ここ一週間ほどLUNA SEAのRAINという曲を聴いていました。

RAINを大好きになってしまいました。


以前にあるYouTubeの音楽チャンネルさんで、RAINについて触れられていた記憶があります。
SLAVEさんにLUNA SEAで好きな曲は?という問いを仮に投げかけたとすれば、必ずRAINは入るのでは。確かそのような内容だったかと思います。

とても気になり、その時何回かRAINを聴いてみた所、当初はあまり心に残らなかった。
自分は LUNA SEAファン失格...?
 とてもキレイな曲ではあるけど...とその時は感じました。

しばらく期間をおいて先週あたりにRAINを再聴した所、ふと冒頭の歌詞がひっかかりました。
「親愛なるキミへ」
え?!いま何て言った?
特別めずらしい言い回しではないのですが💦
というか、以前は全然歌詞に注目せずに聴いていたので、今まで聴き流していました🙇

手紙のような書き出し。
RYUICHIのこの低い声で、この音楽で突然心に入ってきて...
「親愛なるキミへ」って何だか、穏やかじゃない。変わってるよね?!と急に深く気になった。

また、歌詞に「砂」と「まぶたを重ねて」というワードが何回か出てくる。


「両足は砂に取られて動けない」、「砂に埋もれてもかまわない」
なぜか心に引っ掛かり。
○○しても構わない、○○で動けないという言い方はよくあるけど、なぜ砂なの?
砂って言い方あまり聞かない気がします。
「砂」だと、じわじわと熱くゆっくりと確実に死に向かっている。
しかも「両足」だともう逃げられないし、砂に埋もれるのは水に溺れるのとは違い、ものすごい時間をかけてゆっくりと苦しんでいく...
印象。
ふと怖くなりました。

「熱くまぶたを重ねて」
愛する相手と重ねるのは、「手」だったり「体」等だと思うのですが「まぶた」って相手と重ねるものかな?
すぐ思ったのは、大切な相手とまぶたを重ねたりくっつけたりはしないし、衛生的に違和感を覚える。
自分の目を熱くつぶるということなのかな。

不思議だし幻想的にも思えてしまい。

歌詞の一語一語のワード自体はありふれているものなのに、言い方がどれも、妙に心に引っかかる。
とりわけこの2つのワードが何回か出てきて、世界観を構成してる気がして。
どんな世界かと言われれば、抽象的すぎてそれはわからないんだけど...

また、「太陽さえ潤んだ瞳を包んでくれる優しく」という歌詞。
太陽ってあたたかくて大きく包んでくれるイメージのはずなのに、「さえ」と歌っている。
主人公(仮でRYUICHIとしてます)にとって太陽は拒否されるものの象徴なの?
RYUICHIの世界観は歪んでいるのかな。

 

そして「現実に破れて」。
ずっと空想的な事を歌っていると思っていたけど、突然現実を生きる生々しい描写が入り込んできた気がして、めちゃくちゃ異物感というか心がざわざわした。
現実って何だろう。
この相手の女性とうまくいかなかった現実?仕事?アイス工場のバイト?

音楽は淡々と進むようでいて、確実にじわじわと苦しく心が侵食されてく怖い心地よさがあって、RAINに心がとらわれてしまいました。
ベースの低い音がずっと鳴り響いていて、心に打ち付けられます。
RAINを繰り返し聴いています。

また、後半の歌詞で「夢なのか」「嘘だろう」「まだ見ぬキミは幻」「まだ見ぬ天使のキミ」。
「キミ」は実在してなかったの?と驚きに突き放されました。
今まで歌ってきた「キミ」とは何だったの?
冒頭の「親愛なるキミ」とは...
時系列が乱れてここにも歪な世界観が。
「嘘だろう」って歌い方、RYUICHIが本当にとまどって傷ついているようで苦しい。


RAIN不思議です。壮大な物語、という感じではないと思う。
RYUICHIの置かれている世界はとらえどころがないのに、何かしらの結末、この不穏なパラレルみたいな状況がとても悲しくて深く心に入ってくる。
全体的に抽象的でよくわからない世界なのに、RYUICHIの感情はとてもリアルに心に入ってきてしまって、好きなのに苦しい。

「RAIN」というTITLEに関しても、揺さぶられました。
音楽的には、途中までRAIN(雨)感がない気がします。
LUNA SEAのgravityという曲の方が雨感があり広がりもあります。
MVでは雨が降っていてRYUICHIが濡れてるし、「濡れないで」という歌詞があるからそう思いこんでるだけかもしれませんが...
ravityは冒頭のギターの旋律が、もう雨がずっと降り続けている印象の音です。
RAINの音楽は、ダークで静かにズシズシと。アーバンな閉じられた感じ。
でも!最後「Rainy Day」と繰り返し出てくる所でもう、突然鮮明に雨の感じが。ばっと心に、雨の情景が心に広がる。
心に映る景色的にもそう感じたし、「空が今泣き出した」という歌詞に...泣いているのはRYUICHIだよね?
本当にRYUICHIの心が雨のように突然泣き出してしまったように感じて、泣いている姿を思うと悲しくて美しくて苦しくなりました。
ここの音楽は、逆に少しだけ明るく開放的に広がる感じがして、そのギャップが苦しくて大好きで。
なんなの。
なぜ雨にしたの、切なすぎませんか。

まだまだあるのですが、RAINが大好きすぎます。

今後も聴くたびに色んな感情が湧き出てきそうです。
変な感じ方だけどLUNA SEAぽくない曲。
じゃあどの曲がLUNA SEAぽいのかと言われたら大変困るのですが...
LUNA SEAの好きな曲はたくさんあるので、どの曲もLUNA SEAであり、LUNA SEAぽくないと言えるのかもしれない。
まだ聴きこんでいない曲の方が多いのにおこがましいのですが。


RAIN。
最後の雨で砂を洗い流してくれたのかもしれない。

でもそれは救済的な意味ではなく...

雨の中ただ濡れるばかりで永遠にどこまでもひとりぼっちで立ち竦むイメージ。

RYUICHIは本当に孤独なんだ。
砂は少しずつ溜まっていくものだから、どんなに永遠に時間がかかったとしてもまだ見ぬ「キミ」を待つよ、あるいは、「キミ」にはもう会うことはできず、僕は少しずつ朽ちていくよ、ということなの?

RAINでRYUICHIはこんなにキミのことをずっと歌っているのに、やっぱり冒頭の「親愛なるキミへ」。
なぜそんなに距離感があり、相手を突き放すような歌い出し方だったの?

それは、RYUICHIは相手を心から愛することを恐れているから。


くちづけた後は今までのことはすべて忘れてしまうとのこと。
時間の流れ方と、RYUICHIがどこに位置しているのかわからなくて、混乱するし怖くて大好きです。
とても美しい曲です。

歌詞引用
ROSIER
(01. ROSIER 02. RAIN)
1994.07.21 Release

LUNA SEA
より
RAIN