新日本キックボクシング協会「武田幸三引退興行」

by スポーツナビ

新日本キックボクシング協会「武田幸三引退興行」 が16日、東京・後楽園ホールで開催された。

 昨年10月、K-1 MAXでのアルバート・クラウス戦で一線を退いた武田だが、ホームであり長く支えてくれた新日本キックのファンに恩返しをするため、MAX日本王者・佐藤嘉洋とのエキシビジョンが実現。
 通常エキシビジョンというと力を加減したスパーリング程度のものがほとんどだが、2人は防具こそ着用したものの手加減なしのガチンコ勝負。“やるかやられるか”を信条とした、武田らしい最後の晴れ舞台となった。

 今月末に欧州のキックイベント「ショータイム」での試合を控える佐藤は、武田への敬意を表すように全力で攻撃を展開。先制で打って出た武田の連打をガードでしのぐと右ロー、前蹴りと打ち込み、そして顔面ヒザを見舞って武田をグラつかせる。さらに佐藤は左ハイを当ててダウンを奪取。最後まで真っ向勝負で生きざまを見せんとする武田に場内から声援が飛ぶ。
 ノッシノッシと歩み寄る佐藤に、武田は左右のローを乱れ打ちして止めんとするが佐藤は止まらない。左ボディで武田の体を「く」の字にすると、続いてのボディストレートで武田をうずくまらせる。
 しかし不屈の闘志で立ち上がった武田は、最後のゴングが鳴るまで代名詞であるローを繰り出し3分間を終了。15年に及んだ現役生活を締めくくった。 K-1では実現しなかった佐藤との対戦は、エキシビションでありながら真剣勝負に【t.SAKUMA】


 終了後、武田の足下で座礼をし改めて敬意を表した佐藤は「武田幸三という選手は引退しようが、色気のある、魅力のある選手だと僕は死ぬまでそう思っています。引退試合の相手という大役に恥じないよう、これからも世界で戦い続けたいと思います」と武田に言葉を贈りつつ、自身の健闘を誓った。

 その後場内が引退セレモニーへ移ると、武田は恩師・長江国政会長からの花束贈呈に目頭を熱くする。
 そして「もし来世を選ぶことができるならまたキックボクシングの道へ進み、治政館の門を叩き、みなさんのために来世も頑張りたいと思います」と武田らしいラストメッセージ。最後は万雷の拍手と「武田」コール、そして長渕剛の「STAY DREAM」が流れる中、会場をグルリと一周して武田はリングから去っていった。

 また、この日は武田と同じ治政館から4選手が出場したが、日本ミドル級王者・宮本武勇志がドロー防衛、K-1甲子園初代王者・雄大が判定勝ちなど、治政館勢は通算3勝1分の戦績。リングを去る偉大な先輩を負けなしの形で送り出した。