「葉隠」 山本常朝(やまもとつねとも)
※実際は、佐賀鍋島藩士の田代陣基(たしろつらもと)が同藩士の山本常朝の話を筆記したものらしい。
「武士道と云うは、死ぬ事と見付けたり」
竹光誠(明治学院大学教授)「武士道」の解説によれば、
この言葉は、「死ぬこと」をすすめているわけではなく、安全な道をとって生きのびて、まわりから臆病者とそしられて暮らすぐらいならば、潔く死ぬがよいと考えた。これは、観念的な道徳ではなく、厳しい取り決めの多い藩内でお家が生き残るための処世術であったとしている。
「葉隠」は武家社会の厳しい日常生活を、武士として上手に生きていくための知恵の書であったようである。
処世術とみると、やはり観念的な道徳を説いた書であるように感じますが、ただ、素直に自分の誇りや、「ご恩と奉公」に対して真摯で、謙虚な道徳としての究極的思想であると、私は考えます。昔の人はそれほど真っ直ぐで、強く大きく譲れない誇りを持っていたのではなかろうか?
そんなふうに、胸を張って生きていた武士は、素晴らしいと思います。
「孝」の順序が、1番目に主君でその下が親とされていた時代であるから、(かといって親より君とはなかなか思えないだろうけど)その時代を生きた武士道の究極的思想であると、私は解釈したい。