コーヒーの木は、基本的には肥料は要らず、
放任で10m近くまで大きくなる高木で、
収穫しやすいように栽培管理的に
手を伸ばして届く高さ(約2m)に
ピンチ(中心の芽を摘む「摘芯」)しています。

そのためコーヒーの木は、
ピンチさえすれば高さは自由に設定出来るのです。

肥沃な、水はけの良い土壌であれば、
高品質なコーヒー豆が取れるはずですが、
問題なのはコーヒーの木の寿命が割合長いことです。

しかも、
コーヒーだけを同じ場所で数百年も繰り返して植えていると、
どうなるでしょうか

“連作障害(れんさくしょうがい)”といって、
特定の土壌成分が不足することで
次第に生育不良となっていく現象になります。

コーヒーの歴史が古いアフリカや
中南米のコーヒー農場で発生する病害虫が、
沖縄で発生していないのは、
沖縄のコーヒーが、
まだ始まったばかりだというように思われます。

沖縄のコーヒー栽培ではまだ“連作障害”がないからですね。

私が理想とする農耕のありかたは、
中世ヨーロッパ農業の“三圃式”
あるいは“四圃式”という農耕方式で、
・家畜(牛、ヤギ、うさぎ、鶏など)を放牧し、
 雑草を食べさせ家畜ふん堆肥で地力を増す
・農作物の栽培
・休耕地として寝かせる
などといった耕区を分けて、
毎年順繰りに移動していく農耕方式に憧れているのですが、
コーヒーは1年草作物ではありませんから、
コーヒーが実を付けて木がヘトヘトになった頃合に、
必要な量だけ、必要な有機成分を補充(追肥)していく、
という考え方が
コーヒーの“品質”を高めるに当たって
必要条件になるものと考えています。

要は、
「栽培管理の徹底」という基本的で当たり前のことが
求められているのです。

ブラジル、コロンビア、ジャマイカ、インドネシア、
エチオピアなどコーヒーの名生産地は、
私が調べた範囲内では、
相当数の農場が化学肥料と農薬を使用していました。

コーヒーの栽培中に使われている農薬は、
・除草剤
・殺鼠剤
・殺虫剤
で、
大規模な空中散布が行われている国や
無料で農薬を配布している国もあり、
安易に使用されているのが現実なのです。

これはコーヒーだけでなく、バナナでも同様でした。

「有機栽培」表示ではない農作物は、
“除草剤+農薬”栽培だと思っていた方が良いでしょう。

「有機栽培」表示は、
それはそれでまた問題点があるのですが、
それは後日書く予定でいます。

消費者は、
とかく最終的な“味”や“形”で判断しがちですが、
特に口から入る農作物については、
・どうやって加工されたのか
・どうやって栽培されたのか
・添加物の有無は
・いつ作られたのか
などを“吟味”する「真贋の目」を養ってほしいと思います。

ショッピングセンターのコーヒー豆販売店を見るたびに、
「いつ焙煎したんだろう」
と見入ってしまいます。

店員の方は商品知識も乏しく、
「2割引」での“得”を力説するのが精一杯のようでは、
とても“買う勇気”が出ないのです。

沖縄移住 コーヒー栽培 ブルーボトルコーヒー
【コーヒーの木】