またまた「マカロニ・メキシカン」
メキシコ革命ものです~。
「豹/ジャガー」
なんとも独特な邦題ですが…最もマカロニウエスタンを体現した監督(と、勝手に思ってます)
セルジオ・コルブッチ師の1968年の作品 "Il Mercenario "
(英語圏では "The Mercenary"もしくは "A Proffesional Gun")
エンニオ・モリコーネ師による劇中曲をカバーしました!
(今回は長いので2パートに分けました^^;)
まずは1曲め…
映画終盤で流れる "Il Mercenario-reprise" の後半部分の、いかにもマカロニウエスタン風な
ややハードボイルドな印象の一節を、渋めのバラードで。
続いて、メキシコ革命の混乱と喧騒を現しているようなオープニングテーマを、16ビートのロック風に。
折り重なるような管楽器の響きを弦楽器で再現してみました。
主人公二人、パコとコワルスキーそして凶悪な殺し屋カーリーの出会い。
そして革命の渦中で三人が絡み合い戦い合ってもつれ合う・・・
それにしても、フランコ・ネロには機関銃をぶっ放す姿がよく似合う(^-^)
2曲めは「豹/ジャガーのテーマ」としても有名な "L'Arena"
口笛を(僕は吹けない…)スライドギター(と言ってもピッコロベース)に置き換えて
闘牛場での手に汗握る決闘からエンディングまでを追いました。
こちらは比較的モダンなR&B風のビートに乗せて。
2曲とも、カバーするのはなかなか難しい題材ではありましたが
(モリコーネ師の曲はどれもヒネリが効いてて大変…汗)
自分なりに頑張ってみました!
鬼才、奇才コルブッチ監督のメキシコ革命三部作の第一作を飾る「豹 / ジャガー」
1910年に始まったメキシコ革命
倒し倒され裏切り裏切られ、の泥沼が10年続き
アメリカやフランスなどの思惑も絡み
混乱を重ねる中、新兵器も導入され100万人以上が犠牲となった内戦は
数多くの憎しみと悲しみを生んだことでしょう。
無学でお人好し、素直な若者、通称パコは、しがない坑夫。
感情の赴くまま使用人に刃向かい処刑される寸前で仲間に救出され
そのまま革命の志士たちの仲間入り。
行動力あふれる彼は、いつしか革命軍という名のギャング団のリーダー格に。
「革命ってのは…上を殺してカネを奪う。かな」
彼(彼ら)にとって革命とは、政治や理念じゃなく
タフに生き延びることそのものだ、と。
「だって家族はみんな死んじまったんだ。俺にとって革命は『死なないこと』だ」
そんな革命のさなか、遠く離れたポーランドからやってきた一見紳士風。
セルゲイ・コワルスキー。通称ポラックは傭兵にして、がめつい武器商人。
ところが肝心の商売相手は、パコたち革命団(強盗団)の餌食になっていた…
カネをもらいそこねたポラック、取り囲むパコたち。
一触即発。
しかし突如政府軍の襲撃。
カネを払うから助けろというパコ。それなら、と機関銃を組み立てて法外な報酬を要求するポラック。
もちろん背に腹は変えられず、二人は共闘する結果に。
二人はその後も、弱小革命団のリーダー(パコ)と
カネで雇われた強盗指南役(ポラック)として、あちこちでギャング三昧。
かと言って、決して仲が良いわけではない…
とにかく正確の悪いポラックに翻弄されまくりのパコと革命団。
ギャング団にあってアイドル的な存在のコルンバさん(マカロニウエスタン屈指の美女)も
ポラックを相当嫌ってる様子。
革命軍の宿敵は政府軍、そして政府軍が雇った凄腕の殺し屋カーリー。
冷酷無比、仕事が出来すぎる男。
(妙なパーマのヘアスタイルが通称カーリーの由来とか…)
小さな所帯だけれど、ポラックの機転で快進撃だった革命団も
やがて内部の不信感~仲違いと
政府軍の圧倒的物量の前に苦戦を強いられ…
(自動車や複葉機、各種銃器とか、20世紀初頭の新兵器がどんどん出てきて面白い)
命からがら逃げ出した革命軍は離散…
パコら残党は弱小サーカス団を装って政府軍の目をくらまして生きる日々。
闘牛場で、いつものピエロとして観衆に笑われて…
しかし、そんなピエロをじっと見据える二人の観客。
ポラックとカーリー。
エンニオ・モリコーネ師の素敵な音楽 "L'Arena" が流れる中
西部劇史上でも屈指の決闘シーンへ…
宿敵を倒したものの、やはり時代の流れに押されるように
パコとポラックは敵の手に落ち、処刑される羽目に…
だが革命魂は死なず、またまた命からがら逃げ出す二人。
パコの危機をポラックが救うが、もう革命の手伝いなってやってられねえよ、と。
それなら今までの料金を精算しなきゃな、と有り金を渡すパコ。
そして二人は袂を分かつ。
笑顔で手を振るパコ。
それに答えるポラックが云う。
「いつまでも夢を見続けろ、ただし目を開けて」
決してハッピーエンドじゃないし、ベタな友情物語でもない。
救いがないし男気にあふれてもいないのに
なんだか清々しい。
コルブッチ監督のマジックでしょうか。
ファンタジックなストーリーに見せかけておいて
実はガッチリとリアリズムに根を張ってる。
のちの「ガンマン大連合」は、本作のセルフリメイクと呼ばれるくらい似通ったプロットですが
なにか根本から違う肌触り。
どこまでもクールでニヒルで現実的。
充分にエンターテイメントでありながら、どこかに物憂げな影を落としてる。
前述のダミアーノ・ダミアーニ監督作品「群盗荒野を裂く」が
あくまで社会的な目線から、メキシコ革命とその渦中の人々を描いたとするならば
「豹 / ジャガー」は
革命という社会のウネリの中にあって
無邪気であるがゆえに、実は悲惨で残酷な「人間という存在」の本質を描いているのかな、なんて。
登場キャラそれぞれが、理想や野望を抱え上手に立ち回っているように見えて
やっぱり無邪気で本能的で。
スカッとしないのが、人生ってもんじゃないの?
と言ってるようにも感じられるのは
コルブッチ監督の次作が「殺しが静かにやって来る」だからでしょうか…
追記
なんとも不思議なタイトル「豹 / ジャガー」ですが
豹とジャガーはまったく別の動物です。
大きさも住む地域も、模様も違う。
つまり「モモンガ / ムササビ」みたいな感じですね。
「柴犬 / チワワ」でもいいかも。
アディオス、アミーゴ!
(^-^)









