第8話〜対策〜
警視庁内………。
警視庁の大会議室内には〈エターナル対策本部〉の立て札が掲げられスーツ姿の警官達が30人程集まっていた。
「それでは、エターナル対策会議を始めます。まず木場警部。」
「はい。まずは御手元の資料をご確認ください。遺跡から復活した謎の集団ですが、先日の鳥の怪物に例のスキャナーを見せた所、エターナルと呼称しました。まだ確証はありませんが、恐らくそれが我々日本人と同じく彼らの種族を現すものと考えております。」
「木場警部はそのエターナルと2度に渡り合っているそうですが、資料には拳銃を発砲し効果無し。とありますが、コスプレした人という訳では無いと?」
木場の隣の席に居た芹沢警部補(せりざわけいぶほ)が資料をめくりながら質問をする。
「ええ。拳銃を発砲し、効果無しというのは事実です。弾は確実に脚に命中しましたが、どれもその硬い鎧のようなもので弾かれています。」
「本部長。木場警部の話が事実ならSATが使用しているライフルを配備するしかないのでは」
「その件については私からもお願いします」
木場が本部長に頭を下げる。本部長は腕を組み隣にいる副部長に何かを伝える。
「木場君、今回の件についてだが、我々警察官としても非常に難しい問題がある。君の資料によればスキャナーを持った一般人が怪物の姿になったそうだな」
「はい。14ページに記載しておりますが、名は神田 晴斗。現在はカフェの店員をしています。その神田氏はスキャナーを使用し、怪物に酷似した姿になっております。」
「怪物に酷似と言うのはどう意味かね」
「はい。怪物の姿には間違いありませんが、エターナル、もとい怪物達にとっては、騎士と呼んでいるようです」
資料を読み終えた土田警視が立ち上がると木場の元へ歩き出す。
「木場警部。このスキャナーというのは君も1つ持っていたな」
「はい」
木場が胸ポケットからスキャナーを取り出すと土田に渡した。
「このスキャナーを科警研に回して解析し、スキャナーがどの様な力を持っているのか調べましょう。いかがでしょう、本部長」
「土田警視の話は私も賛成だ、木場君。会議後に科警研にスキャナーの解析を。それから、木場君と星野君、島田君、高山君、中田君を今後、対エターナル課とする。辞令はおって出す。」
土田スキャナーを木場に返さすと、「腕利きを1人預ける」と言い残して会議室を出て行った。
「他の刑事諸君は対エターナル課のバックアップを個々の部署にて行ってくれ。以上で会議を終わる」
数日後………………。
対エターナル課 室内
「本日付けで対エターナル課に配属されました。九条 薫(くじょう かおる)警部補です。よろしくお願いします」
「課長の木場です。」
「お噂はかねがね、土田警視からは腕利きのライフル使いが必要とお聴きしております。」
九条は机にダンボールを置くと木場と握手を交わした。
「土田警視から腕利きをとお話を頂いていました。九条さんの射撃技術は期待しています。」
「エターナルには害獣対応で磨いたこの腕でサポートしますよ」
島田はコーヒーを入れると自分の机に座った。
「九条さん、あなた。確か2年前の誤射事件でSATをお辞めになったのでは?」
島田の一言で室内に嫌な静けさに包まれた。対エターナル課の中に緊張が走る。
「九条 薫。当時SATの任務中に人質となっていた黒い服を着ていた女性を犯人と間違えて発砲。その女性は脚を撃たれて重症。その後依願転属で山梨の害獣対策課へ。違いますか?」
「よせ、島田」
「確かに、あの時に私は誤射を起こしました。島田さん、何が言いたいんです?」
「エターナルとの交戦中に俺らが撃ち抜かれちゃ困るってだけです。」
島田はコーヒーを飲み干すと、部屋を出ていってしまった。
木場は島田を目で追っていたが、握りこぶしを震わせている九条に気づいたが、声をかける事が出来なかった。
「木場課長。すみません」
九条も木場に一礼すると部屋を出ていってしまった。