今回のカバー曲は1968年のハリウッドウエスタン「奴らを高く吊るせ」

 

"Hang 'Em High" のメインテーマ

(作曲:ドミニク・フロンティア)

 

鍵盤ハーモニカとスラップベースを軸に

ピッコロベースで味付け、といった感じにしてみましたニコニコ

 

オリジナルはこちら。

 

「主題歌」という感じではなく、劇中幾度か様相を変えて流れ

全体としてメロディを印象付けるスタイルです。

曲そのものは、乾ききった大地を思わせ荒涼感がハンパない。

 

メロディ自体はかなり情緒的なはずなのに、抑制が随分効いてる。

この映画、いわゆる「マカロニウエスタン」と違って

音楽でグイグイ盛り上げたりという感じじゃないんですよね

 

そもそも、西部劇なのに銃撃戦がメインじゃなくて

初めて観た時は「なんて地味な映画!」と思ってしまいましたえーん

 

しかし、何度か観るうちにその奥深さに気付きました。

ひらめき電球

 

基本的には復讐劇と云ってよいのでしょうが

単に「やられた、やりかえした」では無いし、決して復讐礼賛ではない。

 

私刑(リンチ)と復讐、法の名の下の処刑、いや法そのもの。

さらに、その法に仕える人々。

 

もっと言えば、人間が他者との関わりのなかで生きてゆくうえで

正義なんてものが存在し得るのか。

憎しみとその連鎖、虚しさ。

法という皮をかぶった無法。

それらが踏みにじってゆく人間の尊厳。いや、そもそも尊厳なんてものが存在するのか?

というところまで。

 

 

もちろん物語の舞台は19世紀後半の開拓時代、大西部。

治安の極端に悪い無法地帯のお話。

でも、映画公開当時は米国内では公民権運動、そして悪夢のようなベトナム戦争

もちろん米ソ対立は激化の一方で

さらに世界各国で内戦が勃発していた頃。

 

いや、今こそ

この映画が語りたかったものを、汲み取るべき時とも言えます。

 

 

クリント御大、脚本を見て気に入って、他の「売れそう」な出演オファーを蹴り

しかも自身も制作サイドに名を連ね(脚本の改編なんかもしたそうな)

作風に大きな影響を与えたそうです。

 

のちの「社会派」クリント・イーストウッドの萌芽がここにあるのかも知れません。

 

 

とにかく地味で暗めのストーリーだけど

クリントさまのかっこよさで持ってってる印象もあったりニヤリ

 

 

余談ですが

出世作「ローハイド」から、大出世作「名無しトリロジー」まで

ずっと彼の手元にあった「ラトルスネーク付きコルト」は

この作品ではもう見られません。

 

イタリア製の複製ではなく、おそらく純正コルトのSAAでしょうね。

 

4.5インチ(俗に言うシビリアン)で豪快で素早いファニングを決める御大。

貫禄のかっこよさですな~

 

いかにも黒色火薬って感じのスモークがまた、たまらん爆  笑

 

デニスホッパーやブルースダーンも出てるこの

「Hang 'Em High」

 

日本でのポスターはかなりのプレミアになっているそうです。

(なぜか流通量が少なかったそうで)

当時の、縦長ポスターかっこいいですな~~

 

北米ではこんな感じ。

ハードボイルドな雰囲気推しですね。

 

海外版のブルーレイはセンスありますね!

(マカロニウエスタンぽい仕上げ)

 

 

この後、さまざまな形で「映画人」クリント・イーストウッドは開花しますが

 

世界的人気を博してからのアメリカ凱旋の直後

自らの映画製作会社を立ち上げ、制作サイドに加わった作品

 

つまり、

現在につながる大きな大きな種子

それがこの「奴らを高く吊るせ」に違いない!

 

破天荒すぎて、かのジョンウェインが激怒した(?)

「荒野のストレンジャー」でウエスタン映画を初監督。

「アウトロー」で人種や差別の問題にも触れ家族の絆について描き

 

ついに、監督および主演としてアカデミー賞の栄誉に輝いた

「許されざる者」は、かつて映画製作の夢を共有した二人の師匠

セルジオ・レオーネとドン・シーゲルに捧げる「最後の西部劇」になりました。

 

 

そうそう

さらに余談ですが

かの、ブッカーT&MG'S がカバーしてたりするんですよ!

ニコニコ

 

 

 

 

やたらB3がかっこよく鳴ってますが

なんでまたこの曲をセレクトしたんでしょうね~びっくり

 

スティーブクロッパーやダックダンは確かに

ウエスタン好きかも知れない風貌してるな…なんてウインク

 

 

 

アディオス!アミーゴス!(^-^)