先日来、競馬界では快挙となる白毛馬の初クラシック戴冠(桜花賞)に沸いておりまして、また最近人気のゲームアプリ「ウマ娘」で大人気のゴールドシップも本来葦毛馬ですが(葦毛史上G1最多勝!)歳を重ね白馬として扱われることが多い様子。


まさに世の中は白毛馬ブーム!

 

  

いや、今に始まったことじゃあない。

 

ペガサスやユニコーン、黙示録のペイルライダーはもとより、ゴータマシッダルタの愛馬カンタカや、イスラム教でムハンマドを天国へと運んだアル・ブラークも、そして伊勢神宮の神馬も、白馬なのです。

 

 

 

そしてもう一頭。

 

「ハイヨーシルバー!」でお馴染み、シルバー号。

1933年にミシガン州のローカル局WXYTで始まったラジオドラマ「ローンレンジャー」で主人公が乗る馬、シルバー号です。

 

ブライアント峡谷での虐殺ののち、ジョン・リードがワイルドホースキャニオン(ユタ州に実在する観光名所『リトルワイルドホース』と同じ場所かは不明)で出会った、やたら賢くてやたら速い馬。

太陽光に照らされて白い毛がきらきら光っていたことから「シルバー」と名付けられました。

 

その「シルバー号」が大活躍する西部劇(というか19世紀アメリカ西部を舞台にしたヒーローアクションストーリー)

「ローン・レンジャー」の1981年の映画

その音楽をカバーしました。

作曲は何とジョン・バリー(ラジオ時代からの定番「ウィリアム・テル序曲」はジョアキーノ・ロッシーニ)。

いろいろ頑張って演奏しましたので是非お聴きください!

 

オリジナルはこんな感じです。

主題曲 "The man in the mask"

 

 

 

すごーく、ジョン・バリー節に溢れてて魅力的なサントラです!

彼の手掛けた作品の中では断トツに有名な007シリーズの「オクトパシー」の「オールタイムハイ」や「サンダーボール作戦」の「007」に似たメロディ、構成にニヤリ、と。

 

そして音楽ジョン・バリー、監督ウィリアム・A・フレイカーというチームは、少し前にカバーした「モンテ・ウォルシュ」と同じだったりします。

 

 

さて映画について。

 

「ローン・レンジャー」は、20世紀を代表するアメリカのヒーロー物語に成長しました。西部劇であり勧善懲悪。

ラジオはなんと1960年代まで、3,000話近くが放送。その後もTVシリーズ、コミック、アニメ、映画化、玩具、ゲームなどなど無数のメディアを巻き込んでの大ヒット。

今でこそ「アメリカのヒーロー」と言ったらアベンジャーズかバットマンかスーパーマンか…でしょう。しかし間違いなく「ローンレンジャー」がその座にいた時代がありました。

 

 

 

 

 

 

 

この人気っぷり、ご理解いただけますでしょうか。

 

ざっくりあらすじは

極悪無法者バーソロミュー "ブッチ" キャベンディッシュの罠で全滅したテキサスレンジャー部隊だったが、若き隊員ジョン・リードは先住民トントによって命を救われた。ジョンは素性を隠すため兄の服の一部を破って作ったマスクを被り、トントそして愛馬シルバー号とともに、キャベンディッシュ一味に立ち向かう!

てな感じ。

 

ラジオやTVシリーズでは、そのほか幾多のヴィランが登場してストーリーが色々展開するようです(グリーンホーネットはジョン・リードの甥っ子ダン・リードの息子です)。

 

映画化はこれまでに4度。

1956「西部の王者ローンレンジャー」

 

1958「ローンレンジャー失われた黄金郷」

この2作はTVシリーズの映画化作品。
 

 

1981「The Legend of Lone ranger」

 

2013「The Lone Ranger」

この2作は、ローンレンジャーの誕生とキャベンディッシュへのリベンジを描いた単発ものです。

(続編の計画があったけどポシャったのかも知れない…)

 

 

そして興味深いことに

1981年版、2013年版ともに低評価、興収惨敗(トホホ)。

ラジー賞5部門受賞ってとこまで一緒(トホホ)。

 

なぜかつての超人気キャラクターがここまで辛酸を舐める結果になったのか…

色んな方々が色々分析してますが、流行りものってのはホント解らないことだらけですな~

 

個人的には81年版も2013年版も大好きです。

 

今回カバーの題材にさせていただいた1981年版、主演のクリントン・シピルベリーさんは残念ながら、その後俳優活動を辞めてしまったそうです。

ヨーロッパでモデル活動をしていたとか。

 

トント役のマイケル・ホースさんは実際にネイティブアメリカン(ヤキ族)で、映画TV問わず今でも活躍中のご様子。

2013年の「ローンレンジャー」公開に際しては、独特すぎる「新トント」に倣って頭に鳥を乗せた写真をアップするなど…

 

そして宿敵ブッチ・キャベンディッシュ少佐は「バックトゥザフューチャー」のドク役でお馴染み、クリストファーロイド氏。

サディスティックで聡明なキレ者を個性的に演出してます。

南北戦争時代の不遇がダークサイド堕ちの要因。

 

その要因を作ったのが元上司である、ユリシーズ・グラント大統領。演ずるは盟友ジェイソン・ロバーズ。

重厚感ある演技で映画を引き締めます。

(と言ってもラストはやんちゃっぷりを発揮しますが)

 

もちろんグラント大統領は実在の人物。

けっこう似せてます。

 

ついでに実在のガンマンたち~"ワイルド" ビル・ヒコック、"バッファロー" ビル・コーディ、G.A.カスター将軍も出てきます。

ワイワイとポーカーに興じる間に大統領を誘拐される間抜けっぷりですが、ラストではさすがの大活躍を見せてくれます。

 

そしてモンテ・ウォルシュにも出演したマット・クラークさんはヘタレ保安官役で出演。その名もワイアット保安官(笑)

 

友情、努力、そして勝利、と。

まるで週刊ジャンプのような誰もが楽しめる、誰もがアツくなれるアクションドラマがここにあります。

ウィリアム・テル序曲の血沸き肉躍るビートにのって、さああなたも悪党退治のロングライドに出かけようじゃありませんか!

 

日本版のDVDもリリースされております。真のキモサベに未だ出会っていないあなたも、ぜひご鑑賞してみてはいかがでしょう。

 

将来はぜったい乗馬にチャレンジするぞ!と心に誓った2021年の春でした。ハイヨー!

 

 

アディオス、アミーゴ!

(^-^)