横浜FC戦は、源気投入後、少し面白い攻撃陣形になっていました。
特に健介がすごく高い位置に陣取ることが多くて、マイボール時は常に右ウイングのような立ち回りをしていました。
それはおそらく源気の特徴と関係していて、源気は自由闊達に走り回ることが長所であり、その分本来の右サイドを留守にすることが多く、それをカバーするための健介の位置取りだったのでしょう。
見ていて「なるほど面白いなぁ」と思ったポジショニングでしたし、実際そこにボールが入ることも度々ありました。
しかし、残念ながらそこから先の展開はイマイチだったように思います
それはなぜか
考えた時に思い至ったのが、リレーのバトンタッチです。
陸上100mの世界記録は、ご存知ウサイン・ボルトの持つ9秒58。
一方4×100mリレーの世界記録は、ジャマイカの37秒10。
9秒58×4=38秒32ですから、2回コーナーを走るにも関わらず、リレーの方がボルト×4の単純計算より速いということになります。
理由は途中に「リレーゾーン」があることで、そこで加速しながらバトンを受けることができるので、ボルトに記録で劣る選手が走っても速い記録が出るのです。
話をサッカーに戻して。
前述の通り、健介は高い位置でボールを受けることが多かったですが、いずれも止まった状態で(&後ろ向きで)受けていました。
そういう速度ゼロの状態から、目の前の選手を抜いてクロスを上げるのは容易ではありません
というか、静止状態から正対している相手をドリブルで抜ける選手は、J全体でも数えるほどしかいないと思います(J2では香川とアジエルくらいでしょうか)
その為結局ボールを後ろに戻すしかなく、せっかくの高い位置取りが効果を発揮しないシーンがとても多かったです。
今にして思えば、健介の位置はもっと後ろでも良かったのではないでしょうか
走りのスペシャリストがリレーゾーンがあった方が記録が出るのと同様、サッカー選手も前方にスペースがあった方が能力が出しやすいと考えれば、少し前のめりすぎたと思えるからです。
確かに、せっかく前方にスペースがあるのにそこに行かないのは勇気の要ることで、特にビハインド時には前へ前へと気持ちが行くのは当然ですが、そこでグッと我慢してスペースを残しておいて、そしてそのスペースにへボールを蹴り込んで貰えば、「リレーゾーン」を経た状態でボールを受けることが出来ます。
2つを比較した場合、健介は後者の方が活きると思うのですよね
(実際草津戦の決勝アシストはそういう形でしたし)
昨日の位置取りが健介の意志なのか外部の指示なのかは分かりませんが、今度は「リレーゾーン」で加速してからボールを受ける健介が見てみたいものです
りゅーはーでした。