ここにいると、眠りがとても深い気がする。
日が暮れて、真っ暗な闇が訪れて、
風が吹いて、湿気のベールがふわっと降りてくると
引き込まれるように眠くなる。
ベッドの上においてあった不思議な模様の
不思議な作りの、たぶん寝間着(?)に着替えて
薄っぺらな布団をかぶる。
次の瞬間には、意識がない。
よくうなされる、例の種類の悪夢もみない。
そして、朝。
目覚めて窓の外を見ると、雲海。
遠くの山が、青く光っている。
瑞々しい空気に満ちていて、深呼吸をするだけで
幸せな気分になれる。
空は真っ青。
キナバル山は威厳に満ちていて、
雲も恭しく見えてしまう。

ここでは、山と空を観る以外には
さほどすることもない。
そんな人に会った事はないけれど、
もしかしたら、仙人の生活を
ちょっと体験させてもらっているような気にすらなってくる。
空は、いつまで観ていても飽きる事がない。
これまでのどんな生活よりも、空に近い場所にいる。