過去にフジテレビ系列で放送された桐谷美玲さん主演のドラマ「人は見た目が100パーセント」。また「人は見た目が9割」(竹内一郎著・新潮社)なんて本が出版されるなど、なにかと「見た目は大事」と言われますよね。ですが本当のところ、「人は見た目が何%」なのでしょうか?

はっきりいって「100%」

答えからいうと、「人は見た目が100%」です。

 

もちろん、そう言ってしまうと「私は、絶対に人を見た目で判断したりしない!」と、非難の声が上がるかもしれません。ですが、そこには人の行動に関する、ある特徴が影響しています。なぜ、「人は見た目が100%」なのか? その理由を説明していきましょう。

経済原理思考の影響

「経済原理思考」という言葉を、みなさんご存知ですか?

 

経済原理思考は、思考経済と呼ばれることもあります。その意味は、「できるだけ多くの事実を、できるだけ少ない思考の労力で説明すること」などと説明されます。わかるようで、ちょっと難しいですよね。

 

そこで、ちょっと極端になるのですが、次のように説明します。

人間は面倒くさがり屋な生き物なので、できるだけ面倒なことは避けたい。その面倒なことを避けるために、人は他人の外見をヒントに、相手をどんな人か判断する

どうでしょう? 少し理解しやすくなりましたか?

相手がよくわからないから見た目をヒントにする

世の中には、一見するとすごく強面な人がいます。たとえば、俳優でいえば、『難波金融伝・ミナミの帝王』などで有名な竹内力さんなんて、見た目がすごく怖いですよね。他にも、遠藤憲一さんや寺島進なども結構な強面です。

 

 

でも、知り合いではないので本当のところはわかりませんが、バラエティー番組に出演している姿は、見た目とは裏腹に、お茶目でおもしろいイメージしかありません。つまり、見た目と中身は別物ということです。

 

しかし、「だったら、人は見た目が100%じゃないだろう!」ということになりますよね。そこで働くのが、先程に説明した「経済原理思考」です。

やはり「人は見た目が100%」

本来であれば、一緒に食事をするなどして親密になり、相手のことをよく知ったうえで、その人がどんな人かを判断するべきです。ですが、初対面の人がどんな人かわからなければ、食事に行こうとも思いませんよね。

 

それにもしかしたら、自分にとってその人は、危害を加えるような危険な人の可能性だってあるわけです。そこで、人は相手の見た目(=外見情報)を頼り、相手がどんな人なのか、どういう付き合い方(関係)をしたらいいかを判断し、人間関係を築いていくんです。

 

目の前にいる人が、どんな人かわからない。じっくり付き合ってから判断していたのでは遅いかもしれない。自分に害があるかもしれないし、そもそも面倒。だから、見た目の情報を重視するんです。その結果、「人は見た目が100%」ということになってしまうのです。

 

もちろん、「見た目」には容姿の魅力だけではなく、言動なども含まれます。そして、見た目で判断した相手の印象(第一印象)は一時的なものであり、付き合っていくうちに変化していきます。

 

とはいえ、見た目の印象が良くなければ、じっくりと付き合うということにもならないでしょうし、印象を好転させる機会もなくなるわけです。見た目というのは、人間関係において、すごく大事な要素なんです。