<a href="https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/DyhiB_wFifk?utm_source=unsplash&utm_medium=referral&utm_content=creditCopyText">Unsplash</a>の<a href="https://unsplash.com/pt-br/@ruxat?utm_source=unsplash&utm_medium=referral&utm_content=creditCopyText">Hoi An Photographer</a>が撮影した写真

 

似ている親子をみると「血は争えない」なんていったりしますよね。ですが、「血」という言葉がついているのでなにか物騒な気がします。はたして、「血は争えない」の本当の意味はなんなのでしょうか。

 

 

1:血は争えないの意味は?

では、まず「血は争えない」の意味について確認しておきましょう。

 

小学館の「デジタル大辞泉」によれば「子どもが父母から気質・性向を受け継いでいることは否定しようがない」とあります。似たような言葉に「蛙の子は蛙」というのがありますよね。こちらは「子は親のたどった道を歩むものだ、また、凡人の子は凡人にしかなれないものだ」という意味です。

 

蛙の子のオタマジャクシは、親である蛙とは見た目が違いますよね。そこから「子どもは、小さいころは親に似ていなくても、あるいは親の仕事とは違う世界に興味をもっていても、結局は、親に似たり、親の進んだ道を歩んだりするというたとえ」(ことわざを知る辞典)で使われます。「血は争えない」も「蛙の子は蛙」も、子どもは親に似るという意味合いなのですが、「蛙の子は蛙」は「子どもは親に似る」という意味よりも「凡人の子はやはり凡人である」ということを言いたい場合に使う言葉ですので、「血は争えない」とは少し違うことがわかるでしょう。

2:類語は?「蛙の子は蛙」「血は水よりも濃い」とどう違う?

「血は争えない」の類語として、「蛙の子は蛙」を紹介しました。他にも、「血は水よりも濃い」という言葉があります。

 

小学館の「デジタル大辞泉」によれば「血は水よりも濃い」は「血筋を引いた間柄は、他人に対するより親密であることのたとえ」とあります。「血のつながりは他人同士の関係よりも強い。身内には他人とは比べ物にならない愛着があることや、どのようないきさつがあろうと血縁は断ち切れるものではないというたとえ」(ことわざを知る辞典)で使われます。

 

他人よりも身内のつながりは強いという意味なので、「血は争えない」や「蛙の子は蛙」とはぜんぜん違う意味なんです。他にも似た言葉があるので、まとめて紹介しておきましょう。

  • 瓜の蔓に茄子はならぬ・・・子は親に似るものだ。平凡な親からは非凡な子は生まれない(デジタル大辞泉)
  • 親譲り・・・親から性格・財産などを受け継ぐこと(デジタル大辞泉)
  • 彷彿・・・よく似ていること(日本国語大辞典)
  • 空似・・・まったく血縁関係がないのに、顔つきなどがよく似ていること(デジタル大辞泉)

ちなみに、「血は争えない」の英語表現は「Blood will tell」です。直訳すれば「血は語る」ということ。つまり「親子が似ているのは血が証明しているよね」ということなんですね。

 

  

3:「血は争えないや」が使えるシチュエーションと正しい使い方

「血は争えない」は、親子で容姿や性格が似ていることを表す場合に使います。 例えば、親がピアノが上手な場合で、その子どももピアノが上手かったりというポジティブに使う場合もあれば、お父さんがが浮気性で、その子ども女性関係が派手だったりというネガティブなときに使ったりします。

 

「子どもが親の性格や才能を受け継いでいる場合 」や「世代を超えた特定の習慣や文化を家族で共有している場合」というシチュエーションで使うことが多いかもしれません。

 

ただし、この言葉を使うことで遺伝子や生まれ持った性質を決めつけることは避けないといけませんので注意しましょう。子どもは自分自身を作り上げる自由があり、遺伝子だけでなく、環境や経験によっても自分自身を変化させることができます。

4:血は争えないは本当?リアルエピソード

イレーヌ・ジョリオ=キュリー(Irene Joliot-Curie)という女性がいます。フランスの原子物理学者で、1935年にノーベル化学賞を受賞しています。キュリーという名前からわかるように、父はピエール・キュリー、母はマリー・キュリー。そう、父はフランスの物理学者で、母はポーランド出身の物理学者・化学者で有名な「キュリー夫人」。両親もノーベルを受賞しています。まさに、血は争えないリアルエピソードです。

5:まとめ

「血は争えない」と「蛙の子は蛙」の意味、ちょっと間違って使っていたという人もいるのではないでしょうか。遺伝的な問題で似るのか、生活習慣などで似てくるのか、わかりませんが、いずれにしても親子はそれなりに似てくるんでしょうね。