むかーすむかす
まるこの里とやんずの里の間にたがぐさやまが あってな。その頂にわよー赤鬼 と青鬼がすんじゃったとね。
二人の 鬼は二人っきりでぐらすてたらよー外の事よーしらんわね。
うで な、ザンケンコすてがったほうが里の様子みいんくことになった と。
ザンケンコン ザンケ ンコン 赤鬼コン コンコンコン
がった赤鬼は隠れ傘ほおって里に下りたと。
里に下りた赤鬼はそ らもー、ほーおーおっどろいた驚いた。
わら すっこはめんくいし、むすめっごはみな綺麗なべべ 着て。
見るもの全てがキンキラキンのカンカラカン
ほんでな、赤鬼はよー村の長者様のむすめっごがえろー気に入って な、どげんがすて嫁にでけんもんかと考えた。
話をすたいが傘をか ぶっとては姿も声も届かん。
赤鬼はやっきになった挙句夜中にこっ そりと長者様の屋敷に忍び込み、むす めっごの部屋に入ると傘を脱 いだが。
むすめっごはギャーと悲鳴をあげただ
赤鬼はもびっくらこ いて、とーんで山に帰った 山に帰った赤鬼は里の事を青鬼に話たと。
それを聞いた青鬼は よー里に下ってむすっめごと、わらすこと、金銀財宝をうんとどっ さり持ち帰ったと。
赤鬼も青鬼もた いそー喜んだ。
しかしむす めっごもわらっすこも全然笑わん。
笑わんどころかワンワン泣き出 し よった。
長者様殺したワンワン
おかんを食ったワンワン
お らとこ犬潰したワンワン
それを見た 赤鬼もワンワン泣いた
青鬼 はワンワン泣かれては面白くない
ワンワンなぐごぐっちまうぞ
ワ ン ワンなぐむすめっごぐっちまうぞ
ワンワンなぐ鬼ぐっちまう ぞ
食われてはたまらんと、赤鬼は むすめっご連れて山を下りたと
やまんなかでもワンワンなくむすめっごに赤鬼もワンワン泣いた
やまんなかで二人はワンワン泣いた
お月様もワンワン泣いた
すっとなワンワン泣いている赤鬼が なんかきゅーに可笑しくなっ た
可笑しくて可笑しくて・・・むすめっごはゲラゲラ笑った。
と、それを見た赤鬼もゲラゲラ笑った
お月様もゲラゲラ笑った
むすめっごはなんかきゅーに赤鬼が可愛らしくなった
なんか きゅーに・・・
むすめっごは赤鬼に人間になれたらよめっこに なっても良いと 言った。
赤鬼はそらもー大いに喜んだ
天に昇ると雨をザーザー雷をゴロゴロ
竜巻をゴーゴー吹かせて喜んだ
朝になるとむすめっごは谷のお寺に赤鬼を待たせ、家から着物と 帯 と草履を風呂敷に包み赤鬼に渡した。
んでも角とキバがどーして も鬼に見えるてんで赤鬼は角とキバを引っこ抜いたと。
ほんで赤鬼は人間となって里に下り祝言をあげたがね
たのしゅーすごすとったがむすめっごは日に日に山にいるわらすっこの事が気になってなー
ある日むすめっごは 、赤鬼に頼んでみ たと。
むすめっごの願いを聞いた赤鬼はわらっすこを返して貰う べく山へ帰っ た。
青鬼は角もキバも無い赤鬼の姿を見るとゲラゲ ラ笑った。
ゲラゲラ笑いながら上機嫌でわらっすこと金銀財宝をもたして赤鬼を帰したと。
赤鬼は青鬼と話をしたがったが、だまって山 を下 りた。
ゲラゲラ笑っていた青鬼は何も無い家に一人っきりでいる事に気 づくとなんとなく・・・ 寂しくなってきた。
青鬼は一人っきりの部 屋でワンワン泣いた
うんでな里で楽しく暮らしてる赤鬼 がなんか こう憎らしく思えてきた。
青鬼は青筋を立て火を吹きながら里 に下り、嵐のように里を めちゃくちゃにしていった。
赤鬼はワン ワン泣き叫ぶ里の衆の前に立ち、青鬼を退治する事を決め たんだ。
だげよー角もキバも無い赤鬼は殴ってもスッテンッテン蹴ってもスッテンッテン
てんで話にならんがね。
見るに見かねたむすめっごは囲炉裏に隠しておいた角とキバを赤鬼に渡し たーね。
角とキバを取り戻した赤鬼は、殴ってはバキバキ バキ 蹴ってはドンドンドン
青鬼はワン ワン泣きながら山へ帰っ た。
だげよー里の衆らは赤鬼の姿を見ると石を投げつけたがね。
赤鬼は目を真っ赤に染めてワンワン泣きながら谷を越え山へ 帰ったが。
むすめっごは日が暮れるまで ワンワン泣いたと。
うでな鬼が真っ赤な目をして山に帰った谷を赤目ヶ谷って言うよ うになった とよ。
RYUの余計な一言
ワンワン泣いた谷赤目ヶ谷。本作では赤鬼の涙で締めくくっていますがむ すっめっごも青鬼も泣 いています。鬼達はどうして里に下りようとしたの でしょう。赤鬼、青鬼、むすっめごそして里 の衆らはあれからどうなった のでしょう?それらを考察、創造する事でこの作品の違った一面が 見えて きます。そしてそれは一つではありません。