この2枚の写真を見てください。ご存知のとおり、左はトム・クルーズさん(Tom Cruise)、右はジョン・ヴォイトさん(Jon Voight)です。2人は、1996年の映画「ミッション:インポッシブル(Mission: Impossible)」で共演しています。このときトム・クルーズさんは34歳、ジョン・ヴォイトさんは58歳でした。
じつはこの左のトム・クルーズさんですが、「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One)」のときの写真です。このとき、トム・クルーズさんは61歳でした。そう、ミッション:インポッシブルで共演したときのジョン・ヴォイトさんよりも年をとったときの顔です。
よく、昔の人は老けて見え、今の人は若々しく見えるといいます。たしかにその傾向はあるでしょう。同時に平均寿命も延び、昔とは違って80歳や90歳でも、そうとは見えない容姿や元気はつらつな高齢者も珍しくありません。
そう考えると、見た目が若い人ほど長生きなのではないかとさえ思ってしまいます。果たして、そこに関連性はあるのでしょうか。

見た目と寿命に関する研究
見た目と寿命について調べようと思っても、じつはそう簡単なことではありません。なぜなら、いくら見た目が若いとしても、そこには遺伝による病歴や生活習慣など、さまざまに寿命を左右する要因が存在するからです。また、「若く見えるかどうか」と一口にいっても、それが顔なのか髪型なのか、立ち振る舞いなのか、どれを基準に調査するかを決めなければいけません。
そんななか、イギリスの研究チームが「Mortality is Written on the Face」という論文を発表しています。直訳すると「死は顔に刻まれる」という意味です。この論文の研究では、見かけの年齢が異なる双子の高齢者を対象に、顔だけを入れ替えてみることで、髪の毛や衣服などが若く見えることと顔自体が若く見えることが将来の死亡時期にどのように関係するかを調べました。
死は顔に刻まれる
2001年に、70歳以上のデンマークの双子187組(374名)を対象にパスポートタイプの写真を利用して調査が行われました。各双子の顔を入れ替えることで、各双子に対して2枚の新しい画像が生成され、合計748枚の画像が作成されました。
10名の看護師が、オリジナル画像と顔を入れ替えた画像での双子の見た目年齢を評価しました。その後、双子の生存状況は2013年末まで追跡されました。
その結果、顔またはその周囲を変更することで、画像の見た目年齢が大幅に変化し、両者の効果の大きさにはわずかな差(0.5年)しか見られませんでした。見た目年齢は、実年齢と性別を調整した上で、写真撮影から7年以内および7~12年の生存率を予測しました。
見た目年齢が高い(老けて見える)方の双子が先に亡くなった場合、顔は平均で1.4歳老けて見えましたが、髪型や服装といった顔以外の周囲の情報(0.3歳)には差は見られませんでした。
つまり、見た目年齢と生存率の関連性には、髪型や服装ではなく、顔の視覚的特徴が主に影響を及ぼしていたのです。
顔が若く見えるということは・・・
顔が若く見えるということは・・・ この研究から、顔が若く見えることは、実際に寿命においても若いという結論が導かれます。つまり、顔には生存に関わる肉体的な年齢が表れているといえそうです。
だからといって、スキンケアやお化粧で若々しく見せているから寿命が延びるというわけではありません。食生活や運動などによって肉体的に健康であることが、顔に表れてくるということなのです。
ちなみに、アニメ「サザエさん」に登場する磯野波平さんは54歳だそうです。タバコもお酒はけっこう嗜んでいて、カツオ君のことでストレスも抱えてるような波平さん。やっぱり、けっこうからは少し縁遠いのかも知れませんね。
