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山田忠男のブログ

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あるじは言う
旅のお方、夜の山越えは、あぶのうございますよ。
ここでお一晩お泊まりになすっては?
この先は熊や狼が多いですよ。
私ですか?私は角が生えておりますから、ご安心を、
カモシカも鹿も牛も草を食べる獣です。
この角が安心の印と思し召せ。
旅人は答える。
草を食べる生き物は皆、蹄がありますが、あなたは蹄を持っておられないようだ。
どうも私の命運も尽きたようだ。
ここにはあなたがおられ、先には狼や熊がいる。
あるじはいう。
どなたにも進退窮まる時があるものでしょう。
今宵の貴方がまさにその時でしょうか?
ここにお止まりなさるも山を越されるのも、
どの道を選ばれるかはあなたのご自由、
実はこの旅人、無実の罪を着せられて追っ手がかかり、ここまで逃げ伸びて来たのです。
あるじは言いました。
さてさて、貴方をここまで追い込んだのは、狼ですかね?熊ですかね?はたまた私でしたか?
世の中に人ほど怖いものはございませんよ。
まだお疑いのようですね。
風流の方と思いましたが、とんだ眼鏡違い、食事は中にございますので、ご自由にどうぞ、
私は出掛けますので、安心してよくお休みになれば良いでしょう。
あるじはそう言って消えてしましまった。
改めて建物を見ると、そこは古びた神農氏の社であった。
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