ハイサイ、RIN(凛)です
名護市の金秀(かねひで)というスーパーで、
RIN(凛)君を軽トラックの荷台に、ロープでつないでいる時に、
島袋順栄さんから
「それ、琉球犬でしょう」
「犬を大事にしている姿を見ると心が癒される」
と声をかけられた。
「オレのこと、知ってる?」
と言われ、
「知らない」
と言うと、
「オレは島袋順栄と言って、この辺りでは有名人なんだ」
「ネットで島袋順栄、狂犬病と入れて検索したら、わんさか出てくるよ」
と。
琉球犬が「縄文犬」だとか、
「純血種は200~300頭しかいない」
とか、犬については博識。
なぜ、島袋さんが有名なのかというと、
以下は帰宅後ネットで検索して出て来た2009年の新聞記事のコピペ。
「犬57匹飼育の男を在宅起訴~那覇地検」
「沖縄・名護市で50匹以上の犬を劣悪な環境で飼育していたとして
県から刑事告発された無職の男(50)を、
那覇地検が狂犬病予防法違反罪で在宅起訴していたことがわかった。
この男は、自宅の敷地内で57匹の犬を飼育し、
鳴き声や臭いをめぐって周囲の住民とトラブルとなっていた。
県は飼育環境が劣悪だとして、動物愛護管理法と狂犬病予防法違反の疑いで
男を刑事告発していた。
那覇地検は7月3日までに、
狂犬病予防法に基づく犬の登録をしていなかったなどとして、
狂犬病予防法違反罪で男を在宅起訴した。
起訴状などによると、島袋容疑者は飼い犬47頭について、
厚生労働省が定めている年1度の狂犬病予防注射を受けさせなかったほか、
うち45頭について名護市に登録申請しなかったとされる。
犬の鳴き声や悪臭に悩まされた近隣住民が昨年(2008年)1月、同市に相談。
市や県の職員が島袋容疑者宅を訪れて指導した際、
犬に予防注射していなかったことが判明。
県警名護署が同10月、狂犬病予防法違反などの疑いで同容疑者を書類送検した。」
これは、本人もその通り話し、
「逮捕され、地検で起訴されたが、それっきり何ごともなく終わった」
と言われていた。
このネット記事についての読者のコメントは、
「身勝手なヤツだ」
とか
「そういうヤツ、いるんだよな」
という酷評ばかり。
彼は、現在は約70頭の犬を飼っているという。
現在は、もちろん名護市に犬を全頭登録し、
メス犬には1頭5万円で30頭、避妊手術を受けさせた、という。
その約70頭の犬は、捨て犬ばかり。
犬の保護のNPOや、近所の人が連れてくる捨て犬だけでなく、
動物愛護センターからも、仔犬譲渡会で余った犬の引取りについても
問い合わせがあるらしい。
個人では犬を飼育するというと、狂犬病の予防注射だけでなく、
日々の食事や散歩、糞の始末、病気になれば動物病院…、など
時間もお金もけっこう大変。
与那原町の新垣義雄先生も、MAX50頭を飼っていた時は、
エサの確保に、豆腐屋さんや弁当屋さん、コンビニなど、
朝から夕方まで駆けずり回って大変だったのを知っている。
島袋順栄さんは逮捕時の6年前に50歳だから、現在は56歳。
昔の逮捕歴があることで、
動物愛護団体からのペットフード寄付などは無いらしく、
近所のコンビニや飲食店などが余った弁当や食材などをくれるのだという。
島袋さんは、犬のうんちく雑学を延々と話し、博識だけど、
彼の犬に対する愛情が切々と感じられた。
彼が多数の犬を飼い、登録をせず狂犬病の予防注射を免れていたことや
近所への悪臭、吠える声など落ち度はあったにせよ、
「捨て犬を見過ごせない」
という思いで犬を引き取る、というのはふつうでは考えられないこと。
ちなみに、彼は市内の2千坪以上の地主。
だから犬を飼う土地がある。
でも広大な土地があったにしても、
多くの犬を飼うと、その世話だけで1日が終わってしまうはず。
散歩だって、小頭数ずつ分けて行ったら大変だよね。
「逮捕」と聞くと、ふつうは「悪い人」と決めつけるけど、
島袋さんと偶然初めてお会いして、私は「立派な人だな」と感心した。
「今、3頭の散歩中で、近くにつないであるから、ちょっと連れてくるよ」
と言われ、
本当に3頭を連れて来たのだけど、
私が危惧した通り、RIN(凛)君が大激怒で大暴れ。
犬は町で飼うと、周りが犬に対して理解する人ばかりではないし、
犬を取り巻く法律も多々あり、飼い主の管理責任なども含めて、けっこう大変。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい 」
夏目漱石の「草枕」の冒頭の言葉。
現代訳すると、
「正義感を振りかざし、理屈を先行させて動いていると、人と衝突する。
逆に人の気持ちを考えすぎて、人に情けをかけていると、
自分の考えが相手に伝わらず、相手に対して折れてばかりになる。
かといって、自分の意地を通そうとすると、トラブルが絶えずストレスが増えるし、
この世は生きにくく、ままならないものだ。」
文化や技術は発展しても、人の生き方自体は昔と何ら変わっていないんだね。
そういうストレス社会の人間生活に犬が組み込まれ、
犬は飼い主を裏切らず、飼い主は犬にかけた愛情分だけ癒しを受け取る。
飼主と犬が支え合って「人」という字を形成するように、
犬も家族として受け入れてあげる必要があるはず。
「RIN(凛)君は野山を駆けずり回れる過疎で暮らして幸せだよね~」
とRIN(凛)君に話しても、ヤツは首をひねるだけ…。

名護市の金秀(かねひで)というスーパーで、
RIN(凛)君を軽トラックの荷台に、ロープでつないでいる時に、
島袋順栄さんから
「それ、琉球犬でしょう」
「犬を大事にしている姿を見ると心が癒される」
と声をかけられた。
「オレのこと、知ってる?」
と言われ、
「知らない」
と言うと、
「オレは島袋順栄と言って、この辺りでは有名人なんだ」
「ネットで島袋順栄、狂犬病と入れて検索したら、わんさか出てくるよ」
と。
琉球犬が「縄文犬」だとか、
「純血種は200~300頭しかいない」
とか、犬については博識。
なぜ、島袋さんが有名なのかというと、
以下は帰宅後ネットで検索して出て来た2009年の新聞記事のコピペ。
「犬57匹飼育の男を在宅起訴~那覇地検」
「沖縄・名護市で50匹以上の犬を劣悪な環境で飼育していたとして
県から刑事告発された無職の男(50)を、
那覇地検が狂犬病予防法違反罪で在宅起訴していたことがわかった。
この男は、自宅の敷地内で57匹の犬を飼育し、
鳴き声や臭いをめぐって周囲の住民とトラブルとなっていた。
県は飼育環境が劣悪だとして、動物愛護管理法と狂犬病予防法違反の疑いで
男を刑事告発していた。
那覇地検は7月3日までに、
狂犬病予防法に基づく犬の登録をしていなかったなどとして、
狂犬病予防法違反罪で男を在宅起訴した。
起訴状などによると、島袋容疑者は飼い犬47頭について、
厚生労働省が定めている年1度の狂犬病予防注射を受けさせなかったほか、
うち45頭について名護市に登録申請しなかったとされる。
犬の鳴き声や悪臭に悩まされた近隣住民が昨年(2008年)1月、同市に相談。
市や県の職員が島袋容疑者宅を訪れて指導した際、
犬に予防注射していなかったことが判明。
県警名護署が同10月、狂犬病予防法違反などの疑いで同容疑者を書類送検した。」
これは、本人もその通り話し、
「逮捕され、地検で起訴されたが、それっきり何ごともなく終わった」
と言われていた。
このネット記事についての読者のコメントは、
「身勝手なヤツだ」
とか
「そういうヤツ、いるんだよな」
という酷評ばかり。
彼は、現在は約70頭の犬を飼っているという。
現在は、もちろん名護市に犬を全頭登録し、
メス犬には1頭5万円で30頭、避妊手術を受けさせた、という。
その約70頭の犬は、捨て犬ばかり。
犬の保護のNPOや、近所の人が連れてくる捨て犬だけでなく、
動物愛護センターからも、仔犬譲渡会で余った犬の引取りについても
問い合わせがあるらしい。
個人では犬を飼育するというと、狂犬病の予防注射だけでなく、
日々の食事や散歩、糞の始末、病気になれば動物病院…、など
時間もお金もけっこう大変。
与那原町の新垣義雄先生も、MAX50頭を飼っていた時は、
エサの確保に、豆腐屋さんや弁当屋さん、コンビニなど、
朝から夕方まで駆けずり回って大変だったのを知っている。
島袋順栄さんは逮捕時の6年前に50歳だから、現在は56歳。
昔の逮捕歴があることで、
動物愛護団体からのペットフード寄付などは無いらしく、
近所のコンビニや飲食店などが余った弁当や食材などをくれるのだという。
島袋さんは、犬のうんちく雑学を延々と話し、博識だけど、
彼の犬に対する愛情が切々と感じられた。
彼が多数の犬を飼い、登録をせず狂犬病の予防注射を免れていたことや
近所への悪臭、吠える声など落ち度はあったにせよ、
「捨て犬を見過ごせない」
という思いで犬を引き取る、というのはふつうでは考えられないこと。
ちなみに、彼は市内の2千坪以上の地主。
だから犬を飼う土地がある。
でも広大な土地があったにしても、
多くの犬を飼うと、その世話だけで1日が終わってしまうはず。
散歩だって、小頭数ずつ分けて行ったら大変だよね。
「逮捕」と聞くと、ふつうは「悪い人」と決めつけるけど、
島袋さんと偶然初めてお会いして、私は「立派な人だな」と感心した。
「今、3頭の散歩中で、近くにつないであるから、ちょっと連れてくるよ」
と言われ、
本当に3頭を連れて来たのだけど、
私が危惧した通り、RIN(凛)君が大激怒で大暴れ。
犬は町で飼うと、周りが犬に対して理解する人ばかりではないし、
犬を取り巻く法律も多々あり、飼い主の管理責任なども含めて、けっこう大変。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい 」
夏目漱石の「草枕」の冒頭の言葉。
現代訳すると、
「正義感を振りかざし、理屈を先行させて動いていると、人と衝突する。
逆に人の気持ちを考えすぎて、人に情けをかけていると、
自分の考えが相手に伝わらず、相手に対して折れてばかりになる。
かといって、自分の意地を通そうとすると、トラブルが絶えずストレスが増えるし、
この世は生きにくく、ままならないものだ。」
文化や技術は発展しても、人の生き方自体は昔と何ら変わっていないんだね。
そういうストレス社会の人間生活に犬が組み込まれ、
犬は飼い主を裏切らず、飼い主は犬にかけた愛情分だけ癒しを受け取る。
飼主と犬が支え合って「人」という字を形成するように、
犬も家族として受け入れてあげる必要があるはず。
「RIN(凛)君は野山を駆けずり回れる過疎で暮らして幸せだよね~」
とRIN(凛)君に話しても、ヤツは首をひねるだけ…。