野犬たちの戦場と化している。
なので、野犬は安心して食べたいがために、
骨付き肉を咥えて個々の安全なエリアに移動するらしく、
RIN(凛)君は我が家近郊の縄張りに入り込む野犬軍団を追い散らしては、
獲物を戦利品として押収、
獣骨(=おそらく豚の骨)を探し出してくる。
私の方針としては
「拾い食いは厳禁」
なんだけど、
ヤツは人の意見を聞かない。
でも、一応は、
「拾い食いはやめな!」
と言うのだけど、
ヤツは頭をブルブルっと震わせて
「フンッ!」
と言い、
「NO」
という意思表示を露骨に示す。
RIN(凛)君が咥えている獣骨を奪い取ろうと
私が手を伸ばすと、ヤツは決まって
「Woooo!」とか「Garururu!」と怒り、鼻に筋を立てて私に威嚇するので、
「食当たりになったって知らないよ!」
「そんなの消費期限切れに決まってるよ!」
と、一応言ってやるけど、
ヤツは私に「どうだ!」と言わんばかりに、
草加煎餅のようにバリバリと骨を咬み砕いて
数分で食べてしまう。
そんなRIN(凛)君を見ていると、
三国志の猛将・張飛を思い浮かべてしまう。
三国志とは、後漢末期から晋の統一に至るまで、
「魏・呉・蜀」
の三国時代112年間を描いたもので、
日本の戦国時代を一つの作品にまとめたようなものだから、
登場人物もやたら多く、読むだけでも大変、
途中で放り投げたくなるか、睡魔に襲われるのがふつう。
こういう長編モノは、登場人物の誰かに焦点をあてて読むと、
その人物の境遇や性格、生き様などが判り、理解しやすい。
そのためか、物語を判りやすくするために、
三国志の英雄の中で、劉備が善玉になり、
曹操が悪玉に描かれている。
何度も三国志を読むと、劉備は人としての人徳はあっただろうけど、
中国全土の統一は成し遂げることが出来なかった。
諸葛孔明の天下三分の計に基づいて、
孫権と同盟を結んで赤壁の戦いで曹操を破り、
益州の地を得て勢力を築き、
後漢の滅亡を受けて皇帝に即位して、蜀漢を建国するのが精一杯。
群雄割拠の時代をうまく生き抜いた、という見方もあるけど、
劉備は、社員の面倒見が良い中小企業の社長みたいなもの。
かえって曹操の方が野心とパワーが強烈で、魅力的に見えてくる。
水戸黄門を将棋に例えるなら、光圀公が玉で、
剣術の達人「助さん」こと佐々木助三郎と、
柔術の達人「格さん」こと渥美格之進は、
飛車・角ということになるけど、
三国志の劉備の飛車・角というと、
桃園(とうえん)の誓いで義兄弟になった関羽と張飛になる。
中国や台湾、香港で、最も信仰されている神は「関帝」で、これは関羽のこと。
台湾で張飛を祀っているといったら、
桃園県の大渓劉備廟くらいしか無いんじゃないの?
でも、ここは三国聖地として、劉備はもちろん、
関羽、張飛、趙雲、馬超、黄忠の五虎将や
諸葛孔明といった三国志の善玉・劉備側のスターたちが勢ぞろいで祀られているから、
張飛だけを神として祀られているのは、聞いたことがない。
関羽は、正義感が強く、常に冷静沈着で義理、忠義に暑い勇将、
プライドも高いけどね。
敵の曹操や多くの人から賞賛されているから、武神化するのも当然かも。
RIN(凛)君はどう見ても関羽というタイプとは程遠い。
武勇には優れているようだけど冷静沈着ではないし、ヤツには正義感なんて無いはず。
ヤツは、どう見ても荒くれの張飛タイプ。
「張飛一騎で1万の兵に匹敵する」と謳(うた)われた猛将だけど、彼は酒豪。
酒にまつわるエピソードが実に多い。
赤壁の戦いで大軍の曹操を敗北に追い込んだのは劉備と孫権の連合軍。
やがて孫権と関羽が衝突するようになり、
長江の支流嘉陵江(かりょうこう)の臨沮(りんしょ)で
関羽はついに孫権に殺されてしまう。
「生まれたときは別々でも死ぬときは一緒」という
義兄弟の契りを結んだ関羽が殺されたのを知った張飛は怒り狂い、
劉備と呼応して関羽の仇をとるべく、
部下に呉との戦いの準備を急がせるのだけど、急なことで間に合わず、
焦り怒りをコントロール出来ない張飛は酒を飲んで陣内で荒れ狂う。
張飛の怒りを恐れた部下は、酒に酔って寝込んでいる張飛の寝首をかき、
あげくに、その首を長江に投げ捨ててしまう。
けた違いの豪勇を誇った張飛は、最後に酒におぼれて部下に殺されるなんて、
あまりにもチープすぎる結末。
張飛は「酒で身を滅ぼす」典型で、関羽のような武神はとてもムリ。
張飛は神として祀られるなら酒神がせいぜい。
RIN(凛)君は未成年だから、まだお酒は飲めない。
RIN(凛)君の野獣のような荒々しさは、
日本神話の荒くれ皇子、ヤマトタケルも想い出す。
日本神話とよばれる伝承は、そのほとんどが、
「古事記」、「日本書紀」、「先代旧事本紀」
各「風土記」の記述に基づき、
私が中学生くらいまでは、書店の童話コーナーでは
日本神話が置かれていたものだけど、
野口雨情、北原白秋、金子 みすゞなどの童謡や唱歌も含めて
店頭ではいつしかみかけなくなってしまった。
古事記の上代の巻、第1章に「荒くれ皇子(=ヤマトタケル)」が記述してある。
ヤマトタケルは、古事記では倭建命、日本書紀では日本武尊と書かれて、
読みはそれぞれ「ヤマトタケル」。
物語も微妙に違うのだけど、大筋では同じ。
ヤマトタケルは景行(けいこう)天皇の第二子。
古事記では子供の頃は碓皇子(おうすのみこ)で、
兄弟に兄の大碓尊(おおうすのみこと)がいた。
長兄は父が気に入った女性を横取りしたことで父と疎遠になり、
父が次兄のヤマトタケルに「なんとかしてくれ」と頼むと、
次兄は、これを「殺せ」と誤解して、長兄を殺してしまう。
これを知った父は、自分も殺されるんじゃないかと次男が恐ろしくなり、
部下もほとんど付けずに九州征伐に向かわせる。
厄介払いみたいなものだよね。
次男は見事に九州征伐を成し遂げ、「ヤマトタケル」と改名して帰国すると
今度は父から東国征伐を言い渡される。
ヤマトタケルは父との関係に苦悩しながら、
東国の征伐をするのだけど、帰国の途中であえなく死んでしまい、
その魂は白鳥になって空高く飛び去ったとされている。
琉球犬のRIN(凛)君は生まれながらの猟犬=縄文犬ということもあって気性が荒い。
「GOD」という字を逆に並び替えると「DOG」になり、犬は神使(しんし)、神の使い。
なので神仏の守護獣は狛犬(こまいぬ)や獅子が多い。
そう考えたら、大暴れするRIN(凛)君は、
もしかしたらヤマトタケルの生まれ変わりなのかもしれない。
私も殺されないように気をつけないと。

山原(やんばる)で自由奔放に生活するRIN(凛)君は、
元旦生まれだから、まだ生後10カ月半の仔犬のくせに、
家のリーダー気取りの、気分屋で気難しいサタン王子。
我が家周辺は野犬のグループが、確認出来ているだけで3団体あり、
それらの仁義なき戦いだけでなく、群雄割拠も激しい戦国の世。
RIN(凛)君が仲良くしていた三匹の侍は最近さっぱり見かけなくなった。
黒い犬がボスのブラックエンペラーも、牝犬が妊娠中なのか、
RIN(凛)君を見かけただけで牝犬を擁護するように
早々と去っていくようになり、
現在、勢力を拡大しているのが白い犬がリーダーのホワイトシャーク団。
三匹の侍も、立ち退きを迫られたらしい。
野犬軍団の主食は、近所のJA系の養豚場で病死した豚。
この付近は死臭が漂っている。
この豚舎の経営者や従業員は、この土地の集落に住んでいない。
そういうこともあって、汚水を川に流したり、
悪臭の改善策はしない、死んだ豚はきちんと埋葬しない、
おまけにボヤをよく出して消防車がよく出動するなど、無法状態。
そういうだらしがない豚舎だからこそ、野犬軍団にとっては好都合。
死んだ豚をきちんと埋めないので、難なく食べられるから。
そのため、この豚の墓場は野犬たちの戦場と化している。
なので、野犬は安心して食べたいがために、
骨付き肉を咥えて個々の安全なエリアに移動するらしく、
RIN(凛)君は我が家近郊の縄張りに入り込む野犬軍団を追い散らしては、
獲物を戦利品として押収、
獣骨(=おそらく豚の骨)を探し出してくる。
私の方針としては
「拾い食いは厳禁」
なんだけど、
ヤツは人の意見を聞かない。
でも、一応は、
「拾い食いはやめな!」
と言うのだけど、
ヤツは頭をブルブルっと震わせて
「フンッ!」
と言い、
「NO」
という意思表示を露骨に示す。
RIN(凛)君が咥えている獣骨を奪い取ろうと
私が手を伸ばすと、ヤツは決まって
「Woooo!」とか「Garururu!」と怒り、鼻に筋を立てて私に威嚇するので、
「食当たりになったって知らないよ!」
「そんなの消費期限切れに決まってるよ!」
と、一応言ってやるけど、
ヤツは私に「どうだ!」と言わんばかりに、
草加煎餅のようにバリバリと骨を咬み砕いて
数分で食べてしまう。
そんなRIN(凛)君を見ていると、
三国志の猛将・張飛を思い浮かべてしまう。
三国志とは、後漢末期から晋の統一に至るまで、
「魏・呉・蜀」
の三国時代112年間を描いたもので、
日本の戦国時代を一つの作品にまとめたようなものだから、
登場人物もやたら多く、読むだけでも大変、
途中で放り投げたくなるか、睡魔に襲われるのがふつう。
こういう長編モノは、登場人物の誰かに焦点をあてて読むと、
その人物の境遇や性格、生き様などが判り、理解しやすい。
そのためか、物語を判りやすくするために、
三国志の英雄の中で、劉備が善玉になり、
曹操が悪玉に描かれている。
何度も三国志を読むと、劉備は人としての人徳はあっただろうけど、
中国全土の統一は成し遂げることが出来なかった。
諸葛孔明の天下三分の計に基づいて、
孫権と同盟を結んで赤壁の戦いで曹操を破り、
益州の地を得て勢力を築き、
後漢の滅亡を受けて皇帝に即位して、蜀漢を建国するのが精一杯。
群雄割拠の時代をうまく生き抜いた、という見方もあるけど、
劉備は、社員の面倒見が良い中小企業の社長みたいなもの。
かえって曹操の方が野心とパワーが強烈で、魅力的に見えてくる。
水戸黄門を将棋に例えるなら、光圀公が玉で、
剣術の達人「助さん」こと佐々木助三郎と、
柔術の達人「格さん」こと渥美格之進は、
飛車・角ということになるけど、
三国志の劉備の飛車・角というと、
桃園(とうえん)の誓いで義兄弟になった関羽と張飛になる。
中国や台湾、香港で、最も信仰されている神は「関帝」で、これは関羽のこと。
台湾で張飛を祀っているといったら、
桃園県の大渓劉備廟くらいしか無いんじゃないの?
でも、ここは三国聖地として、劉備はもちろん、
関羽、張飛、趙雲、馬超、黄忠の五虎将や
諸葛孔明といった三国志の善玉・劉備側のスターたちが勢ぞろいで祀られているから、
張飛だけを神として祀られているのは、聞いたことがない。
関羽は、正義感が強く、常に冷静沈着で義理、忠義に暑い勇将、
プライドも高いけどね。
敵の曹操や多くの人から賞賛されているから、武神化するのも当然かも。
RIN(凛)君はどう見ても関羽というタイプとは程遠い。
武勇には優れているようだけど冷静沈着ではないし、ヤツには正義感なんて無いはず。
ヤツは、どう見ても荒くれの張飛タイプ。
「張飛一騎で1万の兵に匹敵する」と謳(うた)われた猛将だけど、彼は酒豪。
酒にまつわるエピソードが実に多い。
赤壁の戦いで大軍の曹操を敗北に追い込んだのは劉備と孫権の連合軍。
やがて孫権と関羽が衝突するようになり、
長江の支流嘉陵江(かりょうこう)の臨沮(りんしょ)で
関羽はついに孫権に殺されてしまう。
「生まれたときは別々でも死ぬときは一緒」という
義兄弟の契りを結んだ関羽が殺されたのを知った張飛は怒り狂い、
劉備と呼応して関羽の仇をとるべく、
部下に呉との戦いの準備を急がせるのだけど、急なことで間に合わず、
焦り怒りをコントロール出来ない張飛は酒を飲んで陣内で荒れ狂う。
張飛の怒りを恐れた部下は、酒に酔って寝込んでいる張飛の寝首をかき、
あげくに、その首を長江に投げ捨ててしまう。
けた違いの豪勇を誇った張飛は、最後に酒におぼれて部下に殺されるなんて、
あまりにもチープすぎる結末。
張飛は「酒で身を滅ぼす」典型で、関羽のような武神はとてもムリ。
張飛は神として祀られるなら酒神がせいぜい。
RIN(凛)君は未成年だから、まだお酒は飲めない。
RIN(凛)君の野獣のような荒々しさは、
日本神話の荒くれ皇子、ヤマトタケルも想い出す。
日本神話とよばれる伝承は、そのほとんどが、
「古事記」、「日本書紀」、「先代旧事本紀」
各「風土記」の記述に基づき、
私が中学生くらいまでは、書店の童話コーナーでは
日本神話が置かれていたものだけど、
野口雨情、北原白秋、金子 みすゞなどの童謡や唱歌も含めて
店頭ではいつしかみかけなくなってしまった。
古事記の上代の巻、第1章に「荒くれ皇子(=ヤマトタケル)」が記述してある。
ヤマトタケルは、古事記では倭建命、日本書紀では日本武尊と書かれて、
読みはそれぞれ「ヤマトタケル」。
物語も微妙に違うのだけど、大筋では同じ。
ヤマトタケルは景行(けいこう)天皇の第二子。
古事記では子供の頃は碓皇子(おうすのみこ)で、
兄弟に兄の大碓尊(おおうすのみこと)がいた。
長兄は父が気に入った女性を横取りしたことで父と疎遠になり、
父が次兄のヤマトタケルに「なんとかしてくれ」と頼むと、
次兄は、これを「殺せ」と誤解して、長兄を殺してしまう。
これを知った父は、自分も殺されるんじゃないかと次男が恐ろしくなり、
部下もほとんど付けずに九州征伐に向かわせる。
厄介払いみたいなものだよね。
次男は見事に九州征伐を成し遂げ、「ヤマトタケル」と改名して帰国すると
今度は父から東国征伐を言い渡される。
ヤマトタケルは父との関係に苦悩しながら、
東国の征伐をするのだけど、帰国の途中であえなく死んでしまい、
その魂は白鳥になって空高く飛び去ったとされている。
琉球犬のRIN(凛)君は生まれながらの猟犬=縄文犬ということもあって気性が荒い。
「GOD」という字を逆に並び替えると「DOG」になり、犬は神使(しんし)、神の使い。
なので神仏の守護獣は狛犬(こまいぬ)や獅子が多い。
そう考えたら、大暴れするRIN(凛)君は、
もしかしたらヤマトタケルの生まれ変わりなのかもしれない。
私も殺されないように気をつけないと。