こんにちは、山中竜司です。

社会人になると、「伝える力が大事」とよく言われます。

でも実際には、「話すのが上手い人」と「話を聞きたくなる人」はまったく別物です。

むしろ、うまく話そうとするほど、相手の心が離れていくこともあるんですよね。

 

僕自身、社会人3年目くらいまでは“話す内容”ばかりを気にしていました。

それなりに準備して臨んでも、相手の反応が薄く、会話が続かない。

なぜ同じことを言っても、あの人だけが共感を集めるのか、その違いが分からなかったんです。

 

 1. 「聞きたくなる人」は、“自分の話”ではなく“相手の世界”を話している

 

ある時、社内で尊敬している先輩と雑談をしていたときに気づきました。

その先輩の話は、いつも不思議と耳に残る。内容はシンプルなのに、なぜか“聞いていたくなる”んです。

 

その理由をよく観察してみると、

先輩は自分の話をしているようで、実は“僕の世界”を語っていました。

 

たとえば、

「自分も最初、そういう不安あったよ」

「でも、こう考えたらちょっとラクになった」

このように、僕の立場や感情を踏まえて言葉を選んでいる。

 

つまり、“相手の感情を代弁できる人”が、自然と「聞きたくなる人」になる。

社会人としてコミュニケーションを取る上で、この意識の差は圧倒的です。

 

 2. 話し上手より、「共感を紡ぐ人」が信頼される

 

プレゼンでも商談でも、スキルアップを目指す社会人にとって“伝え方”は避けて通れません。

ただ、ここで多くの人が勘違いしているのが、「上手に伝える=信頼される」と思い込んでしまうこと。

 

本当に信頼を集めるのは、「共感を紡げる人」です。

それは、相手の感情を汲み取りながら、自分の体験や考えを重ねて話せる人。

 

たとえば、僕が以前営業をしていたとき、

「数字を上げろ」という話をしても伝わらなかったのに、

「自分も最初、なかなか契約が取れなくて焦ってた」と言うと、

相手が急に真剣な顔で聞いてくれる瞬間がありました。

 

言葉は、技術ではなく“共感の橋”なんだと実感した瞬間です。

 

 3. 「伝わる人」になるための習慣は、“話す前の準備”にある

 

「どうすれば自分も聞きたくなる人になれるのか?」

そう思ったときに僕が意識しているのは、“話す前に考える時間”です。

 

たとえば、話す前にこんな問いを自分に投げかけます。

• この話を聞いた相手は、どう感じるだろう?

• 相手が共感できる具体的な体験はあるか?

• 結論ではなく「きっかけ」から話せているか?

 

この準備を習慣化すると、話し方そのものが変わってきます。

相手を理解する姿勢がある人ほど、自然と「聞きたくなる人」になっていくんです。

 

社会人にとって、話す力とは“自分を見せる技術”ではなく、“相手を思う習慣”のこと。

それが、結果的に信頼され、チャンスを引き寄せる力になると思っています。

 

 まとめ:社会人の「伝える力」は、人の心を動かす力

 

「あの人の話は聞きたくなる」というのは、生まれ持った才能ではありません。

共感を意識し、相手の感情を想像する力の積み重ねです。

 

そして、それは誰でも鍛えることができるスキル。

仕事でもプライベートでも、「伝わる人」になれた瞬間から、あなたのキャリアは確実に変わります。

 

“話す力”ではなく、“伝わる力”を磨く。

それこそが、これからの社会人に求められる本当のスキルアップだと思います。