2010年に「イクメン」が流行語にノミネートされて以来、子育てに積極的に関わるパパが増えてきました。現実には、仕事を優先しつつ育児に参加するパパがいたり、子煩悩的に育児を優先するパパがいたりと、その関わり方は多様です。

 

もちろん基本的には、ママの育児負担を分担して軽減するということが前提となるわけですから、パパの気まぐれな育児ではダメですよね。では、どうすればママが満足できる育児ができるようになるのでしょうか。

 

パパたちが育児についてどう考えているのか、株式会社コドモノガタリが0~3才児をもつ300人のパパたちにおこなった これからの父親像 調査プロジェクト調査の結果から紹介します。

現実には難しい育児時間の確保

育児に参加したいとパパが思っても、働いていると、そのための時間の確保は難しいものです。

 

厚生労働省の今後の仕事と家庭の両立支援に関する調査結果でも、育児休業制度や短時間勤務制度を利用したいという男性が30パーセントを超えているものの、今回の調査では平均勤務時間数(残業含む)は8時間程度だというパパが24.7パーセント、9時間程度が22.7パーセント、10時間程度が22.1パーセントという結果となり、逆に7時間以下というパパは全体の5.7%に過ぎませんでした。

 

つまり、ほとんどのパパが実際に育児に参加するための時間確保が満足にできていないという現実があるわけです。また、労働時間の長さと関係して、帰宅時間にも違いがみられました。

 

育児に積極的に参加しているパパの帰宅時間は18時台~19時台と早く、反対に積極的に参加しないパパは20時台以降と帰宅時間が遅くなる傾向にあることがわかりました。

育児の満足度には夫婦のコミュニケーションが関係している

では、育児に多くの時間をかけることができれば、ママは満足できるのでしょうか。

 

調査結果からは、パパのほうが育児時間を長く取ったとしても、必ずしも夫婦間の満足にはつながらないとパパたちが考えていることが、みえてきました。夫婦間の満足を「コミュニケーションによる満足」という視点からみると、基本的には、子どもに関する話は夫婦間でよくおこなわれるものの、ママの仕事復帰などについて話されることは少ないようです。

 

また、パパ自身のキャリアプランや家事に関することなど、日常的な話題についてもあまり話されていないことがわかりました。つまり、パパは育児参加という意味では子どものことについてはママとよく話してはいるものの、ママの将来について話すことがなく、ママからすれば「この人は、私のことをちゃんと考えてくれているのだろうか」と不安になってしまうのです。

 

日常のささいな会話こそが夫婦関係をよくするのです。その意味では、家事に関することのような日常的な会話が少ないことで、夫婦関係の満足度が下がってしまっているということも考えられます。

まとめ

調査結果からは、パパはパパなりに育児に積極的に参加しようとはしているのですが、現実的に育児に費やす時間がなかったり、育児への戸惑いから日常的な夫婦間のコミュニケーションが少なくなったりで、それに伴ってママも不満を感じてしまう、という実態がみえてきます。育児中だからこそ、パパもママもお互いのことを気遣い、何気ないコミュニケーションを大事にするべきなのでしょうね。