霊の存在を信じている人はいまだにたくさんいます。
古くから沖縄に存在する民間のシャーマン、ユタも霊や魂に働きかけることでクライアントの症状を改善します。
ユタはずっと弾圧されてきました。
迷信だと言われ、ときには処刑されることもあったほどです。
厳しい弾圧にも関わらず、数百年も残って来たのは、彼女ら(最近は男性のユタもいます)がクライアントの症状を実際に改善してきた実績があったからでしょう。
ただ、クライアントの症状が改善するからと言って、霊や魂が実際に存在している、というわけではありません。
情報が物理を書き換える、というのが気功のカラクリですから、情報空間の存在である霊もまた、物理空間に影響を与えます。
霊は実際には存在していないが、情報空間には存在しています。
したがって情報空間の霊に介入することで、物理空間の身体の症状も改善できるのです。
それについては前回書いたので参考にしてください。
cf. 霊も守護神も存在しないけど存在する。そしてそれがヒーリングのすべて
今回は、なぜ霊を見てしまうのか?
そのカラクリに迫っていきたいと思います。
霊が見えてしまうのは、主に以下のパターンがあります。
①脳の疾患
②かなしばりにあったとき(睡眠麻痺)
③情報空間の出来事を物理空間に置き換えてしまう(幻視、幻聴など)とき
ちなみに、③には感受性があり、場合によってはコントロールが可能。ユタは生まれながらの気質や訓練によって、③の能力を獲得し、かつコンロトールすることでクライアントに対して施術を行っている、と言うのが僕の仮説です。
①脳の疾患
人間の側頭葉は、他者の存在を感じる部位であることが神経科学者の様々な実験によって分かっています。
そのため、側頭葉に損傷があると様々な霊的体験をします。
以下は事故によって側頭葉を損傷し、その後、神秘体験をするようになった男の話です。
ロバートは47歳のとき、小型トラックに乗っていたところを、セダンに横から突っ込まれるという事故に遭っている。その衝撃でトラックから投げ出されたロバートは、道筋に頭から転落した。(出典:人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?)
この事故で側頭葉を損傷したロバートはその後発作を起こすようになります。痙攣も伴う激しい発作ですが、ロバート本人はこの際に神秘体験をしていると説明をしています。
どこまでも広がる天国の”美しい光”が左側から差す。穏やかで安らかな気持ちになり、「悪いことは起こらない」と分かっている。(中略)
突然、炎のやりが胸に突き刺さる。だが驚くことに痛みはなく、「無条件の愛」だけを感じる。(出典:人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?)
「このような経験から、神は私を愛していることを確信した」とロバートは語ったそうです。
側頭葉てんかんの患者の1~4%が、これに似たような幻覚や宗教的な出来事を経験するそうです。
神経学ではこの現象のことを「ハイパーリリジアシティー」と呼んでいます。
また、側頭葉を電気パルスで刺激した際に、いわゆる心霊体験をしたという女性の記録もあります。
研究者はアリソンの左側側頭葉に電気パルスを送った。側頭頭頂接合部に電気パルスを受けた直後、アリソンは奇妙な体験をした。それまでいなかったはずの”誰か”が部屋にいるような気がしたのだ。彼女はその存在を「影」と表現した。
(中略)
再び側頭頭頂接合部に電気パルスを送ると、アリソンは身震いした。今度は影が隣に座っていて、彼女の腕をつかんでいるという。(出典:人はなぜ宇宙人に誘拐されるのか?)
アリソンは霊も神も信じていない女性だったそうです。
このように、側頭葉に損傷があったり、電気刺激を与えると、不思議な体験が起こるのです。
このカラクリは、空白や矛盾を嫌う脳の性質によります。(この性質は②、③でも重要です)
側頭葉は他者の存在を感じる脳の部位なので、
そこを電気パルスで刺激をすると、脳は誰かがそこにいる!と感じてしまうわけです。
しかし、実際には誰もいない。
この矛盾を感じる状況が生じたときに、脳は今ある情報で勝手にストーリーを作り上げ、それが知覚をもゆがめてしまうのです。
(前回のエントリーでも書きましたが、我々は今あるものを純粋に見ているわけではありません。視野のほとんどは記憶によって、言い換えれば脳の作用によって補われています。なので脳の働きで変なものが視野に写ることもざらにあるわけです)
アリソンの実験の場合は、「不思議な影がいる」というストーリーおよび知覚を脳は作り上げたのでした。
仮にアリソンが熱心なキリスト教支持者であれば、作り上げられたストーリーは「影」ではなく、「神」だった可能性もあります。
いずれにしても、側頭葉に損傷があったり刺激を加えたりすると、神秘体験や心霊体験が起きてしまう、ということです。
②金縛りにあったとき(睡眠麻痺)
みなさんは金縛りにあったことはありますか?
僕も何回かあります。
後述しますが、金縛りにあっているときは、心霊体験がもっとも起こりやすいタイミングです。
僕もそのことを知っているので金縛りにあったら、なんとか頑張って体を起こします(笑)
それでも、ちょっと人影っぽいものを見て、恐怖に慄いた経験もあります(起きた後に見たらただのカーテンでした)。
金縛りにあったときに、幽霊を見やすいのは
①周囲が暗い
②頭は起きているのに体が動かないという矛盾
このセットが原因です。
先述したように、脳は矛盾した状況に陥ったら手元にある素材で勝手にストーリーを作り上げてしまう、という困った性質があります。
金縛りにあったとき(単なる生理現象なので誰にでも起き得ます)は、目は覚めているのに体は動かないという矛盾を感じる状況です。
このときにテレビやらなにやらで心霊現象について洗脳されている我々の脳が考えるストーリーは、「霊的な存在がいるために、我々は金縛りにあっているのだ」というものです。
さらに周囲が暗いため、いくらでも視覚がゆがみます。
僕みたいにただのカーテンが人に見えてくることもありますし、何もないところに勝手に人型の何かを作り上げることも容易でしょう。
こうして金縛りにあったときは、心霊現象に出会いやすいのです。
③情報空間への臨場感が強すぎる
また、情報空間への臨場感が高すぎる人も、心霊現象に会いやすい傾向にあります。
語弊はある言い方かもしれないですが、起きながらに一部、「夢」を見ているような状況です。
「夢」って現実かどうか、見ているうちは分からないですよね。
このように夢を見ている状態が、情報空間への臨場感が高い状態です。
それが目が覚めているときにも、起きるとそこにはいないものが見えてしまうわけです。
もちろん、心霊現象が「単なる夢や妄想」だとは思っていません。
霊が見える、と言う人は、何かしらのその場の情報を「霊」として視覚に変換して見ているのだと個人的には思っています。
情報空間への臨場感の高い人が、そのような何か情報がある場に居合わせたときに、それを心霊現象として捉えている、ということです。
ユタの場合は、クライアントの抱えている感情や症状(情報)を例えば「霊」という形で見て、その上で、霊への介入を行い、施術を行っているのだと思います。
情報が物理を書き換えるのですから。
(だからこそ、霊ではなくて、くまのプーさんでもいいと思うのですが、おそらく、人間の視覚自体が人の顔を認識する能力にものすごく長けていること(なんでも人の顔に見えてくる)から、人を模したもの=霊として現れるケースがほとんどなのだと思います。仮に人間の脳がクマの顔を認識する能力が高かったら、おそらくクマがイメージとして使われていたでしょう、笑)
生まれながらに、情報空間への臨場感が高いユタさんもいれば、それを訓練によって洗練させていくユタさんもいるのだと思います。
上記のように、現在観測されている心霊現象や神秘体験の多くは、科学的に検証され、説明がされているものがほとんどと言います。
しかし、だからと言って、心霊現象は単なる幻想だと片づけるのは間違っています。
(霊が存在すると声高に叫ぶのも違いますが)
確かに霊は物理空間には存在していません。
しかし、情報空間には存在します。
そしてそれがヒーリングのすべてです。
情報は物理を包摂します。
情報が変われば物理も変わります。
このパラダイムに移れた時に、人生のとらえ方もひとつ変わるのではないのでしょうか。