「それは・・・!!

  その薄い青い輝きの涙は・・!」

天使の言葉に竜が答えた!

「ああ、癒しの涙だ・・

  それも、こんなに澄んだ癒しの涙は見た

  ことがない!

  その涙の力なら・・

  娘の病を治せるかもしれない!」

天使は微笑み続けた。

「竜も気づいていたんだな・・

  この娘の病がただの病ではなく、

  人の心の迷い、寂しさ、その影を吸い上

  げたものだと!」

天使は小さな女の子の頬を両手で包む様
に話した。

「君は病気ではなかったんだ・・

  別の次元とはいえ、あの時鳥達を癒した

  力は君本来のものだった・・

  この地域の痩せた田畑につぎ込んだ人々

  の痛みを・・

  丘の大人達皆んなの不安を・・

  どう言う訳か君は・・

  無意識に吸い尽くしてしまっていたの

  さ・・」

竜は言った・・

「過去の古い時代の輪廻の中には、俺達

  みたいな天空族の時期があったのかもし

  れんな・・

  今は豊作のこの丘の田畑を、風になって

  泳ぐ時にどこか懐かしい心地良さを感じ

  たものだ。」

天使は翼から真っ白に光り輝く羽を1枚まい引き抜き、塊の涙を羽で拭うと小さな女の子の口元に運び促せた・・

癒しの涙を口にすると小さな女の子は眠りについて・・