1年間は長いようで短いものかもしれませんが、健康第一で考え、ケガや病気に気をつけてください。万一のことなどは無いと思いますが、もしそんなときがあったら持っているものはたとえどんな大切なものでも何でも捨ててしまいなさい。竜平が無事でいることが私たちの願いです。
心配しても、何もできませんが、何かあれば連絡してください。
時々近況など知らせてください。
見送りには行けませんが、元気にいってらっしゃい。
ミラノに来る前に父から受けとった言葉です。
23年間、育ててきた息子に宛てて
どうすれば、
このような温かい文章を書くことができるのでしょうか。
そして、なぜ、
この数行で私は心から励まされるのでしょうか。
ミラノに来てからというもの
言葉の壁よりも先に
自分という壁に阻まれていた私を、
この言葉や、たくさんの人々との思い出が
励ましてくれました。
こんな話を聞いたことがあります。
両親とは、
年が経つにつれ、会う機会も減っていく。
例えば両親が今60歳で、
あなたが遠く離れて暮らしているとして、
年に一度しか会えないとしたなら、
80歳まで両親が生きるとしても、
あと20回しか会わないことになる。
両親に限らず
大切な人と共にする時間は、
おそらくあなたが考えるよりずっと少なく、
思いもよらない出来事によって、
その時間が削られることもある。
そして
その有り難さに気付くことは難しい。
頭ではわかっているつもりでも。
あなたは今大切な人に会いに行くことができますか?
声を聞くことはできますか?


帰りが訪れるのかさえ定かではない行きの飛行機の中で
アルプスを照らしながら
4,5時間かけてゆっくりと登り続けた朝日は、
様々な想いを抱えた私の心を
何度も通過して
そして私に問いかけていました。
これでよかったのか。
心に誓った全ての言葉と、
やり遂げられなかった誓いを前に
自分を許すよりも先に、自分自身の存在を認めることができるだろうか。
でもね親父。
まだあなたよりは未熟だけど
自分を捨ててでも守りたいものは
俺にだってあるんだよ。
父のような人間に
私はなると
明日の朝日にも誓う。
そして俺を愛してくれる人ができた時。
心からその人を愛そう。
醜くてもかっこ悪くてもいいから
心から
