ついに七曲目!
時代劇テーマ曲カバー集「七曲の侍」ラストを飾るのは
フジテレビ系「鬼平犯科帳」(中村吉右衛門さまver)の
あまりにも印象的なエンディングテーマ
「インスピレイション」
オリジナルはかの有名なジプシーキングス
この、スペインの情緒たっぷりのフラメンコジプシーロックが
不思議と時代劇にぴったりはまった!
哀愁と優しさ、物悲しさ、そしてささやかな微笑み・・・
ひとの心の細やかな動きが
美しい江戸情緒、四季折々の景色と道往くひとびとが
たおやかに流れる映像に重なり
何ともいえない心地よさに包まれる、名エンディングです。
時代劇もフラメンコも大好きな僕には丁度どストライク!
「鬼平犯科帳」もとは池波正太郎センセイの小説。
「仕掛人・梅安」そして「剣客商売」と並ぶ
三大池波作品、と勝手に思ってます
その「鬼平」今では中村吉右衛門さまのイメージが定着の感がありますが
実は今まで何人もの役者さんが演じてきております。
初映像化は1969年、なんと鬼平を演じたのは
吉右衛門さまのお父様、松本幸四郎(八代目)
続く「新・鬼平」もお父さん続投。
ますますソックリだ
そして「鬼平'75」
丹波哲郎さまが演じました。
実はあまり評価が高くない'75鬼平ですが
いやいや実に面白い!!
これぞ池波スタイル、お江戸ハードボイルドといった感が満載!
情け容赦ない、まさに江戸のドン的な丹波さまの圧倒的強さ
そして存在感。
ときどき時代劇チャンネルとかで再放送していますので
気になる方は是非。
続いて「鬼平 '80」
まさに「鬼」
丹波さまが、江戸の裏社会のドン的な存在感
しかも、Gメンよろしく指導者としての位置づけ的な部分も強かったのに対して
萬屋さまは現場主義。
豪快に斬る!斬りまくる!
あんたの方がマフィアちゃう?というレベルの鬼気迫る平蔵。
萬屋さん、各方面で賛否わかれる役者さんですが
僕は大好き。
このアクというか個性がたまらん。
鬼平の、まさに「鬼」の部分を強調したような作風で
原作者の池波センセイは当初このバージョンに非常に難色を示していたとか。
しかし、萬屋さん自身の病気など幾多のトラブルを乗り越え
「鬼」を突き通した姿勢に、最後は池波センセイ
「ついに萬屋もホンモノの鬼平になった!」と太鼓判を押したとか。
そして1989~ロングランの吉右衛門さんバージョン。
前作、前々作の反動?なんて
実に人情身あふれる鬼平。
ときに厳しく、ときに優しく、そしてけっこうお茶目。
まるで父親のような存在感に惹かれてしまう、という
アクション時代劇ではなく、人間ドラマとして完成の域。
そして、何といっても原作者・池波センセイが熱望したというキャスティング。
吉右衛門さまが、原作の平蔵の年齢に達したのを見計らって
このドラマが実現したそうです!
ゆえに最初から池波センセイお墨付きのこのシリーズ。
しっかり全エピソードを映像化して(第9シーズンまで!)終了。
しかし、あまりに人気の高さに
池波センセイも、他の作品からのストーリー借用での続行を認め
以後もスペシャル版などで制作され続けております。
まさに「鬼平」の決定版!ですね
さらにコミック版。
意外と古くて93年から続いています。
TV版よりも若々しく、かつ江戸の風情の描写はTV版以上。
かなり頼れる無双な平蔵さま。
さらに、なんと今年2017年にはアニメも制作さrました。
前述のコミック版とは違って、いろいろオリジナル。
これこそ賛否両論・・・
僕は好きです!
表現方法って、いろいろあると思うんです。
18世紀の人たちが見た風景、人、出来事は
今から振り返ってみれば、どれも古びていて、枯れた味わいかもしれません。
でも、当時は最新のキラキラしたものだったことでしょう。
その空気感を今、得ようと思ったら
今、最新なキラキラのエッセンスが無いと
確かに時代考証としては完璧だったとしても
心の考証というか、当時の人たちと同じ気分には到底なれない
むしろ正しい考証をすればするほど遠ざかる部分もあるんじゃないか、なんて思ったりするのです。
当時の人々が感じた「今っぽさ」を体感するには
今の「今っぽさ」要素が必要じゃないのかな、なんてね。
ともあれ、時代劇の傑作「鬼平」
こんな作品に出会えたことに感謝ですね!
モデルになった長谷川宣似さん、向こうでくしゃみしてることでしょう
ひさびさに鶏鍋でも食べようかな・・・
「七曲の侍」お付き合いただきありがとうございました!
アディオス!アミーゴ!
m(_ _)m