知らないひとに会うと緊張してしまい挙動不審になってしまう、なにを話していいかわからず目も合わせられない、というコミュニケーションが苦手というひとは珍しくありません。そんなひとはいったいどうすればコミュニケーションの苦手さを克服できるのでしょうか。また周囲は、コミュニケーションが苦手なひとに対してどう接してあげればいいのでしょうか。
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1:コミュニケーションが苦手なのは病気なの?
コミュニケーションとは、平凡社「最新 心理学事典」によれば、伝達・通信・交信など情報が伝えられることを意味しています。ひとことでコミュニケーションとは言いますが、自分と相手のお互いの意図や感情の伝達を言語を使っておこなわれるものを「言語コミュニケーション(verbal communication)」、言語以外の身振り手振りであったり、表情などを使っておこなわれるものを「非言語コミュニケーション(nonverbal communication)」とよんでいます。
例えば、会話もコミュニケーションの方法ですが、片方がネイティブレベルに英語が話せる人で他方が英語を習い始めたばかりのひとだと英語の能力に差がありすぎて上手く会話ができませんよね。英語を習い始めたばかりのひとは、相手の話していることも理解できず自分のいいたいことも伝えられない英語によるコミュニケーションが苦手な状態ということになります。
つまり、コミュニケーションが苦手なのは病気ということはなく、あくまでなんらかの方法によるコミュニケーションの能力が発展途上にあるということなんです。
2:コミュニケーションが取れない人の特徴
では、コミュニケーションが苦手というひとはどんな特徴があるのでしょうか。
(1)受け身
物事に対して受け身な人はコミュニケーションにおいても話しかけられるのを待っていたりするため話す機会が少なくなり、どうしてもコミュニケーションが上達せず苦手になってしまうかもしれません。
(2)他人に興味がない
他人に興味がないと、いろいろ質問してみようとしなかったり、話しかけたりしませんよね。結果的に、会話をする機会がなくなりコミュニケーションが苦手ということになってしまいます。
(3)自信がない
自分に自信がなく、自分は嫌われているのではないかと考えがちなひとは他人との関わりを避けてしまうため、コミュニケーションを取ろうとはしませんよね。
3:コミュニケーションが苦手なひとへの接し方
では、コミュニケーションが苦手なひとには周囲はどのように接していけばいいのでしょうか。
(1)話しかけてあげる
まずは、自分から話すのが苦手な場合があったりするので、話しかけてあげましょう。例えば、日本語が苦手な外国人な人にこちらから話しかけるようなイメージです。
(2)ほめる
話しかけて会話の糸口がでてきたら、親しみやすいことを伝えるために褒めてあげましょう。褒めることで、相手は自分の自信がもて、それが積極的にコミュニケーションを取ろうということにもつながっていきます。
(3)受け入れる
そしてなによりも大事なことは相手を受け入れることです。コミュニケーションが苦手なこと自体、けっして悪いことではありません。コミュニケーションが苦手という事実を受け入れてあげて、そのひとに会わせた方法や程度でコミュニケーションを取っていきましょう。
4:コミュニケーションが苦手な人に向いてる仕事とは
株式会社ビズヒッツが、2020年にコミュニケーションが苦手な全国の男女1,000人を対象に「おすすめの仕事に関する調査」を実施しています。
調査結果によれば、コミュニケーションの苦手な人が「仕事上のコミュニケーションにおいてどんなときに苦痛を感じるのか」について、「電話の取り次ぎ・応対」「世間話」が僅差で1位、2位。次いで、「上司への報告・相談・質問」「ランチ・休憩時間・飲み会」「顧客対応・接客」と続いています。一口にコミュニケーションが苦手といっても、他人との関わり全般が苦手なのか、初対面の人が苦手なのか、世間話が苦手なのか、自分の発言に注目されるのが苦手なのか、上司が苦手なのかなど、苦手に感じる状況はひとによって違います。
そして、コミュニケーションが苦手な人におすすめな仕事はという質問には、最も多かったの回答は「工場・倉庫での作業」、次いで「在宅ワーク」「IT関係」「データ入力」「ドライバー」でした。コミュニケーションが苦手だからできるだけひとと関わらない仕事がオススメされているようです。ですが、マニュアルがあるのでコールセンターなどひとと関わる仕事も意外にできたりしますので、一概にひとを避けるような仕事を選ばなくてもいいかもしれません。
5:コミュニケーションが苦手なひとの克服方法
では、コミュニケーションが苦手なひとは、どうすれば克服できるのでしょうか。
(1)質問をする
コミュニケーションが苦手なひとは、自分から話すことが得意でなかったりするかもしれません。一体なにを話したらいいのだろうと、緊張してしまうわけです。なので、まずは相手のことを知ろうとたくさん質問をしてみましょう。質問の返答をある程度想定して質問しておけば、会話の主導権を握ることさえできます。これは、不得意な外国語でコミュニケーションをするときにも使えるテクニックでもあります。
(2)鉄板ネタをもっておく
質問の返答を想定するように、自分が質問された時を考えて鉄板ネタのように定型の回答をあらかじめ決めておくといいかもしれません。そうすれば、なんて答えたらいいんだろうと不安になることはありませんよね。
(3)共通の話題を見つける練習をする
自分から質問をしたり、質問されたときにために鉄板ネタで、もうある程度のコミュニケーションは成立しています。ここまでの会話で自分と相手の共通点を見つけられるようにがんばってみましょう。共通する部分が見つかれば、さらに会話を続けやすいですよね。
6:まとめ
コミュニケーションは、慣れと練習です。苦手だなというひとも、ゆっくりではありますが上手に、そして得意になるチャンスがあります。あせらず、ちょっとずつでもコミュニケーションを取るようにしていきましょう。