横溝正史氏の推理小説「金田一耕助シリーズ」のひとつ「八つ墓村」は
1977年、松竹で映画化されました(野村芳太朗監督)
内容は割愛しますが、昭和日本で起きた不可解な連続殺人事件に挑んだ
名探偵・金田一耕助が、岡山の農村に今も息づく奇怪な伝承に立ち向かう。
てなとこでしょうか。
「祟りじゃあ~」の言葉は(ドリフのパロディを介して?)全国的に流行語になったという逸話も。
ひたすら重く、ダークで、今ではR指定間違いなしの残虐シーンも盛り込まれつつ
一部原作とは異なる設定ながら、しっかりと横溝ワールドの闇とヒューマニティが表現された傑作だと思います。
そして音楽は芥川也寸志さま。
今では廃盤のサントラ、僕のひそかな愛聴盤であります。
(中古相場で\2,000~3 000)
僕がエンニオモリコーネと並んで尊敬する作曲家、芥川也寸志だいせんせいの
素晴らしい魅力がいっぱいつまった傑作アルバムです。
機会があれば是非聴いてみてください。
荘厳かつ和メロが美しいメインテーマ(幻怪☆スプラッシュの終演後のSEに使ったことも)
ダークで重く暗鬱な中に力強さが光る「呪われた血の終焉」(氏がかつて作曲した『赤穂浪士』のテーマにも似てる)
ひたすら切なく美しい「青い鬼火の淵」など
名曲がズラリ、なわけですが
今回、カバーしたのは、なんといっても狂気の殺戮シーンに使われた
「惨劇、三十二人殺し」
まあ、ストレートなタイトル^^;
多治見要三(原作では『田治見』ですが映画版では『多治見』なのです)が夜明けの村で
なんともパンクな風俗とともに、狂気の殺戮ショーを展開するという
すさまじい場面に使われた曲です。
今回はファンキーでロックなブレイクビーツを使って、勢い重視にカバーしてみました!
血も凍り吐き気を催すような残虐な画が続くのですが
なぜか、桜吹雪のなかを疾走するマッド要三のスローモーションが
妙に美しく思えてしまう、というまるで白昼夢(しかも悪夢)のような。
ストリングスの激しいビートは、まるでLed Zeppelinの「移民の歌」のように
暴力的に我らの心を鷲掴みにしてしまいます。
オリジナルはこちら。
この、東洋的なマッドネスとバイオレンスは
当時子供だった者たちの世代にはけっこうトラウマになってるケースも^^;
それにしても芥川先生、あっぱれです!
和でマッドでロック、でも単に狂気を撒き散らすだけでなく
そのベースに流れる血の因縁や日本のムラ社会の抱える闇までを内包したサウンドに仕上がってますね!
「八つ墓村」の他にも
「八甲田山」「鬼畜」「砂の器」などなど、数え切れない名作を残しております。
そして本業はやはり管弦楽や室内楽。
諸外国でも評価の高い作品群は、まさに珠玉のジャパン・クラシック!!!
「Benkei」
「チェロとオーケストラのためのコンチェルトオスティナート」
舞踏組曲「蜘蛛の糸」
オリジナリティあふれた楽曲、かつノスタルジーと狂気が交錯する。
芥川也寸志さまと、エンニオモリコーネ大先生。
そして伊福部昭師匠が、僕の三大作曲家アイドルです!
アディオス!(^-^)