「同じ穴のムジナ」って言葉、聞いたことがありますか?

 

 

 

 

 

1:同じ穴のムジナってどういう意味?

ときどき、「同じ穴ムジナ」という言葉を耳にすることがあります。「同じ穴」はわかるのですが、「ムジナ」ってなにかよくわからないですよね。

(1)同じ穴のムジナの意味は?

小学館発行の「デジタル大辞泉」で意味を調べてみると、「一見関係がないようでも実は同類・仲間であることのたとえ。多くは悪事を働く者についていう。」とあります。簡単にいえば「裏でつながっている悪いひとたち」ということでしょうか。「同じ穴」の代わりに「一つ穴のむじな」ともいうようです。では、ムジナとはいったいなんなのでしょうか。

(2)そもそもムジナとは?

じつは、同じ穴のムジナは漢字で「同じ穴の狢」と書きます。つまり、ムジナは狢なんです。狢とは、哺乳類のタヌキまたはアナグマの俗称です。「日本書紀」の推古35年2月のところに「陸奥国に狢有りて人に化りて歌ふ」とでてくるので、1300年以上前から日本に住んでいた動物ということになります。

 

古くから住み着いているせいかもしれませんが、日本では妖怪視されることが多く、化けてひとをだましたりすると考えられてきました。そこから、一見するといいひとそうなのに、じつはだまそうとしている悪いひとという意味につながっていくのかもしれません。

 

 

 

 

 

2:同じ穴のムジナと似た表現の言葉3つ

2:同じ穴のムジナと似た表現の言葉がいくつかありますので、紹介しておきましょう。

(1)五十歩百歩

「五十歩百歩」は、「ある程度の違いはあるものの、結局はどちらも同じようなものであることのたとえ」(故事成語を知る辞典)です。「五十歩を以て百歩を笑う」ともいったりします。中国の故事にちなむ言葉です。

(2)どんぐりの背比べ

「どんぐりの背比べ」は、「どんぐりの大きさはどれもほとんど同じで、背くらべをしても甲乙の判定ができない。どれもこれも平凡で変わりばえのしないこと。特にぬきんでたものがないことのたとえ」(日本国語大辞典 )です。

(3)どっこいどっこい

「どっこいどっこい」は、「 勢いが互いに同じくらいで優劣のないさま」(日本国語大辞典 )を表す言葉です。ただ、他にも意味があり「ありったけの力をだしてやっとのことでことを行なうときに発するどっこいしょ」と同じように使われることもあります。

4:まとめ

それなりに馴染みがある言葉ですが、なかなかムジナがなにかを知っているひとは少なかったのではないでしょうか。ちなみに、英語では「birds of a feather」(羽のなかの鳥たち)とか「badgers of the same hole」(同じ穴のアナグマ)というようです。