さて、カニ将軍1stアルバム "Wecome 2 da crab" から、もう8曲目の紹介です。

 

 

さて、みなさんは何座生まれでしょうか?

カニ将軍は当然、蟹座生まれです。

 

その蟹座、なぜ黄道十二宮のひとつに選定されたかご存じでしょうか。

他の星座は割と立派なエピソードを持ってるやつばっかりなのですが

蟹座は…あんまりかっこよくありません涙

 

ギリシャ神話のワンシーン。

かの有名なヘラクレスによるヒュドラ退治の場面。

 

英雄ヘラクレスの左足の足下に注目。

この、無残に踏み潰されたカニさん。

 

他にもロブスターとか魚とかもいっぱいいます。

「カルキノス」と称されることの多いこのカニさんですが、「カルキノス」とは大きな蟹を意味する名詞であって、この蟹さんの名前が「カルキノス」ということではないらしいです。

(が、曲目では多くの方々にご理解しやすいように便宜上「勇者カルキノス」としています)

 

レルネーの泉に棲む蟹や魚、エビたちは、同じく泉に棲む仲間であるヒュドラさんがいきなりやってきたヘラクレスなる大男に襲われていたので、思わず助けに入ったんだそうです。それがあっと言い間に惨殺される結果に…泣

 

しかも、英雄ヘラクレスさん、闘いの途中で蟹をつぶしちゃったことなんか気づいてもいなかったとか…泣

 

殺害したライオンの皮を剥いでかぶっていたことで有名ですヘラクレスさん。

このヘラクレスさん。

ゼウスが女性(人間~ミケーネ王の血を引く娘アルクメネさん)に一目惚れして、彼氏(婚約者)不在の間に、その彼氏に変装して近寄って孕ませた結果に生まれた半神半人。

 

ゼウス↓

 

ヘラクレスを産むアルクメネ

 

さあ、ここで怒ったのは

ゼウスの妻ヘラ。

 

憎き浮気相手の子であるヘラクレスを憎んで、いろいろ嫌がらせ~ついにヘラクレスに「狂気」を吹き込んだがために

ヘラクレスはそのおかげで気がふれて、自身の子を含む3人の子供を焼き殺す所業に…

 

我に返ったヘラクレス。

「どうしたらいいのでしょう」

光明の神アポロンに尋ねると、ミケーネ王エウリュステウスの指示に従え、と。

こうしてヘラクレスはエウリュステウスが師事した10のミッションを遂行することになったそうです。

 

この中の二つ目のミッションが「レルネー泉のヒュドラ退治」なのです。

ヒュドラは最強の猛毒を持った水蛇。

一説によれば、ヘラクレスを好まぬヘラが密かに育てていたとも言われますが、少なくともこの時点では

ヒュドラちゃんはヘラクレスに何も害を与えてないし、ものの本によってはヒュドラが近隣住民にとって迷惑だったなんてことが書いてあったり(映画で表現されたり)してますが、そりゃ蛇は肉食なんだから、生きるために近隣の生物を捕食することはあるでしょう。

 

正直、ヘラクレス側が侵略を正当化している、としか思えない内容ですよね。

「大量破壊兵器を持っているからあいつはならず者だ、こちらを攻めてくるに違いない、先制攻撃で滅ぼせ!」というのと

「強い毒を盛っているからあいつは危険だ、こっちを攻撃するために買われてるに違いない、殺せ!」

と、同じことですよね。


そもそも、ヘラクレス自身がやらかした悪事の償いのために、なんで直接関係のない

レルネーの泉の平穏な住人たちが惨殺されなきゃいけなかったのか

🤷🏻‍♂️

どっかの独裁者とまるで同じじゃないの怒

 

かくして突如としてレルネーの泉に現れた刺客ヘラクレスは、ヒュドラに襲いかかります。しかもタイマンじゃなくて手下(イオラオス)も加勢して焼き殺そうとしてくる、と。

 

そんな奇襲、ありかよ~~

と。

レルネーの泉で平和に暮らしていた仲間たちにとってはいい迷惑。

 

こちらの土地にいきなりやってきて身勝手な正義を振りかざして殺戮行為かよ!

怒った義勇兵の一人、名も無き蟹。

非力ながら、足を挟もうと頑張ってます。

そりゃ勝てるとは思ってないでしょう。

でも、仲間のために勇敢に立ち向かったんです。

逃亡や降伏は選択肢になかったカルキノス。

 

 

ええ、勝ったのはヘラクレス。

九つの首を全部斬首されて殺害されたヒュドラは、天空にあげられ「うみへび座」に。

同時に、その勇気をたたえられ名も無き蟹は天空に輝く「かに座」になりました、とさ。

 

ちなみに、ヘラクレスの名前。

ヘラ+クレス(古代ギリシャ語で栄光の意)

つまりヘラの栄光、が語源とか。

しかし生まれてすぐ付けられた名前はアルケイデス。

母アルクメネに由来するものと思われます。

狂気の事件を起こして、その後ヘラクレスに名前が変わっているそうで。

ヘラがそうしたのか、あるいはヘラに忖度して改名したのか、その辺の詳細は僕ではわかりませんが

まあ、不貞の結末ってのは苛烈なものですね…

 

ともあれ、歴史は勝者が紡ぐもの。

ヘラクレスは人間界においてギリシャ神話いちの人気を誇るスーパーヒーローに成り上がりました。

 

そしてヒュドラは悪の象徴。

 

そしてカニは…すっかり忘れ去られています。

 

 

しかし、かに座の中央にはプレセペ星団と呼ばれる恒星の集まりが見られます。

地球を離れること580光年、我々の太陽よりも40億年近くも若い星の集団です。

カルキノスは悲しくもあっけない生涯を閉じましたが

まるでカニがその腹に新たな命を無数に抱えているように

天空のカルキノスは、これからの宇宙を輝かせる、文字通り期待の星を孕んでいる、なんて

ちょっとしたロマンですよね。

 

前置きが猛烈に長くなりました。

 

そんな神話に着想を得た新曲です

「勇者カルキノス~Karkinos the brave」

 

 

 

さあ、みなさんが住んでいる地域に
突如話し合いも通じないヤバい敵が殺戮目的でやってきたとき、あなたならどうしますか?
「話せば解る!」と説得しますか?

一目散に逃げ出しますか?

敵わぬと知りつつ闘いますか?

 

そんな話、あるわけないじゃん。

 

そんな現実に直面している国や地域、今でもあります。

世界が平和になりますように…

 

 

アディオス、アミーゴ!

(^-^)