
どうしても生きてる (幻冬舎文庫)
Amazon(アマゾン)
743円
朝井リョウ「どうしても生きてる」
短編集で、胸に熱があってもままならないままそれは空虚さに変わったり、何があっても何にもなれなくても、とにかく現実を歩まないといけない姿勢だったり、男女の色んな意味でのすれ違いだったり。
すごく分かるー
そして分かるから苦しい。
どの短編も
「結局そんなんでも現実を生きていくしかない」
という話。
最後の短編もその流れだったけど、だけど終わりにはすごい力強さがあった。
「けどこの現実を生きていくしかないんだ」
っていう。
外れ籤がいつしかプラスに転換していた、という話。
人生はどれだけ苦しんでも暗転してくれない。
けど、明転がある。
そういう終わりで本当に良かった。
最近読んだ本の話をかけていないんだけど。
ここ1,2週間の読了本を並べるとー
澤村伊智「ずうのめ人形」
ホラーミステリ。
これは読了直後に図を描いてみた。

澤村伊智さんの本は2冊目。
1冊目同様、自分が見る私、他人が見る私。
そこの不一致が浮き上がる話。
ちょっと、、登場人物の偶然の繋がり的なのが多くて、どんな狭い世界の話なんだ??感はあるけど、そういう設定よりも、人の心が抱える闇、表面・裏面、、多面性が面白かった。
これもミステリに入るかな。
ある作家の死を、同じく作家や編集者の女たちが紐解いていく話。
物を書く女たちの観察眼。
柔らかさの中にある芯の強さ、冷静さとしたたかさ。
どんな時でも「まずは食べましょうか、料理がさめないうちに」と、現実を生きることは揺るがないこと、その切り替えの早さ。
そういうのがとても良かった。
まず、人の能力は遺伝が半分以上、次に環境。
本人の努力の影響は1割程度、、
だったかな。
数値的なことは明確に覚えていないけど。
それはよく聞く話で。
よく人間、一皮剥けば同じ、みたいに言われたりもするけど、指紋が一人一人違うように、脳のシワというか神経回路なんかは指紋よりもっともっと複雑怪奇に全員違う、と私は前から思ってます。
本書で書かれているのは、学んだ結果の話というより、ヒトはなぜ学ぶのか、というタイトル通りのことなんだけど。
学ぶヒトがいるということは、教えるヒトがいるということで。
1歳、2歳くらいの赤ちゃんにも、大人が知らないことを「教える」仕草があるんだって。
ほかの人が隠していった何かの在処を教えたり。
ヒトって「教わる」期間がものすごく長くて、そこでは学習の内容もだけど、「教える」「教わる」っていう関係性も学んでいて。
人と人との繋がりや、受け取ったものを次へ繋いでいくとか。
それが種としてのヒトを共同体たらしめ、存続させていくー
というような内容でした。
(ものすごくかいつまんで話すと)
身も蓋もないこというと、どれだけ学んでも、どこまで伸びるかは概ね遺伝で決まっていて、でもなぜ学ぶのか?
ということ。
数値化出来るような結果のためだけではない、と。
むしろそれ以外の要素が重要、みたいな感じでした。
・・・これ一ヶ月限定の読み放題で読んでて、けっこう急いで読んで、かつ読んだあと記録取ってなくてなので、ちょっと上に書いた内容も自信ないのですが![]()
などなど書いている間、私はヘアカラートリートメントやってまして!
これ落としたら片付けするぞするぞするぞ。