第7話〜不死鳥〜


「ゲームねぇ〜」

カインはビルの屋上からターゲットとなる人を見定めると、鷹の怪物はビルから急降下で道路へと降り立った。

「ポイント稼ぎか〜まとめて点数取っちまうか」

カインは目の前にいたスーツ姿の男性を脚の爪で一刺しする。男性が倒れると周りにいた人達が悲鳴をあげて逃げていく。脚元に横たわる男性を踏みつけると周りを見渡す。

「1ポイント〜」

カインは返り血を舐めると、逃げ惑う人に飛びかかり次々に脚で蹴り倒していく。
道は一瞬のうちに血の海と化した。

「素晴らしい。現在17ポイントです。お伝えしてませんでしたが、このゲーム。1位の方には次期村長のポジションを」

「ナクウ…。他のプレイヤーは今どのくらい稼いでんだ?」

「それは私からは言えません。ゲームですから、公平に願います」

「それで、お前の名前を聞いてなかったな」

「私はただのゲームマスターです。名前は1位になったらお教えしましょう」

徐々にサイレンの音が大きくなってくる。
パトカーがカインの目の前に2台停る。

「動くな!」

警官が拳銃を構える。

「カイン様、どうぞゲームをお楽しみください。私はこれで」

ゲームマスターはカインに一礼すると歩いて去ってしまった。
カインは警官を見るとビルの2階程の高さまで飛翔した。

「3ポイントか〜まぁそんなもんか」

カインは警官に飛びかかると脚の爪で襲いかかる。
警官も拳銃を発砲するがまったく効き目はない。
後ろから更にサイレンが鳴り響く。

「例のビルの犯人はコイツか」

「木場さん。お体はもう」

「俺の事はいい。コイツを倒すのにはスキャナーが必要と聴いて持ってきた」

木場はそういうとトランクから石化した状態のスキャナーをカインに見せた。

「お前が欲しいのはこれだろ?」

「それはスキャナーなのか?お前もエターナルか」

「エターナル?何の話だ」

「違うのか、それがスキャナーなら貰ってから考えるとしよう。ポイントも欲しいしな」

カインは木場に飛びかかろうとすると、木場の脳内にビジョンが流れる。


ーーーー古代の戦士ーーーースキャナーを使い鎧を着るーーーー誰かと戦うーーーー

「何だ今のは」

木場は飛びかかってきたカインを前転で避けるとスキャナーを見た。

「これを使うのか」

石化していたスキャナーが突然発火し、木場は思わず手を離す。

「燃えた…」

石化したスキャナーから火が消えると真っ赤なスキャナーがそこにはあった。
木場がそれを拾い上げる。真っ赤なスキャナーをカインが観ると叫び声をあげた。

「不死鳥のスキャナー!どうして貴様が持っているんだ」
「これがスキャナーか、確かこの中にカードが」

木場がスキャナーからカードを1枚抜き取る。カードには鎧の絵とチェンジと書かれていた。

「チェンジ?鎧はこれのことか」

カインは空高く飛翔すると急降下しながら木場に鋭い脚の爪を向ける。
木場がスキャナーにカードをスキャンするとカードが光の粒子になり、木場の体を包み込んでいく。
木場の身体は不死鳥の騎士へと変貌した。

「これが資料にあったスキャナーの件か」

木場は急降下してくるカインの脚を間一髪で後ろへ避けるとスキャナーからもう1枚のカードを抜いた。

「ブラスト?銃か」

木場は再びスキャンすると、カードが光の粒子になり、銃の形に変わる。

「そのスキャナーを渡せ!」

カインが再び飛翔する。
不死鳥の騎士は冷静にカインの羽に照準を定めた。
カインは再度急降下する。不死鳥の騎士は無言で左の翼を射ち、一撃でカインの左翼を撃ち落とした。

「クソが〜」

撃ち落とされたカインは、ちぎれた左翼の傷口を抑えながら後ろへ下がる。

「素晴らしい。不死鳥のスキャナーも復活しましたか、カイン様。今日のゲームはセーブ致しますか?」

カインの後ろから謎の男が現れると、不死鳥の騎士へ静かに歩み寄る。

「止まれ。止まらなければ射つ」

謎の男は木場の言葉を受けて指を口に当ててシーッと言うと立ち止まった。

「我々はナクウ。貴方達を葬るモノ。そして、ゲームをする者です。いごお見知り置きを」

「ナクウ?」

謎の男はカインの肩に手を置くと、黒い霧を放ちながら消えてしまった。

「ナクウ……。」

不死鳥の騎士はスキャナーを取り外し、木場の姿へ戻った。

「木場さん。ご無事で」

「あぁ。ガイシャを救急車で搬送しろ」

木場は鳥の紋章が入った真っ赤なスキャナーを見つめると、スーツの胸ポケットにしまった。