今年の初め、新年の挨拶をかねて、少し急な階段を上がった先にある事業所さんに訪問した時のこと

 

「ちょうど行って欲しい方がいるのよ」と、挨拶もそこそこにケアマネージャさんからお話をいただきました。

聞くと、理学療法士さんの訪問は受けているが思うように症状が改善せず困っていらしたそうです。

 

詳しくお話を聞くと、透析を長年受けている為に、首から肩の張り具合がとても辛いという事でした。もちろん、すぐにご本人と連絡を取り、初回の訪問日をき決めました。

 

奈良市内の閑静な住宅街にあるお宅へお伺いして、既往歴などをお聞きし、いざ肩や首に触れると、本当にひどい強張り加減。まさにカチカチです。

層になっている深い方の筋肉に触れたくても、その上の皮膚の真下が硬すぎて、

指が、、、

指が、入らない…

 

こんな時に、無理に上からガンガン押すようでは、国家資格保持者の名が廃ります。

事前のお話で、ご要望はしっかりお尋ねし、病気の禁忌の確認はもちろん、ご本人が鍼灸にどれだけ慣れていらっしゃるかの聞き取りもバッチリです。

 

対象とする組織を見定めて、ゆっくり、丁寧に、時に痛み具合の確認をしながら、施術をさせていただきます。

こうして週に2回の訪問を続け

もうすぐ施術開始より2ヶ月弱で、

比較的刺激量はジェントルめですが、ご本人も「肩や首が楽になって来た」と、先週の訪問時に嬉しいお声をいただきました。

 

そしてもう一つ。

 

肩や首の張り間が和らぐにつれ、お顔の緊張も少なくなり、お話も弾むようになって来たのです!!

少しずつ、成果の現れと共に、信頼関係も構築できている様子です。

こうして、体だけでなく、心の硬さも解しながら、施術の時間を提供するのが僕たちの仕事です。

 

結果として、訪問も喜んで受けて下さっています。

この方、今ではご自身から随分とお話を始めてくださいます。

こうして単なるコリではなく、そこから拗らせてしまった方の症状にも、しっかり向き合っています。

 

痛みの緩和のためにも、生活レベルの維持のためにも、

そして、社会性の維持のためにも

僕らの仕事を通じてお役に立てたら幸せです。