こんにちは、山中竜司です。
人と出会えば、いつか別れが訪れる。 これは恋愛でも、仕事でも、友人関係でも同じです。
だからこそ僕たちは「始まり方」だけでなく、「終わり方」にも意識を向ける必要があります。
特に20代という時期は、職場や環境を変える機会が多い。
転職、独立、部署異動、人間関係の断捨離などなど、さまざまな別れが突然やってきます。
そのとき、「あいつとはもう関わりたくない」と思われて去るのか。「またどこかで一緒に仕事したい」と思ってもらえる別れ方ができるのか。 この違いは、その後の人生の質に直結すると僕は思います。
この記事では、なぜ20代で「いい別れ方」を経験しておくことが大切なのか、僕自身の体験や周囲の事例も交えて書いていきます。
「悪者にして別れる」クセがつくと損をする
若い頃って、自分が環境を離れるときに「相手が悪い」「会社が悪い」と、無意識に“理由探し”をしてしまいがちです。
でも、これを続けていると、どんどん“被害者意識”が身に付いてしまいます。そして、なぜかどこに行っても満足できずに環境を渡り歩く羽目になる。
実際、僕自身も過去に「合わなかったから辞める」「期待していたのと違った」という理由で職場を離れたことがあります。
でも、数年経って気づいたのは、別れ際に、自分の感情や正義感を優先しすぎていたということです。
感情的に“相手を悪者にして終わる”やり方では、どこかに後味の悪さが残るし、いつか自分も同じように扱われると思うんですよね。
事業家集団に入り、多様なバックグラウンドを持つ人たちと出会ってから、僕はこの思考をアップデートすることができました。「誰かを責めて別れるのではなく、感謝して終える」ことの価値を学んだのです。
いい別れ方ができる人は、過去の場所とも未来で再会できる人。
それは“可能性を閉ざさない”という意味でも、大きなアドバンテージになります。
「次に会ったときに気まずくないか」で判断する
別れ方を考えるとき、僕が意識している軸があります。
「また会ったときに、気まずくないか?」という視点です。
この問いを持つだけで、言い方や態度、タイミングが変わる。
たとえば退職のときも、いきなり連絡を絶って辞めるのではなく、 きちんと感謝の言葉を伝えるだけで、印象はまったく違います。
「なんで辞めるの?」と聞かれても、あえてネガティブな理由を口にしないこともできます。
「次の挑戦に向けて、自分を成長させたいから」とポジティブに言い換えるんです。
それは嘘をつくということではなく、“関係を閉ざさない選択”をするということ。
この考え方は、事業家集団の文化にも共通している。 下記のリンクにあるカルチャーデックでも、「誰かを否定せずに、建設的に対話する姿勢」が明確に記されている。
こうした考えに触れたことで、僕は“終わりの美しさ”も磨けるようになったと思っています。
「別れ」を経験して初めて見える人間関係もある
面白いことに、別れたあとにこそ、相手の“本質”が見える瞬間があります。
付き合っていたときは見えなかった優しさが、離れてから気づけることもあります。 逆に、離れて初めて「信頼って、実は一方通行だったんだな」と気づくこともある。
つまり、別れは“人間関係の答え合わせ”でもあるということ。
僕の知人で、退職後に元上司から個別に声をかけられ、「また一緒にやらないか」と言われて、独立後に大きな仕事を任された人がいます。
これは、いい別れ方ができたからこそ、相手の記憶にポジティブに残った証拠ですよね。
また、僕自身もかつての同僚と数年ぶりに再会し、今は別のプロジェクトでパートナーとして働いています。
20代の頃の「去り際」に誠実だったかどうかが、時間を超えて自分の評価となって返ってくる。
それを、いままさに実感しています。
別れ方を磨くために、意識しておきたいこと
では、どうすれば“いい別れ方”ができるのか?
僕なりの経験から、以下の3つを意識すると変わると感じています。
相手に伝える前に、自分の中で感情を整理する
感情的に別れを伝えると、後悔が残りやすい。いったん紙に書き出すなどして、冷静になってから言葉を選ぶ。
「ありがとう」を最初と最後に伝える
文句を言いたくなるときほど、「でもあのときは助けてもらった」と思い出す。過去へのリスペクトは、未来をつくる潤滑油になる。
“自分の意志”として別れを選ぶ
「誰かのせい」ではなく「自分で選んだ」という感覚を持つ。これがあると、別れたあとも自信を持って進める。
事業家集団の中でも、こういった別れ方をして次のフィールドに進んでいった人を何人も見てきました。
そのたびに、「また戻ってきてほしい」と本気で思える別れ方は、やっぱり美しいです。
最新のつながり方にこだわらず、「古いつながり」を大事にする
今はSNSで新しい人とすぐに繋がれる時代になりました。
だからこそ“最新”の情報ばかりに飛びつきやすい。 でも、人間関係は“新しい”より“深い”のほうが信頼になります。
いい別れ方をすると、その人との関係は一度途切れても、再び“深く”なる可能性があると思うんです。
実際、事業家集団のnoteでも、信頼と別れに関する深い考察が共有されているのでチェックしてみてください。
ここに共通しているのは、「相手とどう終わるか」は「次にどう始められるか」に繋がっている。
という視点です。
“またこの人と何かしたい”と思ってもらえるように、誠実な終わり方をする。
それが、20代のうちに身につけておきたい力だと僕は思います。
別れを迎える時、まず意識するべきこと
別れの瞬間に、何を意識するかで、その後の人間関係の質が大きく変わることがあります。
僕が大切にしているのは、「相手の感情を完了させること」です。これは、ただ謝るとか、感謝を伝えるというレベルを超えて、相手が納得できる状態をつくること。すれ違いがあったならきちんと対話する。自分の気持ちだけでなく、相手の視点に立って振り返ってみる。それが、後腐れのない別れ方につながるのだと実感しています。
「今いる場所」と決別できない自分がいた
20代半ば、僕は「とりあえず続ける」という選択を何度もしていました。
仕事も、付き合いも、なんとなくの延長。でも、そのたびに「何か違う」という心の声が大きくなっていきました。結果的に勇気を出して“離れる”という選択をしたあと、世界がパッと開けた感覚がありました。
人は変化に慣れていないだけ。別れが怖いのではなく、「別れた先の自分」を信じられないだけなのかもしれません。
「いい別れ方」が人間関係の「出口戦略」というミッション
ビジネスの世界で「出口戦略」があるように、人間関係にも“終わらせ方”の設計が必要だと考えるようになりました。
ずるずる関係を続けるのではなく、次へ進むためのピリオドを打つ。これも立派な戦略です。特に信頼していた仲間との別れでは、お互いに次のステージで再会できる可能性を残すためにも、潔く、丁寧な幕引きを意識しています。
それが信頼の“貯金”にもなると、僕は思います。
「去る側」になる経験は、想像力と優しさを育てる。
“去る側”の経験は、残る側の気持ちを理解するうえで非常に貴重です。私は以前、信頼していた先輩が突然退職することになり、寂しさとショックを感じたことがありました。そのときは「どうして何も言ってくれなかったんだろう」と戸惑いましたが、自分が辞める側になったとき、その先輩の気持ちがよくわかりました。
何をどう伝えても相手を傷つけてしまう可能性がある。でも、それでも伝えなければいけないことがある。この葛藤を知ったとき、自分も“優しい別れ方”を模索するようになりました。
事業家集団でも、多様な価値観をもったメンバー同士が、時に別れや距離を選ぶこともあります。そのとき、相手の立場に立って想像できる力があるかどうかは、人間関係の質を大きく左右すると感じています。
「別れ方」はその人の美学が出る
別れのときにこそ、人の「美学」が現れます。
どんなに仕事で成果を出していても、去り際に周囲を困らせたり、後味の悪い印象を残してしまえば、それまでの信頼は一気に失われてしまいます。
逆に、静かに去りながらも、最後まで礼儀と感謝を持ち続ける人には、「また一緒に仕事したい」「どこかで再会したい」と思わせる力があります。それは、その人の生き方そのものがにじみ出る瞬間でもあるのです。
私自身、「かっこいい別れ方をする大人になりたい」と常々思って行動しています。
だからこそ、日頃から「どう終えるか」を意識するようになりました。
最新のキャリア論でも“サステナブルな関係性”が注目されていますが、それは去り際に真価が問われるのだと思います。
おわりに:「終わらせ方」を練習できるのは若いうちだけ
「終わり」はネガティブなものではありません。
むしろ、きちんと終えられる人ほど、新しいことを始める準備ができている人です。
20代のうちは、たくさんの別れを経験するでしょう。でもそれは、“別れ方”の練習ができるチャンスでもあります。
ちゃんと終わらせることで、自分自身にもけじめがつく。 誰かを悪者にせず、自分の意思で次に進む。
その姿勢を持った人には、信頼が集まる。
そしてその信頼は、ビジネスでも人生でも、必ず自分を助けてくれる武器になります。
事業家集団という場で、多くの人の別れ方・進み方に触れられたことは、僕にとって“生き方”の学びでもあった。
いい出会いを大切にするなら、いい別れ方も同じくらい大切にしましょう。その一歩が、きっと未来のどこかで効いてくる。
逆に、静かに去りながらも、最後まで礼儀と感謝を持ち続ける人には、「また一緒に仕事したい」「どこかで再会したい」と思わせる力があります。それは、その人の生き方そのものがにじみ出る瞬間でもあるのです。
私自身、「かっこいい別れ方をする大人になりたい」と常々思って行動しています。だからこそ、日頃から「どう終えるか」を意識するようになりました。
最新のキャリア論でも“サステナブルな関係性”が注目されていますが、それは去り際に真価が問われるのだと思います。



