<a href="https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/4fM_bgJCIMg?utm_source=unsplash&utm_medium=referral&utm_content=creditCopyText">Unsplash</a>の<a href="https://unsplash.com/ja/@tandemxvisuals?utm_source=unsplash&utm_medium=referral&utm_content=creditCopyText">Tandem X Visuals</a>が撮影した写真

 

夏の暑さが本格化し、私たちの健康にとって重要な注意が必要な季節がやってきました。炎天下での外出や運動、そして忙しい日々において、熱中症と脱水症のリスクが高まることを忘れてはなりません。これらの状態はしばしば混同されがちですが、実際には異なる健康問題です。今回は、熱中症と脱水症の違いについて知り、適切な予防策と対処法について理解を深めていきましょう。これからの暑い日々を健康的に過ごすために、大切な情報をお伝えします。

 

 

 

 

 

(1)熱中症と脱水症とは

ところで、熱中症と脱水症の違いって知っていますか。

熱中症とは何か?

熱中症とは簡単にいえば、体温が危険な温度まで上昇している状態です。直腸温などの核心温度が43℃以上の場合、死亡率は80%以上とも言われているので軽く考えていると大変なことにつながります。急に気力が抜けてぼんやりした様子になったり、暑いにもかかわらず汗をかいていなかったり、意識障害や全身痙攣がみられるときは熱中症だと考えて間違いないでしょう。

脱水症とはどのような状態か?

脱水症とは、体内の水分が足りない状態のことです。口の渇きや体のだるさといった自覚症状があったり、立ちくらみがおこったりします。頭痛、便秘、食欲低下、こむら返りなども脱水症の症状だといわれる場合もあります。脱水症がおこるのは、カラダの水分が不足しているからです。飲む量が少なかったり、反対にカラダから汗などで排出される量が多すぎると、脱水症になるとされています。

熱中症と脱水症の違い

熱中症と脱水症を同じと考えているひとも少なくないでしょう。ですが、別物です。脱水症はカラダの水分が汗などで失われ、その補給ができていない場合に起こります。熱中症は気温の高い環境で体温調節が働かなくなり起こります。いずれにしても、暑さ対策と水分補給は共通して大事な対策だといえるでしょう。

 

ちなみに、英語で熱中症は「heat stroke」、脱水症は「symptoms of dehydration」といいます。これから海外に行こうというひとは、覚えておいてもいいかもしれません。

(2)熱中症と脱水症の予防

では、熱中症や脱水症を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。

熱中症の予防

熱中症で気をつけないといけないのは、危険なレベルまで体温を上げないようにすること。つまり、周囲の温度を適切に維持することです。室内では扇風機やエアコンで温度を調節しましょう。とはいえ、電気代も気になるというひとは、遮光カーテンやすだれを設置するなどして、屋内に直射日光が入らないようにしてみましょう。また、体感ではなく室温をこまめに確認することも大事です。子どもや高齢者は、室内が高温でもそれに気づいていないということがあります。暑いと感じていなくても、室温が何度以上になったら冷房を入れるといったように具体的に分かるようにしておきましょう。

 

当然、屋外では通気性・吸湿性・速乾性のある衣服や帽子を着用しましょう。日傘を使ったり、日陰をできるだけ歩くようにして、こまめな休憩をとるようにしましょう。また、天気のよい日は、必要がなければ日中の外出をできるだけ控えるといった対策も必要です。

 

脱水症の予防

脱水症の予防は、何よりも水分補給が一番大切です。のどが渇いていない、汗をかいていないからといって水分をとらなくても大丈夫ではありません。いつもより尿の色が濃いとか、トイレに行く回数が少ないと感じたら要注意です。高齢者の場合、外出先などでトイレに行きたくないからと、水分補給を意識しておさえているという人も少なくありません。若い人でも、渋滞などに巻き込まれたら嫌だからとトイレに行かないですむように水分補給をしないというひとがいます。ですが、脱水症の予防でいえば、のどが渇く前からこまめな水分、塩分補給をすることが大事です。日頃から水分補給を心がけましょう。

(3)熱中症と脱水症の応急処置

熱中症か脱水症かと疑われるひとがいたら、躊躇せず救急車を呼びましょう。そして、救急車が到着するまで救急救命士などから指示される救命行動をするのが大切です。ですが、参考までにいくつか考えられる応急処置を紹介しておきます。

熱中症の応急処置

熱中症はカラダの体温が上がりすぎている状態なので、まずはカラダを冷やすことが必要です。涼しい場所に移動し、保冷剤などを活用して体温を下げるようにしましょう。冷やすときは、首の両脇、脇の下、大腿の付け根など太い血管が通っている部分を冷やすと効果的です。

脱水症の応急処置

市販の経口補水液やスポーツドリンクなどで水分補給をしましょう。めまいやふらつきなどがある場合は、日陰や屋内など涼しい場所で安静にするようにしましょう。

まとめ

熱中症も脱水症も命の危険につながります。日々の生活で無理をせず、健康に気をつけてくださいね。